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化学教室

教室専任教員

教授 丑丸 真
講師 山本 幸子 須賀 圭

教室概要

化学教室は、杏林大学医学部医学進学過程の学生の教育を目的として、石川勉氏を初代教授として、昭和45年4月に開設されました。平成5年、福嶋義博前教授の着任とともに、「イオン輸送ATPaseのエネルギー変換機構」をテーマに研究を行ってきました。現在は、培養細胞を用いた蛋白質発現系を用い、イオン輸送ATPaseのエネルギー変換の仕組みやイオン選択性の仕組みの解析、イオン輸送ATPaseの細胞内局在の仕組みの解析を行っています。
学生教育においては、生体物質の化学的基盤を講義する「生体化学」と、現代医学研究が基盤とする生化学実験法の初歩段階を学ぶ「生体化学実習」を、医学部初年度の学生に対して行なっています。また、高校で化学を選択せずに進学した学生を対象とした「入門化学」も担当しています。高校理科と大学における科学の知識の隔たりを埋め、現代生化学を修めさせることは容易ではありませんが、スタッフ一同協力して、医学部の初年度教育に邁進しています。



研究課題および研究グループ

細胞内では様々なイオンが生体反応の制御に関わっています。細胞内イオンの濃度変化によって、細胞分裂や細胞運動、遺伝子発現など様々な細胞応答が起こります。この細胞内のイオン濃度を適切に維持する働きをしているのがイオン輸送ATPaseです。イオン輸送ATPaseは、それぞれのイオンを貯蔵する特定のオルガネラ膜に存在し、ATPの加水分解と共約して特定のイオンを細胞の膜を介して輸送します。イオン輸送ATPaseの中でもっとも詳細な研究が行われてきたものの一つが、骨格筋Ca-ATPase です。これまでに、Ca輸送と関連するATP加水分解反応の詳細な反応経路や蛋白質分子の三次元立体構造が明らかになりました。
我々の研究室では、このCa-ATPaseをモデルとして、イオン輸送の様々な原理に迫ろうとしています。

イオン選択性の原理の探求

細胞内には様々なイオンが存在しています。このイオン濃度を一定に維持するために、イオン輸送ATPaseは特定のイオンを輸送します。この特定のイオンだけを選び輸送する性質(イオン選択性)は厳密に制御されていますが、その機構は十分に理解されていません。我々の研究室では、アミノ酸の一次構造が類似するにもかかわらず、イオン輸送性の異なる二つのイオン輸送ATPaseを用いて、イオン選択性の原理を明らかにしようとしています。
この研究で得られた成果は、X線結晶構造解析から得られた三次元構造のスナップショットからではわからない、イオンの通り道、すなわち外界から蛋白質内部のイオン結合部位への道筋を明らかにすることにも繋がるのでないか期待しています。また、この研究が、酵素分子の機能を無機触媒などと区別する特徴の一つである、「基質特異性」の原理を明らかにすることにつながることを期待しています。

イオン輸送ATPaseの細胞内局在化の仕組み

イオン輸送ATPaseは細胞内特定のオルガネラに分布し、細胞内およびオルガネラ内のイオンホメオスタシスを維持しています。そのため、特定のオルガネラに局在する必要があります。イオン輸送ATPaseの局在の異常は、細胞内、オルガネラ内のイオン環境を乱す結果、様々な病気の原因にもなっています。イオン輸送ATPaseでは、この局在化が行われる仕組みはほとんど明らかになっていません。そこで、我々の研究室では、細胞内局在の異なる複数種類のCa-ATPase を用いて、蛋白質上にあるオルガネラに向かわせるのタグ配列の同定、および局在化を担う輸送蛋白質を明からにしようとしています。
この研究を発展させ、極めて類似性の高いアイソフォーム蛋白質がどのように区別され細胞内の特定のオルガネラに輸送されるのか、明らかにできることを期待しています。

近年の主な業績

  1. Yamamoto S, Takehara M, Ushimaru M.: Inhibitory action of linoleamide and oleamide toward sarco/endoplasmic reticulum Ca2+-ATPase. Biochim Biophys Acta., 1861(1 Pt A):3399-3405 (2017)
  2. Yamamoto S, Takehara M, Kabashima Y, Fukutomi T, Ushimaru M.: Identification of novel inhibitors of human SPCA2. Biochem Biophys Res Commun., 477(2):266-70 (2016)
  3. Yamamoto S, Kimura T, Tachiki T, Anzai N, Sakurai T, Ushimaru M.: The involvement of L-type amino acid transporters in theanine transport. Biosci Biotechnol Biochem., 76(12):2230-5 (2012)
  4. Yamamoto, S., Morihara, Y., Wakayama, M., and Tachiki, T.: Theanine production by coupled fermentation with energy transfer using γ-glutamylmethylamide synthetase of Methylovorus mays No. 9. Biosci Biotechnol Biochem., 72(5):1206-11 (2008)
  5. Yamamoto, S., Wakayama, M., and Tachiki, T.: Cloning and expression of Methylovorus mays No. 9 gene encoding γ-glutamylmethylamide synthetase: an enzyme usable for theanine formation by coupling with alcoholic fermentation system of baker's yeast. Biosci. Biotechnol. Biochem., 72(1):101-109 (2008)

当教室の詳細は、化学教室の ホームページを御覧下さい。

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