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Faculty of Foreign Studies教員紹介

項目名 内容
教員名 高木 眞佐子
教員名フリガナ タカギ マサコ
職位 教授
役職・委員(大学) Kyorin University Journal告編集委員、外国語学部就職委員、図書委員
所属 外国語学部 英語学科
研究テーマ・分野 英文学(中世)、外国語教育(英語)、表象文化
専門分野(大学院) 中世英文学(15世紀)、日本文化交流史
担当科目(学部) 表象文化論、英語文学、英語文学特論、英語の世界、テーマで学ぶ現代社会、ゼミナール
担当科目(大学院) 日英比較言語社会学特論
略歴 1984-1985 YFU (Youth for Understanding) で一年間の高校留学。カリフォルニア州モデスト市で過ごす。
1991 3月  慶應義塾大学文学部 フランス文学専攻卒業。 
1991-1995 百貨店に勤務。酒類販売を通じワインと日本酒が持つ文化と伝統に目を啓かれる。
1995 4月  慶應義塾大学文学部 英米文学専攻に学士入学。アーサー王伝説に興味を持ち大学院に進学。
1999 3月  慶應義塾大学大学院文学研究科前期博士課程修了。
2002 3月  慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。

2002-2006 杏林大学 専任講師。
2006-2013 同  助教授(2007-准教授)。
2013-    同  教授。

2018年9月〜2019年9月 英国オックスフォード大学 Faculty of English Language and Literature にて在外研究員。
所有する学位 文学学士、修士(文学)
論文・著書等を含む
主要研究業績
【単行本】
A New Companion to Malory. Cambridge: Brewer, 2019. (共著・論文集)
『中世主義を超えて: イギリス中世の発明と受容』2009年.(共著・論文集)
『中世イギリス文学入門ー研究と文献案内』雄松堂,2008年.(共著・翻訳)
『続剣と愛と―中世ロマニアの文学』中央大学人文科学研究所研究叢書 中央大学出版部,2006年.(共著・論文集)
Malory Debate: Essays on the Texts of _Le Morte Darthur. Cambridge: Brewer, 2000. (共著・論文集)
                    その他多数

【学術雑誌】
“Cadwaladr’s Prophecy upon Henry Tudor: ‘but as a Conquerour come forth thy self,’” Poetica 97&98 (2023): 1-27.

“John Hardyng and his Documents: Possible Link to Antony Bek,” Kyorin University Journal 39 (2022): 89-99.

「『ジョン・ハーディングの年代記』の諸相」 慶應義塾大学文学部 安形麻理編 『2020年度極東証券寄附講座文献学の世界書物に描き出された時/時の中の書物』2021年,pp. 43-57.

「アニメ『円卓の騎士物語 燃えろアーサー』と『燃えろアーサー白馬の王子』: その成立過程と評価」『杏林大学外国語学部紀要』第33号 (2021): 83-104.

「Prose Brut Chronicle−『散文ブルート』におけるアーサーとその影響−」国際アーサー王学会日本支部オフィシャルサイトアーサー王伝説解説 2020年6月16日(最終更新日2021年2月9日).

「キャクストンとブルージュ」『杏林大学外国語学部紀要』第31号 (2019): 11-24.

「ジョン・ハーディング、年代記作家であり贋作者」『書物学第14巻特集贋作・偽作: 人はなぜ、偽りの書籍を編纂するのか』勉誠出版,2018年,pp. 6-15.

“The Printer’s Copy at Caxton’s Print Shop: Some Observations on HM Huntington MS 136,” Kyorin University Review 30 (2018): 67-85.

“Research Note: Characteristics of Casting-off Marks Used by Caxton: Comparison of Huntington HM136 and Vatican Vat. lat. 11441,” Kyorin University Review 29 (2017): 45-55.

“Retrograde Text: Manifestation of Authenticity?” Studies in Medieval English Language and Literature 30 (2015): 59-69.

“A Bibliographical Note on Folio 115r of BL MS Additional 10099, a Copy of the Chronicles of England,” Kyorin University Review 26 (2014): 1-6.

「英語による地域活動情報の動画配信の実施とその教育方向に関する研究」『杏林CCRC 研究紀要』 [Review of Kyorin Center for Comprehensive Regional Collaboration in 2014], (2014): 196-201.

“Research Note-4/4: Study on the Prose Brut MSS in relation to William Caxton’s Chronicles of England (1480),” Kyorin University Review 25 (2013): 139-218.

“Research Note-3/4: Study on the Prose Brut MSS in relation to William Caxton’s Chronicles of England (1480),” Kyorin University Review 24 (2012): 111-211.

“Caxton’s Revision of Le Morte Darthur: The Tudor Propaganda and Self-Filling Political Prophecy,” Poetica 77 (2012): 61-77.

“Caxton’s Exemplar and a Copy from Caxton’s Edition of the Chronicles of England: MS HM136 and BL Additional 10099,” Arthuriana 22.4 (2012): 120-39.

“Research Note-2/4: Study on the Prose Brut MSS in relation to William Caxton’s Chronicles of England (1480),” Kyorin University Review 23 (2011): 79-95.

“Research Note-1/4: Study on the Prose Brut MSS in relation to William Caxton’s Chronicles of England (1480),” Kyorin University Review 22 (2010): 101-14.

“Arthurian Geography: King Arthur’s Roman War Episode in Malory (1485),” Kyorin University Review 21 (2009): 127-37.

(翻訳)「マイケル・ライアン氏来日講演—Printing and the Mind of Men を改めて考える」Kyorin University Review 20 (2008): 251-62.

「研究ノート: St. Alban’s Chronicles とキャクストン版Chronicles の目次に関する報告」The Round Table 22 (2008): 24-29.

「研究ノート: ‘Screwtape Proposes a Toast’にみるホグワーツ魔法学校—J. K. ローリングのファンタジー観」The Round Table 21 (2007): 47-56.

“William Caxton’s Alteration of Text: The Case of Belyn and Brenne from 1480 to 1485,” Kyorin University Review 19 (2007): 121-30.

「That Hideous Strength におけるC. S. ルイスの聖杯模索—附論: T. S. エリオットのThe Waste Land との関連」The Round Table 20 (2006): 8-26.

「C. S. ルイスとマロリーのLe Morte Darthur: The Voyage of the Dawn Treader の聖杯探求」Kyorin University Review 18 (2006): 195-211.

“Nureyev’s Romeo and Juliet: Reading Shakespeare Intensely,” Kyorin University Review 17 (2005): 225-44.

“Belyn and Brenne’s Roman Campaign: MS BL Add. 10099 and Caxton’s Editorship,” The Round Table 19 (2005): 2-8.

連載『英語青年』150.1 (2004): 45. 150.3 (2004): 161. 150.5 (2004): 296.  150.7 (2004): 435. 150.9 (2004): 564. 150.1 1 (2005): 691.

「ルドルフ・ヌレエフ1958年『海賊』パ・ド・ドゥ」Kyorin University Review 16 (2004): 179-91.

「ディアギレフの諸刃の剣: アメリカに拒絶されたロシア人振付家レオニード・マシーン」Kyorin University Review 15 (2003): 171-90.

「BL Add. 10099に関する一考察−幻の『イングランド年代記』写本が持つ可能性」The Round Table 17 (2003): 46-56.

“Image Resurrection of Sir Gawain and the Green Knight in The Silver Chair: C. S. Lewis as a Medievalist,” Colloquia 23 (2002): 77-100.

“Caxton’s Edition of Le Morte Darthur: The Concept of a ‘Book.’” The Round Table 16 (2002): 83-96.

“Caxton and the Spread of Printing in England: A Question of the Date of an Inventory of Sir John Paston,” Colloquia 22 (2001): 27-36.

「キャクストン学を考える−『アーサー王の死』の印刷工程について」The Round Table 15 (2001): 35-44.

“In Quest of Efficient Printing: The Use of Paragraph Marks at Caxton’s Print Shop,” Colloquia 21 (2000): 61-71.

“Editing the Polychronicon Based on the Chronicles of England: Caxton’s Editorship Reconsidered,” Geibun Kenkyu: Keio Journal of Arts and Letters 79 (2000): 85-101.

“How He Divided the Morte Darthur: Caxton’s Method of Chapter Division Reconsidered,” Colloquia 20 (1999): 193-204.

“Malory’s Two Texts of Le Morte Darthur: A Support to Hellinga’s Direct Lineage Theory,” Colloquia 19 (1998): 109-21.

「サー・ジョン・パストンの『偉大なる本』−1460年のイングランドの読者層を考える」Colloquia 18 (1997): 55-70.

「Winchester Maloryがキャクストン版の底本であった可能性についての考察−飾り文字が語るもの」The Round Table 12 (1997): 1-66.
                   その他多数
所属学会 日本英文学会、日本中世英語英文学会、国際アーサー王学会、日本認知言語学会、舞踊学会、他
公的な委員会等の
役員・委員歴
2013-14年 日本学術振興会科学研究費審査委員 (平成26年度表彰者)  2016-21年 日本中世英語英文学会評議員  2018-20年 国際アーサー王学会日本支部 副支部長 2023-24年 日本中世英語英文学会 監事
学外活動 クラシックバレエ
ひとことメッセージ 「天の下の出来事にはすべて定められた時がある。」
≪コヘレト3.1≫

大学時代は、幼かった人格が完成し一人前になっていくかけがえのない日々です。一瞬一瞬を精一杯に生きることがそのまま血肉となり一生の財産となる贅沢な時間でもあります。全身を使って大いに学び、時には悩み苦しみ、でもたいていは楽しみながら、人生の旅路をより彩り豊かに育てていきましょう。

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○「ことばと芸術」
 ことばに関心を寄せている学生諸君は、ことばをどんな風に捉えていますか? たいていの場合、人々とのコミュニケーションの道具として、極めて実用的に捉えている場合が多いのではないでしょうか。
 けれども、感動するスポーツのプレーや、魂を振るわせるダンス、そして心を奪われるような歌声と同じように、「ことば」は人を感動させる要素を持っています。「ことば」を紡ぐ文学は芸術にもなりえるのです。学生諸君には、学生時代に「ことば」が持つ価値、つまり人を勇気づけたり感動させたり、または真理に導いたり諭したりするチカラに気付いてもらいたいと思っています。

○「ことばとジャーナリズム」
 現在わたしは、中世後期のイギリス人の歴史認識と記述の問題に関心を寄せています。政治学などの周辺の学問分野も大きく関わっています。実は中世でも現代と同じように、権力者を意識して政治プロパガンダの片棒を担ぐ者がたくさんいました。そういう人々がどんな動機でどういう手法を使ったのか、またはどのような人々を巻き込んでいったのか(または失敗したのか)、などがわたしの関心テーマです。そこには、何百年も後の現代ジャーナリズムが抱える矛盾の萌芽が見て取れるように思います。

 この問題を考える上で、文献学の研究が役に立ちます。15世紀後半のヨーロッパが写本文化から印刷文化への移行期に差し掛かっていた点は見逃せません。僧侶によって羽ペンで書かれていた書物は、印刷機によって一度に大量生産されるようになりました。これにより前の時代とは情報伝達の速度や範囲に大きな違いが生まれたのです。ちょうど我々が、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムといった新しいツールの登場で、新聞・テレビ・ラジオだけの時代とは格段に違う情報の世界を体験していることと重なるかもしれません。

 激化する情報戦の中でフェイクニュースが投下されたり、特定の権力者が持ち上げられたりするのは、中世も現代と似ています。中世後期の英国は、わたしたちと日頃おつきあいのある身近な世界と思いがけない部分でつながっているのです。

○「ことばと文化」
 文学というと絵空事だったり、楽しげに蝶や花が飛んでいるお花畑のファンタジーばかりの世界だと思っていませんか? 本来文学とは時間的にも空間的にも遙かに射程が長い複雑なもの。実のところ文学は今も、映画やゲームや政治の一部となってわたしたちを取り巻いています。日常に潜む様々な文学現象に目を向け、境界線ぎりぎりに挑んでいくというのが、わたしの研究スタイルです。

 中世や写本文化を取り巻く人々の営みや、歴史の発展がもたらす偶然と必然。この研究分野には、わたしたち自身が歴史の一部だと気付かされる、たくさんの証拠が満ちあふれています。もしロマン溢れるダイナミックな世界に興味がありましたら、ぜひ研究室にお立ち寄りください。
関連サイト 教員が語る研究することのおもしろさ