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細胞生化学教室

教室専任教員

教授 今泉 美佳
講師 青柳 共太
助教 牧山 智彦

教室概要

細胞生化学教室が担当する分子生物学、細胞生物学は、医学・医療の全分野に渡って技術的・概念的にそれらの支柱となっている学問であり、近年の組み換えDNA革命を経て爆発的な発展を遂げています。1年生では分子生物学と遺伝子工学の実習を、2年生では細胞生物学のエッセンスを習得してもらいます。一方、研究面においては、インスリンの開口放出の分子機構を解明すべく、日夜実験を重ねています。すなわち、遺伝子工学技術、細胞生物学技術、顕微鏡技術を融合させて開発した独自の技法を駆使し、膵β細胞からのインスリン放出の可視化に世界に先駆けて成功し、我が国で社会問題となっている糖尿病成因の解明に精力的に取り組んでいます。

研究グループ及び研究課題

細胞生化学教室の主要研究テーマは、膵β細胞におけるインスリン分泌の分子機構の解明である。今や日本国民の健康にとって最大の脅威となっている糖尿病の成因解明、新たな予防法、及び新規治療薬の開発のためには、インスリン分泌機構を明らかにすることが分子細胞生物学の観点からのみならず、臨床医にとっても急務の課題となっている。日本人の糖尿病患者数は予備軍を含めて約2,000万人、かつ、死亡率順位2,3位を占める心・脳血管障害の発症率は、糖尿病罹患者において非罹患者の3倍にも昇っている。特に日本人の糖尿病の特徴は、インスリン分泌不全を特徴としているため、インスリン分泌機構を分子レベルから明らかにすることが待ち望まれている。そこで、当部門は新しいイメージング手法を用いてインスリン分泌の分子機構を解明することに精力的に取り組んでいる。インスリンは膵β細胞内にあるインスリン顆粒と形質膜が融合することによって細胞の外に放出される。この様なインスリン開口放出の分子機構を明らかにするためには、生きた細胞を用いて、単一インスリン顆粒の動態を、時間的空間的に解析することが必須である。そこで、当部門においては、1分子の蛋白質を捉えることが可能なtotal internal reflection fluorescence microscopy (TIRF)システムを膵β細胞に構築し、単一インスリン顆粒をナノスケールの範囲、かつ33msのビデオレートで解析するシステムを確立した。このシステムと、従来の遺伝子工学的手法による遺伝子改変動物や種々のプローブを用いた実験を組み合わせることにより、2相性インスリン分泌の仕組みが徐々に明らかになりつつある。
現在、糖尿病におけるインスリン開口放出の異常部位、新規糖尿病薬の膵β細胞における作用等を明らかにしているところである。

近年の主な業績

  1. Ohara-Imaizumi M, Aoyagi K, Yamauchi H, Yoshida M, Mori MX, Hida Y, Tran HN, Ohkura M, Abe M, Akimoto Y, Nakamichi Y, Nishiwaki C, Kawakami H, Hara K, Sakimura K, Nagamatsu S, Mori Y, Nakai J, Kakei M, Ohtsuka T.(2019) ELKS/Voltage-Dependent Ca2+ Channel-β Subunit Module Regulates Polarized Ca2+ Influx in Pancreatic β Cells. Cell Rep. 26(5):1213-1226
  2. Aoyagi K, Itakura M, Fukutomi T, Nishiwaki C, Nakamichi Y, Torii S, Makiyama T, Harada A, Ohara-Imaizumi M.(2018) VAMP7 Regulates Autophagosome Formation by Supporting Atg9a Functions in Pancreatic β-Cells From Male Mice. Endocrinology. 159(11):3674-3688
  3. Krishnankutty A, Kimura T, Saito T, Aoyagi K, Asada A, Takahashi SI, Ando K, Ohara-Imaizumi M, Ishiguro K, Hisanaga SI.(2017) In vivo regulation of glycogen synthase kinase 3β activity in neurons and brains. Sci Rep. 7(1):8602
  4. Kunii M, Ohara-Imaizumi M, Takahashi N, Kobayashi M, Kawakami R, Kondoh Y, Shimizu T, Simizu S, Lin B, Nunomura K, Aoyagi K, Ohno M, Ohmuraya M, Sato T, Yoshimura SI, Sato K, Harada R, Kim YJ, Osada H, Nemoto T, Kasai H, Kitamura T, Nagamatsu S, Harada A. (2016) Opposing roles for SNAP23 in secretion in exocrine and endocrine pancreatic cells. J Cell Biol, vol.215: 121-138,
  5. Aoyagi K, Ohara-Imaizumi M, Itakura M, Torii S, Akimoto Y, Nishiwaki C, Nakamichi Y, Kishimoto T, Kawakami H, Harada A, Takahashi M, Nagamatsu S. (2016) VAMP7 regulates autophagy to maintain mitochondrial homeostasis and to control insulin secretion in pancreatic β-cells. Diabetes. vol.65: 1648-1659

研究内容の詳細は、 教室ホームページへ。

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