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教授
嵐 洋子
(ARASHI, Yoko)

経歴
1999年 成城大学文芸学部英文学科卒業
2002年 横浜国立大学大学院教育学研究科(日本語教育研究専修)修了(2000年~2001年 MA Linguistics and English Language, University of Durham(英国)留学)
2006年 大阪大学大学院文学研究科 博士(文学)
2005年 杏林大学 講師
2011年 杏林大学 准教授
2022年 杏林大学 教授

先生の専門は何ですか?

私の専門は大きく分けると2つあります。まずは,日本語教育学です。日本語を母語としない人に日本語を教える日本語教育について研究する学問ですが,現在は,特に英語を使って日本語や日本文化を教える日本語教授法について研究しています。もう1つの専門は,日本語音声学です。日本語を母語としない人が苦手とする音(例えば,「地図」と「チーズ」などの区別)の研究や,その教育方法について調べています。熊本県や長崎県など,九州方言の音声についても研究しています。日本語を学ぶ学習者は日本各地にいますので,そのような学習者のために方言教科書を作成するプロジェクトにも携わっています。

なぜ、その専門に興味を持ったのですか?

大学時代に小学校で日本語教育のボランティアをしたのがきっかけで興味を持つようになりました。小学校低学年から日本に来て,一見,上手に日本語を話しているように見える生徒でも,作文を書くと「おかあさん」が「おかさん」になるなど,うまく書けない生徒がいました。そこから,発音に関して研究する音声学や,それを教える日本語教育学について興味を持つようになりました。

先生の専門分野の「こんなところが面白い」を教えてください。

「日本語」や「日本語教育」の研究や学びには,「日本」と「海外」を同時に知ることができるという魅力があります。例えば,私が担当している日本語教育の概論を学ぶ授業では,普段意識しない「日本語」がどのような言語なのか気づいてもらうために,小学校の国語の教科書に出てくる物語を,日本語を母語としない人にも分かるように「やさしく」書き換える練習をします。そうすると,無意識に使っている語彙や文法が日本語学習者には難しいことを実感します。また,日本語の教え方を実践的に学ぶ授業では,グループで教師役,生徒役に分かれて教える練習をしたり,実際に留学生に教える体験をします。留学生からは今まで考えたこともなかった質問もあり,驚きと発見があります。このような授業が終わると「日本語は難しい」と口を揃えて言うようになります。自分の話している日本語が,実は地域特有の言い方や発音だったことに気付くこともあります。また,日本語だけではなく,その背景にある日本の文化にも気づくようになります。自分の話している日本語や日本の文化を客観的に見られるようになると,英語など他の言語を学ぶときにも役立つと思います。

大学で専門的に学ぶことでどんな未来が?

大学で専門的に学ぶと,世の中の見え方が変わると思います。例えば,私の専門の一つ「日本語教育学」を学ぶと,国内外の日本語教育機関だけではなく,一般の会社や地域社会でも,外国の人をより深く理解できるようになります。今まで何気なく見ていた海外のニュースももっと身近に感じられるようになるかもしれません。また,無意識に話している日本語や,当たり前だと思っていた生活習慣も新鮮に思えるかもしれません。この新しい「見え方」は,より人生を豊かなものにしてくれると思います。

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