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教授
遠山 菊夫
(TOYAMA, Kikuo)

経歴

慶應義塾大学経済学部および文学部卒業、慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。

先生の専門は何ですか?

コミュニケーション学です。皆さんは「コミュニケーション」と聞くと、すぐ言語を使ったコミュニケーションのことを思い浮かべるかもしれませんが、コミュニケーション学は、言葉だけではなく、例えば、表情やジェスチャー、色彩や音楽など様々な方法で、人と人とが何かを交換する行為そのものを学問する科学です。言葉やお金は、その交換の手段に過ぎません。でも、その言葉やお金の使い方ひとつで、コミュニケーションのあり方ばかりか人生まで大きく変わってしまう。わたしは、それを研究しています。

なぜ、その専門に興味を持ったのですか?

幼い頃から、とにかく綺麗なものが大好きで、大学生の時も最初は車やインテリアのデザインの仕事に漠然と憧れていました。だから美術系サークルの活動に一生懸命で、勉強はあまり興味がありませんでした。でも、ある時突然、経済のメカニズムや言語の仕組みこそが「最高の美」だと思い込み(?)、猛勉強を始め、今の研究の仕事をすることになりました。

ただ、勉強より趣味の世界が大切だった時から、ヨーロッパは昔と今では何でこんなに様子が変わったのか、ヨーロッパ人と日本人では何でこんなにも考え方が違うのか、という興味の持ち方自体は、最初から全く同じだったと言えるでしょう。

先生の専門分野の「こんなところが面白い」を教えてください。

日常生活でも専門的な研究でも、普通は、言葉と絵や歌やダンスをすぐに結びつけて考えないかもしれません。芸術とビジネスを横に並べて比べるのにも違和感を覚える人もいるでしょう。でも、それをするのがコミュニケーション学です。

コミュニケーション学は、言語学、社会学、哲学、心理学、文化人類学、歴史学、経済学などの成果を取り入れつつも、それらとは全く別な視点から、人間一人ひとりやその人間の作る社会のあり方について縦横無尽に論ずる学問です。「どうすればコミュニケーションが上手くなるか」とか、そんなことを扱うケチなマニュアル集などでは決してありません。この学問の自由で新しいところが、とっても魅力的です。

大学で専門的に学ぶことでどんな未来が?

わたしは、大学で専門的に学ぶことの意味は、専門知識を取り込むこと、まして暗記することなどでは、全くないと考えています。むしろ、専門は何を選んでも、自分の頭を使って、周囲にある様々な具体的な現象を分析して、そこから抽象的な原理原則を引き出してゆく、つまりは推論する能力を身に着けるための知的訓練をすることが何より大切だと思います。これが出来るようになった人は、将来どんな仕事に就いても、その能力を応用して、社会で活躍してゆくことが出来るでしょう。

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