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講師
大熊 美音子
(OOKUMA, mineko)

経歴
奈良女子大学文学部卒業
百貨店等の勤務の後、
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科博士課程前期課程修了 
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科博士課程後期課程単位取得満期退学
武蔵大学経済学部(助教)を経て
2021年より 杏林大学外国語学部観光交流文化学科(専任講師)

先生の専門は何ですか?

私は、経営学の中でもブランド、その中でも海外のいわゆる「高級ブランド」と言われるようなビジネスについて主に専門的に研究しています。ブランドを定義するのはむずかしいですが、人びとが普段選んでいるものは、モノやサービスというよりはブランドなのではないでしょうか。驚きや喜びといった「心が動く」ところに人々は喜んで対価を支払う。その心理を支配し「価格」に支配されないビジネスのしくみは、一般的に考えられているマーケティングでは説明されにくいと言われています。

なぜ、その専門に興味を持ったのですか?

実務経験時代には、この業界に長く携わっていました。国や地域の歴史や風土を表現することを大切にし、何よりも作り手(職人)の技術の高さを称賛し、誇りをもって世界中の特別な顧客層に伝えようとする愚直な姿勢が、華やかで一見ともすれば軽薄で背徳的なイメージを持たれがちなこの産業の根底にありました。このアンビバレンツなビジネスをまるごと知りたいと思ったのが、研究者を志した理由です。

先生の専門分野の「こんなところが面白い」を教えてください。

観光とは直接結びつかなさそうな私の興味関心分野を掘り進めていたら、ここ、杏林大学外国語学部の観光交流文化学科という環境と今まさに交差している、ということでしょうか。日本では高い技術が伝統産業として歴史的に培われてきたにも関わらず「衰退産業」とみなされているのは、私たちが十分に知る機会がないだけではないかと思います。観光には、国や地域の歴史や風土が生む資源の魅力を他者に臨場感をもって伝える役割があるとするならば、高級ブランドビジネスの研究との共通点がたくさん見えてきそうで、ワクワクしています。

大学で専門的に学ぶことでどんな未来が?

人は見たいものしか見ないし、近道を教わりたいものですが、あいにく大学はそれを教わる場所ではありません。外に目を向けると近道の情報だけでも夥しい量があふれており、それですべてを知った気持ちになってしまうことが、もっとも怖いことです。大学は、「自分だけの」答えを自分の力で導けるかどうかのために、泥臭い試行錯誤を気の済むまでコツコツと積み重ねる場所で、そのための時間の猶予を与えられているのが、大学生という“身分”だと思います。皆さんご自身の答えを教えることはできませんが、“泥臭い試行錯誤”の苦しさも楽しさも知っている教員が、皆さんのとても近い場所から常に見守るしくみがここにはあります。

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