大学ホーム医学研究科教育・研究指導研究室・研究グループ血液内科学教室

研究室・研究グループ紹介:血液内科学教室

血液内科学教室の大きな研究テーマは、造血器腫瘍の診断および治療の研究です。

全国規模の研究グループとしては、白血病治療に関しては、成人白血病治療共同研究機構(JALSG : Japan Adult Leukemia Study Group)、悪性リンパ腫治療に関しては、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG : Japan Clinical Oncology Group)という、日本を代表する全国規模の研究グループに所属し、積極的に臨床研究を行っています。

同種造血幹細胞移植は、難治性血液疾患の治療に欠かせない治療法です。当施設では、その中でも、臍帯血移植に特に力を入れており、良好な成績を得ています。当施設で実施する臍帯血移植は、移植片対宿主病予防に通常用いられる短期メトトレキサート(MTX)を使用しないのが特徴で、これにより、移植早期の生着不全のリスクを大幅に低減することが可能となり、臍帯血移植の安全性を大きく向上させることに成功しています。また、MTXを使用しないことにより、一部の症例では、免疫反応による抗腫瘍効果が強く発揮され、一部の非寛解症例に劇的な有効を示すことが確認されています。臍帯血移植における免疫反応の特徴を明らかにし、更なる治療成績の向上を目指すことが、重要な研究テーマの一つです。

悪性リンパ腫に関しては、年間の新患者数が常時100例を超え、多数の治療実績があります。病理診断に関しては、月1回、病理カンファレンスを行っており、診断精度の向上に努めています。これらの多数の症例を後方視的に解析し、病理学的特徴と臨床経過との相関を調べ、新たな予後因子を発掘することは重要なテーマです。また、高齢者の悪性リンパ腫は、病理学的にも臨床的にも若年者と異なる特徴があり、高齢者に対する最適な治療プロトコールを開発することも大変重要です。

多発性骨髄腫の治療は、近年、多数の新薬が開発され、発展の著しい分野です。作用機序の異なる新薬をどのように組み合わせて治療成績の向上に結びつけるかは、世界中で多くの臨床試験が行われておりますが、未解決の問題が多数残されています。当施設では、多数の骨髄腫の患者さんを治療しており、新たな治療法の開発に取り組んでいます。

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