大学ホーム医学研究科教育・研究指導研究室・研究グループ衛生学公衆衛生学教室

研究室・研究グループ紹介:衛生学公衆衛生学教室

現在、当教室では4名の研究生が在籍し、各グループに分かれて、それぞれ研究活動に従事しています。

衛生学部門

木崎節子(教授)、櫻井拓也(講師)、白土 健(助教)が、生活習慣病を中心とした肥満・老化関連疾患の病態解明と、その予防法・治療法の開発を目指し研究活動を行っています。

近年、糖尿病などの代謝異常、循環器疾患、癌、神経変性疾患などの肥満・老化関連疾患の炎症性病態が指摘されています。当グループは、炎症反応の中心的細胞であるマクロファージに着目して、炎症反応の制御機構の解析を進めています。また、運動は糖尿病をはじめとする生活習慣病の病態改善にきわめて有効な手段です。しかし、単に体重減少や内蔵脂肪減少だけで評価するのでは拾い上げられない重要な効果があると考えられています。そこで、肥満・老化関連疾患に対する運動効果に着目し、脂肪細胞の分化制御や脂肪分解反応調節機構などの解明を進めるとともに、日常的に適度な運動を行うと、全身性の慢性炎症反応を軽減する効果、老化に伴う認知機能の低下に対する防効果、骨格筋から抗肥満細胞として注目されている褐色脂肪細胞への分化を促進する効果があることなどを明らかにしてきました。これらの研究を発展させ、肥満・老化に伴う慢性炎症性病態の解明と有効な運動処方の確立を目指しています。

これまでに在籍した大学院生は、当グループが蓄積してきた生化学、細胞生物学、免疫学などの多彩な手法を用いてオリジナリティのある仕事をインターナショナルな雑誌に載せ、学位を取得し卒業していきました。これからも、内外の研究室との連携をさらに深め、教育、研究を進めていきたいと考えています。

近年の主な業績

  1. Shirato K, Imaizumi K, Sakurai T, Ogasawara J, Ohno H, Kizaki T: Regular Voluntary Exercise Potentiates Interleukin-1β and Interleukin-18 Secretion by Increasing Caspase-1 Expression in Murine Macrophages. Mediators of Inflammation 2017: 9290416, 2017.
  2. Kizaki T, Sato S, Shirato K, Sakurai T, Ogasawara J, Izawa T, Ohira Y, Suzuki K, Ohno H: Effect of Circadian Rhythm on Clinical and Pathophysiological Conditions and Inflammation. Critical Review in Immunology 35: 261-275, 2015.
  3. Sato S, Sakurai T, Ogasawara J, Takahashi M, Izawa T, Imaizumi K, Taniguchi N, Ohno H, Kizaki T: A circadian clock gene, Rev-erbα, modulates the inflammatory function of macrophages through the negative regulation of Ccl2 expression. The Journal of Immunology 192: 407-417, 2014.
  4. Sakurai T, Kitadate K, Nishioka H, Fujii H, Ogasawara J, Kizaki T, Sato S, Fujiwara T, Akagawa K, Izawa T, Ohno H: Oligomerised lychee fruit-derived polyphenol attenuates cognitive impairment in senescence-accelerated mice and endoplasmic reticulum stress in neuronal cells. British Journal of Nutrition 110: 1549-1558, 2013.
  5. Kizaki T, Shirato K, Sakurai T, Ogasawara J, Oh-Ishi S, Matsuoka T, Izawa T, Imaizumi K, Haga S, Ohno H: β2-Adrenergic receptor regulates Toll-like receptor 4-induced TRIF-dependent late-phase NF-κB activation. Molecular Immunology 46: 1195-1203, 2009.

公衆衛生学部門

当研究部門では、主に地域や職域の様々なフィールドから得られた調査データに基づく、生活習慣病、循環器疾患、眼疾患、摂食嚥下障害、ストレス関連疾患及び大気汚染の健康影響に関する疫学的研究をすすめています。学外の研究機関(国立環境研究所、昭和大学、秋田大学、横浜市立大学、基礎生物学研究所、岡山理科大学等)と連携して調査研究を行い、環境・生活習慣とリスクファクターとの関係を多面的に分析することにより、労働者や女性の疾病予防に役立つデータ・情報の提示に努めています。また、ヒト疾患モデル(特願2017-177416)を含む実験動物(メダカ; 近年実験用哺乳動物とともに活躍している実験動物です)を用いて、生活習慣病、眼疾患、金属中毒に関わる病因メカニズムを解明するとともに、疫学研究から得られた仮説を検証し、疾病予防に資する科学的根拠の確立を目指しています。当部門では現在、以下の3分野を柱として研究活動を進めており、研究成果は日本衛生学会、日本産業衛生学会、日本公衆衛生学会、日本健康学会、国際労働衛生会議(ICOH)、国際疫学会(IEA)、視覚と眼科学研究協会会議(ARVO)等で発表を行っています。

  • 健康影響評価研究:環境汚染物質、主に鉛、水銀、浮遊粒子状物質、火山灰等の曝露影響
  • 臨床疫学研究:主に眼科疾患(屈折異常、高度近視等)、日常生活動作能力(摂食嚥下機能、身体機能、認知機能等)に関する予防研究
  • 分子疫学研究:ヒト疾患モデルを含むメダカ、ゼブラフィッシュを用いた生活習慣病・金属中毒に関する研究

これまで在籍した大学院生は、生活習慣病関連遺伝子とライフスタイルの相互作用について疫学的アプローチにより解析した研究を行い、学位を取得しました。院生や研究生には、研究意欲向上のためなるべく早い時期に学会発表を体験してもらうことを教育方針としております。

近年の主な業績

  1. Karita K, Harada M, Yoshida M, Kokaze A. Factors associated with dietary habits and mood states affecting taste sensitivity in Japanese college women. J Nutr Sci Vitaminol 58: 362-367, 2012.
  2. Karita K, Yamanouchi Y, Takano T, Oku J, Kisaki T, Yano E. Associations of blood selenium and serum lipid levels in Japanese premenopausal and postmenopausal women. Menopause 15: 119-124, 2008.
  3. Yoshida M, Ishikawa M, Kokaze A, Harada M, Karita K. Association of Blood Pressure and Body Mass Index with Intraocular Pressure in Middle-aged and Older Japanese Residents. Jpn J Health Human Ecology 79: 99-106, 2013.
  4. Yoshida M, Take S, Ishikawa M, Kokaze A, Karita K, et al. Association of smoking with intraocular pressure in middle-aged and older Japanese residents. Environ Health Prev Med 19: 100-107, 2014.
  5. Chisada S, Hirako A, Sugiyama A. Ocular lesions in leptin receptor-deficient medaka (Olyzias latipes). J Toxicol Pathol, 31(1): 65-72, 2018.

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