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准教授
北村 一真
(KITAMURA, kazuma)

経歴
2005年 慶応義塾大学文学部英米文学科卒業
2007年 慶応義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻 前期博士課程 修了 (修士 文学)
2009年 慶応義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻 後期博士課程 単位取得満期退学

先生の専門は何ですか?

専門は英語学です。特に英文法、語法、構文に関心があり、英語の母語話者が何気なく用いている文の形や構造、語法にどういう機能や役割があるのか、を分析しています。例えば、同じ「事柄」を表す文でも、John came to the party. とIt was John that came to the party.あるいはI want to read the book.とWhat I want to do is read the book.では使える場面や文脈が違います。これらはほんの一例ですが、こういった「形」の違いがどういう性質のものであり、なぜ存在するのか、また、これらがどこから生じたものであるか、といったことを考えるのが研究のテーマです。

なぜ、その専門に興味を持ったのですか?

そもそも英語の文法や構造に興味を持ったのは高校の時の受験勉強でした。当時、たった1~2年、英文法を真面目に勉強しただけで、英語圏の滞在経験すらない自分が本格的な英字新聞の記事や論文をまるで魔法のように理解できるようになった、という感触があり、その体験が英文法や英文読解に対する強い関心の源泉になっています。大学に入って英語学や言語学を学び、優れた師の助言や同窓生たちとの切磋琢磨を経て、この関心はさらに深まっていきました。

先生の専門分野の「こんなところが面白い」を教えてください。

上でも述べましたが、文法や語法には、まじめに勉強しさえすれば比較的短期間で誰でも外国語を正しく理解できるようにしてくれるという、魔法のような魅力があります。さらに深く学んでいくと、今度は自分が発信する時にも、表現に深みが出せるようになります。意識的に学んだ文法や構文を駆使して母語話者の言語能力に近づこうという試みは、さながらArt(人為の技術)でNature(神の摂理)に挑むような興奮があります。

大学で専門的に学ぶことでどんな未来が?

イギリスの哲学者、A.C. Graylingは「教育の目的とは何か?」という問いに対し、'It is for people to have successful, achieving, flourishing, worthwhile personal lives, only part of which of course is going to have to relate to what they do in the way of their careers and jobs.'と答えています。大学で学ぶ目的は、効率的に「経済に貢献するための足軽になる」ことではありません。自分自身、他者との関係、そして自分が生きる世界に対して様々な観点から視野を広げ、より豊かな人生の可能性を見出すことこそが重要です。想定していたものよりもはるかに広い世界を知る喜びを皆さんと共有できる日を楽しみにしています。

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