私は今まで地域医療の現場を見学したことが無く、地域医療や多職種連携という言葉の意味は知っていても、実際に現場でどのように実践されているのか、全く知りませんでした。地域医療の体験プログラム「いとちツアー」を通して地域医療や多職種連携への理解を深め、医療者に必要なスキルとは何かを1年生のうちに学んでおきたいと思い、今回このツアーに参加しました。
医師には「患者さんに言いにくいことを伝える」役割も求められていることを学べたのが一番の収穫です。いとちツアーでは医師、看護師、検査技師や理学療法士など様々な医療従事者と話をする機会がありました。その中で最も印象的だったのは、検査の結果や改善すべき生活習慣など、場合によっては患者さんに伝えにくい話を医師から切り出してほしいと看護師が話していたことです。何事も上手く患者さんに伝えられるように、学生生活においても、日頃からコミュニケーションを積極的にとろうと思いました。
初日に、いとちツアーのスタッフの案内で、みろく沢炭砿資料館へ行きました。いわき市はかつて炭鉱産業で栄えていて、その痕跡が今も残っていることや炭鉱時代から受け継がれている地域全体で支え合う医療の精神など、いわき市の医療が炭鉱産業と密接に関係しているという、非常に興味深い地域の歴史を教えてもらいました。
いとちツアーでは看護学生とともにかしま病院や現地のグループホームを見学しました。その際に、患者さんやグループホームに入所する方々のバイタルを手際よく計測する看護学生の姿を見て、高度な実践的スキルを身につけている印象を持ちました。また、患者さんと接する際には、卓越したコミュニケーション能力を発揮していました。そうした姿を見て、私は看護学生をお手本にコミュニケーション能力を育んでいこうと思いました。
実際に医療現場を見学するからこそ得られる気づきもあるのだと感じました。これからも様々な自由参加プログラムに参加したいと思います。
※記事および各人の所属等は取材当時のものです
医学部医学科6年
青山 稔さん
2024年度海外クリニカルクラークシップ(フランス・クレルモン=フェラン大学ガブリエルモンピエ病院、中国・北京大学人民医院)
(2024年9月取材)