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Faculty of Foreign Studies一番学びやすい外国語―中国語

キーワード 漢字,語順,外国語学習
講師 宮首 弘子

私が17歳で大学に入って初めて日本語に出会って以来ずっと感じていることは、中国人にとっては日本語、日本人にとっては中国語が一番学びやすい外国語だということです。

外国語を学ぶにはまずどのくらい単語を覚えられるかが勝負だと思います。中国語は漢字の組み合わせで成り立っていて、中国語を学ぶ外国人には、漢字の習得は立ちふさがる大きな関門となるでしょう。しかし、日本人だけがその難しい漢字を共有しているのです。語彙はどうかというと、「大学」や「教育」のような同型同義語、「検討」(中国語では「反省する」)や「丈夫」(中国語では「夫」)のような同型異義語の他、「社会」、「自由」、「哲学」など日本人が西洋文明を取り入れる際に漢字を組み合わせて作った翻訳語が外来語として中国に逆輸入されて、今や立派な中国語になった日本語も数多く存在しています。現在もネットを通じて「人気」、「過労死」、「達人」、「草食男子」などの日本語は中国の若者に普通に使われていますし、漢字を媒体としての日中交流は絶えず行われていることが窺えます。

でも、中国語は英語と同じで、文法は難しいと思っていませんか。確かに中国語も英語と似て動詞が先で目的語が後ですが、意外なことに、それ以外の構文は日本語に似ている語順もかなりあります。中国語の基本的な語順は、「誰がいつどこで誰とどのようにする何を」です。いかがでしょう。日本語に似ていませんか。

また、「春眠暁を覚えず」、「友遠方より来たり、また楽しからずや」、「人生万事塞翁が馬」などの漢詩や漢文に共感できるのも中国人と日本人だけではないでしょうか。中国語の世界に入って、日本と中国の共通点と異なる点を探してみてはいかがでしょうか。