廣瀨さんは1年生の時、学生の学習レポートをまとめた冊子「私たちの教科書」の表紙と挿絵を描きました。手の構造を正確に表した絵は評判となり、肉眼解剖学教室の松村讓兒客員教授が会長を務めるメディカルイラストレーション学会に加入することになりました。
メディカルイラストレーションとは、医学・医療の情報を分かりやすく伝えるためのイラストのことで、医学の知識と画力の両方が必要とされます。今まで描いたイラストは、学内で展示されたり、プレゼンで活用されたりしています。今、廣瀨さんはメディカルイラストレーション部の設立の準備を進めています。
「やりたいと思ったことは積極的に取り組んでいます」。廣瀨さんはその言葉のとおり、学会での学生発表への挑戦、解剖学教室の自由参加プログラム(学生が各教室の研究活動に参加できるプログラム)への参加、さらに卓球部やラグビー部をはじめ5 つの部活で活動しています。特に卓球部では選手の他に主将を支える主務として、ラグビー部ではマネージャーとしても活躍しています。他にもESSや手術の複合練習をするひも俱楽部、後述する統合医療研究会でも活動しています。
廣瀨さんが副部長を務める統合医療研究部では、夏休みにへき地の診療所を見学します。これまでは受け入れてくれる診療所が1 カ所でしたが、廣瀨さんはもっと学びの場が欲しいと、 現地の関係者に向けて熱意を込めてプレゼンしたところ、新たにもう1カ所受け入れてくれる診療所が決まりました。廣瀨さんたちは福島県内陸の舘岩愛輝診療所と太平洋側のかしま病院2カ所で異なる医療現場体験ができました。
自由参加プログラムでは手術の練習をする「アナトミークラブ」や「アナストクラブ」に参加して学びを深める廣瀨さん。「興味のあることに挑戦してきた結果、新たな分野にも興味を もつようになりました。将来の方向性を決められるようにこれ からも挑戦していきたいです。6 年生では海外臨床実習にも参加したい」と意欲を見せています。
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