大学ホーム医学部教室紹介衛生学公衆衛生学教室

衛生学公衆衛生学教室

教室専任教員

教授 谷口 善仁 木崎 節子 苅田 香苗
准教授 吉田 正雄
講師 櫻井 拓也
助教 白土 健 苣田 慎一

教室概要

衛生学公衆衛生学教室は、2000年3月までは衛生学教室と公衆衛生学教室の2教室に分かれていましたが、2000年4月より両者が合体して1つの教室となりました。現在、教室主任の谷口善仁教授が教室運営に当たっており、研究グループは3つのグループが存在しています。研究生を含めた豊富なスタッフの精力的な研究活動により、基礎的実験研究から疫学的/社会学的調査研究に至るまで、幅広いレパートリーを誇る研究成果が生み出されています。
衛生学公衆衛生学に関する医学教育は、3年生(M3)と6年生(M6)に対して実施されています。さらに、基礎的知識の提供から、応用的なあるいは専門的なテーマに関する講義や今日的トピックスについての話題提供、それに国家試験対策を主眼とした集中講義(M6)など、豊富なスタッフの下で、鋭意、広範囲な取り組みがなされています。


研究グループ及び研究課題

谷口グループ

メダカやゼブラフィッシュは体外発生をする脊椎動物で、生命科学ではモデル動物として使われます。蛍光タンパク質を発現させれば体内の構造を生きたまま詳細に観察できますし、最近ではゲノム編集技術によって遺伝子破壊も容易にできるようになりました。小型魚類はこれらの性質を持っていることから、多くの種類の化学物質に対する形態や行動の変化を様々な条件下で評価するのに適した動物だということができます。
私たちは、ヒト健康リスク評価を行う際に、環境化学物質を始めとする外的要因と、遺伝的多様性に付随する内的要因の二つの側面に目を向けることが重要だと考えています。これら二つの要因に対応する環境とゲノムがヒトの健康にどのような影響を与えるかを調べる疫学調査が全国的に展開されており、将来それらのスタディから新しい情報や知見が次々に発見されることが期待されています。小型魚類はこれら二つの要因の間の関係を調べるのに有用なモデル生物です。
私たちの研究グループではメダカを中心として、すでに数多くの遺伝子改変体を作ってきました。これらの中にはヒトの疾患モデルもありますし、代謝・解毒経路を破壊して化学物質感受性を亢進させた系統もあります。さらに、他の研究施設と共同で、パーキンソン病や非アルコール性脂肪肝疾患を起こさせる曝露系の樹立にも取り組んできました。今後はこれらを組み合わせるとともに内外の研究室との連携を深めながら、教育、研究をさらに進めていきたいと考えています。
具体的な研究テーマについては、谷口グループのサイトをご覧ください。

近年の主な業績

  1. Ishikawa T, Taniguchi Y, Okada T, Takeda S, Mori K. Vertebrate Unfolded Protein Response: Mammalian Signaling Pathways Are Conserved in Medaka Fish. Cell Struct Funct. 36:247-259, 2011.
  2. Iijima J, Zeng Z, Takeda S, Taniguchi Y. RAP80 acts independently of BRCA1 in repair of topoisomerase II poison-induced DNA damage. Cancer Res. 70:8467-8474, 2010.
  3. Nakamura K, Kogame T, Oshiumi H, Shinohara A, Sumitomo Y, Agama K, Pommier Y, Tsutsui KM, Tsutsui K, Hartsuiker E, Ogi T, Takeda S, Taniguchi Y. Collaborative action of Brca1 and CtIP in elimination of covalent modifications from double-strand breaks to facilitate subsequent break repair. PLoS Genet. 6:e1000828, 2010.
  4. Matsui H, Taniguchi Y, Inoue H, Kobayashi Y, Sakaki Y, Toyoda A, Uemura K, Kobayashi D, Takeda S, Takahashi R. Loss of PINK1 in medaka fish (Oryzias latipes) causes late-onset decrease in spontaneous movement. Neurosci Res. 66:151-61, 2010.
  5. Taniguchi Y, Takeda S, Furutani-Seiki M, Kamei Y, Todo T, Sasado T, Deguchi T, Kondoh H, Mudde J, Yamazoe M, Hidaka M, Mitani H, Toyoda A, Sakaki Y, Plasterk RH, Cuppen.E. Generation of medaka gene knockout models by target-selected mutagenesis. Genome Biol. 7:R116, 2006.

木崎グループ

我が国では、食生活の欧米化と高齢化社会の到来とともに、糖尿病などの代謝異常、循環器疾患、癌、神経変性疾患といった生活習慣病を中心とした肥満・老化関連疾患が増加していて、その予防策・治療法の開発は急務となっています。近年、肥満・老化に伴い低レベルの全身性の慢性炎症が惹起され、これらの疾患の炎症性病態を形成していることが明らかになってきました。当グループは、炎症反応の中心的細胞であるマクロファージに焦点を当て、炎症反応制御機構を解析しています。さらに、糖尿病をはじめとする生活習慣病の病態改善にきわめて有効な手段である運動に着目し、運動による脂肪細胞の分化制御や脂肪分解反応調節機構の解明に加え、日常的に適度な運動を行うと、感染防御能を増強する効果、全身性の慢性炎症反応を軽減する効果、老化に伴う認知機能の低下に対する予防効果、骨格筋から抗肥満細胞として注目されている褐色脂肪細胞への分化促進効果などがあることを見出してきました。これらの研究結果を基に、肥満や老化に伴う疾患の炎症性病態の解明とその予防策・治療法、および有効な運動処方の確立を目指しています。これからも、内外の研究室との連携をさらに深め、教育、研究を進めていきたいと考えています。

近年の主な業績

  1. Shirato K, Imaizumi K, Sakurai T, Ogasawara J, Ohno H, Kizaki T: Regular Voluntary Exercise Potentiates Interleukin-1β and Interleukin-18 Secretion by Increasing Caspase-1 Expression in Murine Macrophages. Mediators of Inflammation 2017: 9290416, 2017.
  2. Kizaki T, Sato S, Shirato K, Sakurai T, Ogasawara J, Izawa T, Ohira Y, Suzuki K, Ohno H: Effect of Circadian Rhythm on Clinical and Pathophysiological Conditions and Inflammation. Critical Review in Immunology 35: 261-275, 2015.
  3. Sato S, Sakurai T, Ogasawara J, Takahashi M, Izawa T, Imaizumi K, Taniguchi N, Ohno H, Kizaki T: A circadian clock gene, Rev-erbα, modulates the inflammatory function of macrophages through the negative regulation of Ccl2 expression. The Journal of Immunology 192: 407-417, 2014.
  4. Sakurai T, Kitadate K, Nishioka H, Fujii H, Ogasawara J, Kizaki T, Sato S, Fujiwara T, Akagawa K, Izawa T, Ohno H: Oligomerised lychee fruit-derived polyphenol attenuates cognitive impairment in senescence-accelerated mice and endoplasmic reticulum stress in neuronal cells. British Journal of Nutrition 110: 1549-1558, 2013.
  5. Kizaki T, Shirato K, Sakurai T, Ogasawara J, Oh-Ishi S, Matsuoka T, Izawa T, Imaizumi K, Haga S, Ohno H: β2-Adrenergic receptor regulates Toll-like receptor 4-induced TRIF-dependent late-phase NF-κB activation. Molecular Immunology 46: 1195-1203, 2009.

苅田グループ

疫学とは、人間集団における疾患や健康に関する事象の発生原因や変動するさまを明らかにし、疾病予防と健康増進を目標とする応用科学です。
当研究グループでは、地域あるいは職域のさまざまなフィールドから得られた調査データに基づき、生活習慣や加齢、環境物質に起因する種々の慢性疾患、特に循環器疾患や眼疾患、ストレス関連疾患等の予防に関する疫学的な研究を幅広く行っております。
疫学・生物統計学的手法は、公衆衛生だけでなく臨床医学研究においても重要性が高いため、当グループでは学内外の多くの研究室と協同して、地域・職域や臨床の現場で役立つエビデンスの創出を進めております。なかでも、重金属・浮遊粒子状物質などの環境汚染物質やストレスによる健康影響の評価、また、生活習慣と高度近視の関連性や摂食嚥下機能の向上についての実践的研究には力を入れて取り組んでおり、効果的対処法の提案を見据えた調査・研究を展開しております。
これからも様々な専門を背景とした研究者との連携を深め、社会医学の質の向上を目指し、研究と教育活動に力を注いでいきたいと思います。

近年の主な業績

  1. Karita K, Harada M, Yoshida M, Kokaze A. Factors associated with dietary habits and mood states affecting taste sensitivity in Japanese college women. J Nutr Sci Vitaminol 58: 362-367, 2012.
  2. 苅田香苗、吉田正雄、原田まつ子、石川 守、小風 暁.人間ドックの判定が見所見であった中高年女性の特性―体格・閉経および長寿関連ミトコンドリア遺伝子多型との関連.保健医療科学 62(1), 81-87, 2013.
  3. Yoshida M, Take S, Ishikawa M, Kokaze A, Karita K, et al. Association of smoking with intraocular pressure in middle-aged and older Japanese residents. Environ Health Prev Med 19: 100-107, 2014.
  4. Yoshida M, Ishikawa M, Karita K, Kokaze A, Harada M, et al. Association of Blood Pressure and Body Mass Index with Intraocular Pressure in Middle-aged and Older Japanese Residents: A Cross-sectional and Longitudinal Study. Acta Medica Okayama 68: 27-34, 2014.
  5. 苅田香苗、坂本峰至、吉田稔、村田勝敬 他.メチル水銀、水銀およびセレンに関する研究動向―疫学研究を中心に.日本衛生学雑誌 71(3), 236-251, 2016.
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