外国語学部 中国語学科
櫻井 しゅう
渡航期間:2024年2月~2025年1月
私は2024年2月から約1年間中国の西安交通大学へ留学しました。私はこの留学を通して努力する能力と前向きな考え、言語力を身につけました。
留学を決めた理由は中国の歴史や街並みに深い興味があり、写真や本だけでは伝わらない“空気”を、現地で直接感じてみたいと思ったからです。高校1年生の頃から少しずつ中国語の勉強を始め、留学前にはHSK3級または中国語検定3級程度の力がありました。
中国へ着き早速授業が始まり、私は中級レベルのクラスに入りました。授業は中国語で行われ、教科書には英語での解説もありました。しかし、これまで中国語の環境で生活をしたことがなかったため、最初は知っている単語だけを必死に聞き取り、文章のひとつひとつを苦労して理解していました。スピーキングの際は、他の学生は中国語よりも英語が先に口をついて出ることが多かったのですが、私は英単語の整理がうまくできず、思うように話せないことがありました。
さらに私の校舎には日本人が私一人だけで、周りの学生たちはそれぞれ自分たちの母国語で話していたので、孤独に感じることも多かったです。ただ、別クラスに仲の良い友達が何人かいて、時々一緒にご飯を食べていました。入国直後から中国語を使わなければならない場面が多く、最初の頃は一日5時間ほど勉強をしていました。
一ヶ月ほど経つとクラスに慣れ、タイ人やオーストラリア人の友達ができ、他の国の学生とも少しずつ話せるようになりました。タイ人のグループと食事をしたり、オーストラリア人の友人と遊んだりする中で、言葉の壁があり完全に意思疎通できたわけではありませんが、国際交流を心から楽しむことができました。また大学教授が経営する塾で日本語を学んでいる中国人学生に日本語を教える機会もあり、中国人との交流も経験しました。
生活面では大変なこともありました。例えば寮のシャワーヘッドが腐食していて交換することができず、肌荒れをしてしまいました。また、中国到着直後は黄砂などの影響で20メートル先が、霧がかったように見える日もありました。さらに外国人向けの案内がほぼなく、事務手続きに関することで担当の先生に問い合わせても返事がないことも多くあり、大変でした。
前期が終わる頃には基本的な中国語は話せるようになり、発音も中国人だと思われるほど上達していました。クラスで一番話せなかった私が、プレゼンテーションでは最も流暢に発表できるほど成長しました。
夏休みには、英語圏の友達ともっと話したいと思い、英語の勉強を始めました。中学英語から復習し、少しずつ単語を覚えていきました。そして、ドイツ人とメキシコ人の友達と一緒に韓国へ旅行に行きました。現地では帰国していた韓国人の友達が案内してくれました。習った英語も役立ち、とても楽しい旅行になりました。
後期は前期の成績が評価され、一番上のクラスになりました。内容はHSK5級から6級レベルで、教科書はほぼ熟語ばかり、英語での説明は一切なく全てが中国語でした。リスニングは全く苦ではありませんでしたが、文章の内容が難しく感じることがありました。それでも周りの学生も流暢に中国語を話せる人ばかりで、すぐに仲良くなることができました。
後期に入ると生活が大きく変わりました。前期は3日に1回ほど友人と食事をしていたのが、後期ではドイツ人、メキシコ人、韓国人、中国人、ロシア人そして私の6人で毎日一緒にご飯を一緒に食べるようになりました。まるで兄弟のように仲が良く、毎日会って遊び、各国の文化について話し合う時間がとても楽しかったです。
旅行も多く、1年間で苏州(3月)、吉林(4月)、张家界・上海・杭州(10月)、韓国(8月)、タイ(1月)、あと北朝鮮村にもいきました。最後にタイへ行った時には英語力も伸びており、レストランでの注文やホテルの受付など旅行に必要な英語は問題なく使えるようになっていました。旅行へ行くたびに、自分の成長を実感しました。
この留学を通じて変化したのは言語力だけではなく、性格と行動です。私はどちらかというと家に引き篭もりがちで内向きだったのですが、多様な人と出会い学ぶことで、積極的に外へ出て行動することができるようになっていきました。5カ国語を話せる友達や17歳で中国に来て中国語を流暢に話せる友達など多くの努力家がいて、私ももっと成長したいと思うようになりました。中国語も英語も、そして学業以外の遊びも全力で楽しみながら、前向きに挑戦する姿勢を身につけられたと思います。
これからも中国で学んだことを忘れず、さまざまなことに挑戦し、中国語もさらに成長させていきたいです。






2025年10月14日