准教授
古本 泰之
(FURUMOTO, Yasuyuki)

経歴
1999年 立教大学社会学部観光学科卒業
2001年 立教大学大学院観光学研究科観光学専攻博士課程前期課程修了(修士:観光学)
2005年 立教大学大学院観光学研究科観光学専攻博士課程後期課程単位取得退学
東京立正短期大学、信州短期大学、川村学園女子大学非常勤講師を経て
2005年4月 杏林大学外国語学部専任講師
2009年4月 杏林大学外国語学部准教授(現在)

先生の専門は何ですか?

一言で言うならば「観光地域開発」ということになります。具体的には、観光地域が形成されていく中で、関係する人々がどのように観光地域開発に関わっていったか、その動きがどのような結果につながったのかを追っていくものです。

その中でも私が着目しているのは、観光地域における美術館の集積という現象です。日本の観光地域では美術館が集積し、観光資源化しているケースが見られます。その背景にある地域内に居住する芸術に関心を持つ人々のつながりとその活動について明らかにする取り組みを行っています。

なぜ、その専門に興味を持ったのですか?

観光学科に入ったものの、観光関連産業で自分が働くイメージが湧かないまま大学生活を送っていました。

その中でゼミを専攻する時期となったのですが、「観光地域を作る」=「観光地域開発」という分野が私の目には斬新に映り、そこを選ぶことにしました。また、部活の一環として行ったホテル研修の場所が伊豆高原という美術館・博物館の集積で有名な地域で、研修中のさまざまな経験を通じて観光地域の社会変容といった分野に関心を持つようになりました。

直感に従って大学生活を送ってきただけなのですが、結果としてそのときの経験全てが合体して現在の専門につながったと思っています。

先生の専門分野の「こんなところが面白い」を教えてください。

「観光地域開発」の中でも私の分野はニッチなところなので、より現場経験が豊富な先生方に幅広い視点から講義を担当していただき、私自身は観光学の概論的な科目や、地域と大学とのつながりを考える科目(仕事の関係で)を担当しています。

観光学という分野は「多様性」を有している点が最も面白いのではないかと思います。

産業に直結したような学問内容をイメージされるかもしれませんが、それはある一面に過ぎません。確かに産業への優秀な人材の輩出は急速に発展する日本の観光において重要な課題ですが、それひとつ取っても多様なアプローチが想定できます。

資格試験のように「これを勉強しておけば大丈夫」という安定感はありませんが、いろいろ迷いながらも自分なりの学びを組み立てていく感覚が観光学の楽しみのひとつかなと思っています。また、観光自体が現在進行形の社会現象であることから、次々と新しいテーマが立ち現れてくる点もユニークです。

それらを踏まえて、できるだけ視野を広げられるように概論系科目で取り扱うトピックを選んでいるところです。

大学で専門的に学ぶことでどんな未来が?

私が読んでいた「これからの観光地はこうなっていく」といった論文について、横で見ていたとある恩師が「君の読んでいるものは不確実な予想に過ぎないから」と評したことが心に残っています。確かに未来は短期的であれ長期的であれだいたい不確実です。たとえば、大学時代に「将来こうなる」と学んだものの中には、IT化など社会の変化で現在では使えないものも結構あります。

ただ、過去から現在まで変わらない観光学のストロングポイントだなと思うのは、分析的な視点を持ちつつ人に寄り添う姿勢です。観光学は人がいなければ成立しない学問です。故に人に寄り添うことから社会現象を分析していく力が養われていくのですが、これはどのような未来であっても必要な力と言えるのではないでしょうか。

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