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Graduate School of International Cooperationカリキュラム・シラバス

博士後期(博士)課程

概要

 本専攻は、国際協力研究科博士前期課程を発展的に充実させ、国際開発専攻、国際文化交流専攻、国際医療協力専攻、国際言語コミュニケーション専攻を統合し設置したものである。それはより高度の専門的知識に基づく研究あるいは実務をとおして世界諸地域の社会の発展に多大な貢猷ができる人材の養成をするためである。

特徴

 本課程は、博士前期課程の教育内容を踏襲しつつ、研究指導分野を2分野((1)政治経済・法制、(2)地域研究・開発協力)に統合再編したものであり、研究指導の一層の充実を図る教育課程となっている。

方針および内容

 開発問題専攻は、世界諸地域の発展に資するための国際開発および地域協力の施策の究明を目的とし、諸科学を統合し構成した。開発に関する学生のキャリアを最大限に生かしつつ、その力量を学問的に発揮させることに主眼を置き、一方で博士課程としての教育水準の確保のために教育研究分野と地域を絞り込み、当該分野での専門の研究者を育成し、今後の開発研究の発展と充実を図ることとしている。

そのため本専攻の専門分野として、以下の2つを設置している。

1.「政治経済・法制」では、世界諸地域の国際政治経済についての教育と研究指導を行う。米ソ冷戦構造の崩壊後の世界では、世界を動かす要因は、もはやこれまでのような政治力や軍事力ではなく、経済力や技術力であり、大規模な政治紛争や軍事紛争の時代は去った。しかも交通・通信手段の発達により世界は小さくなりつつあり、更に世界各国の経済交流・相互依存が強まった結果として、国家を単位として発展する時代は終わり、これからは国境のない「ボーダーレスの時代」に入っている。現実には、NIES、ASEAN諸国および中国がそれぞれ別の中心となって、国家や地域を越えた多様な地域経済圏の形成が構想されつつある。しかし、他方そうした趨勢と逆行するかのように、欧州、旧ソ連領およびアジアの一部では、冷戦時代とは異質の民族、宗教、国境紛争などが生起している。また中国は対外的に影響力を伸長しつつあり、強力な政治指導力および強固な国家関係が依然として世界秩序を形成する重要な要素であることに変わりはない。
これらの変化しつつある国際環境について教育指導する。

2.「地域研究・開発協力」では、世界諸地域が発展するためには、開発に関する理論および実際的な知識・技術が不可欠であるが、他方開発にともなって生じる社会構造および社会組織のさまざまな変容について、その要因、過程、結果を地域社会固有の言語、生活様式、文化などの諸側面から捉えることが必要である。さらに、国際開発・国際協力は相互の充分な理解がない場合、国際摩擦ないし異文化摩擦を起こすことがしばしばである。日常的なコミュニケーションによる相互理解は、力による国家間の衝突を回避し、世界の平和と安定を実現して国際協力を促進する重要な要素である。
そうした問題に応えることを目的として、アジア、とりわけNIESおよびASEAN諸国を中心に研究を実施するとともに、生態系や環境と開発および人間の関係なども研究指導する。