大学ホーム医学部医学部研究成果悪性脳腫瘍に対する化学療法後に舌が黒くなる病態が発生することを発見

悪性脳腫瘍に対する化学療法後に舌が黒くなる病態が発生することを発見

山岸 夢希 (医学部付属病院脳神経外科)
丸山 啓介 (脳神経外科学教室 講師)
永根 基雄 (脳神経外科学教室 教授)

研究のハイライト
  • 悪性脳腫瘍に対する化学療法後を行った患者の2.6%に黒状舌が発生しうることを明らかにした。
  • 糖尿病を持つ場合は早期に、重度のリンパ球減少がある場合は遅れてこの病態が出現することを発見した。

概要

グリオーマ(神経膠腫)や悪性リンパ腫などの悪性脳腫瘍に対する治療法として、化学療法は重要な役割を果たします。しかしながら、この治療法の副作用として血液における合併症が最も高い頻度で認められます。一方、舌が黒くなる「黒状舌」という病態は複合的な因子によって発生し、二次的な感染も引き起こすことから早期発見および治療が望ましい病態です。今回、過去に当医学部付属病院脳神経外科に入院し、悪性脳腫瘍に対して化学療法を行なった192例中、5例に黒状舌が発生していることを見いだしました。さらに、これら5例の発症の危険因子を調べると糖尿病を持つ場合は早期に発症し、重度のリンパ球減少がある場合は遅れて出現することを発見しました。
本研究は、悪性脳腫瘍の化学療法後に黒状舌が発生する合併症を世界で初めて報告したものです。この報告は高く評価され、Acta Neurochirurgica (Wien)の2017年1月号に掲載されるとともに同号の表紙を飾ることになりました。


Fig1


悪性脳腫瘍に対する化学療法後に発生した黒状舌の例
(図の無断転載を禁じます。The final publication is available at Springer Nature via http://dx.doi.org/[10.1007/s00701-016-3036-5])

掲載論文
発表雑誌:Acta Neurochirurgica (Wien) [ Vol.159 pp169 – 172 (2017) ]
論文タイトル: Black hairy tongue after chemotherapy for malignant brain tumors
筆 者:Yuki Yamagishi, Keisuke Maruyama, Keiichi Kobayashi, Satoshi Kume, Nobuyoshi Sasaki, Shigeomi Yokoya, Kuniaki Saito, Yoshiaki Shiokawa, Motoo Nagane
(山岸夢希, 丸山啓介, 小林啓一, 久米賢, 佐々木重嘉, 横矢重臣, 齋藤邦昭, 塩川芳昭, 永根基雄)
DOI: 10.1007/s00701-016-3036-5

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杏林学園 広報企画調査室
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