大学ホーム医学研究科教育・研究指導研究室・研究グループ衛生学公衆衛生学教室

研究室・研究グループ紹介:衛生学公衆衛生学教室

現在、当教室では4名の研究生が在籍し、各グループに分かれて、それぞれ研究活動に従事しています。

谷口グループ

魚類はヒトモデルとして考えた場合、齧歯類や霊長類といった哺乳動物に比べて遺伝的な距離があるという欠点はありますが、「取り扱いやすい」「脊椎動物」であるという点で非常に有利です。特に、時間や資金が限られた中で研究を行う場合、さまざまな点で手間が掛からないことは非常に重要です。例えば、胚を得る時に時間の融通がかなり利きますし、発生が早いので結果を早く得ることができます。近年ではTILLING法やCRISPR/cas9といったゲノム編集技術により遺伝子改変が可能になったために、発生後期や成体における表現型を詳細に調べることが可能になりました。

メダカやゼブラフィッシュは国内外の研究コミュニティがしっかりしており、生物資源や実験技術に関する情報のやり取りが密に行われています。私たちのグループは、愛知県岡崎市の基礎生物学研究所に拠点を置くナショナルバイオリソースを始めとして、国内外の多くの研究室と共同研究を行っています。大学院生には、これらの研究室との共同研究を通じて見識を深めてもらうとともに、成果をどのように社会に還元していくかを念頭に置いて研究を進めていただきたいと思っています。研究内容に興味を惹かれた方はもちろん、ピペットを握ったことのない方も歓迎ですので、気軽にご連絡ください。

具体的な研究テーマについては、谷口グループのサイトをご覧ください。

社会医学系専門医制度のお知らせ

公衆衛生学分野におけるエキスパート育成を目的に、社会医学系専門医制度が平成29年度にスタートしました。本学でも「杏林大学・多摩研修プログラム」を作成し、三鷹市を中心とする、多摩地域に根付いた実地研修が可能となっています。また、東京産業保健総合支援センター、元氣プラザ、大原記念労働科学研究所、JR東日本健康推進センターなどのご協力を得て、産業衛生に関する専門的な経験や知識を得ることができる魅力的なプログラムとなっています。ご興味のある方は、taniguchi-y[at]ks.kyorin-u.ac.jpまでご連絡ください。

近年の主な業績

  1. Ishikawa T, Taniguchi Y, Okada T, Takeda S, Mori K. Vertebrate Unfolded Protein Response: Mammalian Signaling Pathways Are Conserved in Medaka Fish. Cell Struct Funct. 36:247-259, 2011.
  2. Iijima J, Zeng Z, Takeda S, Taniguchi Y. RAP80 acts independently of BRCA1 in repair of topoisomerase II poison-induced DNA damage. Cancer Res. 70:8467-8474, 2010.
  3. Nakamura K, Kogame T, Oshiumi H, Shinohara A, Sumitomo Y, Agama K, Pommier Y, Tsutsui KM, Tsutsui K, Hartsuiker E, Ogi T, Takeda S, Taniguchi Y. Collaborative action of Brca1 and CtIP in elimination of covalent modifications from double-strand breaks to facilitate subsequent break repair. PLoS Genet. 6:e1000828, 2010.
  4. Matsui H, Taniguchi Y, Inoue H, Kobayashi Y, Sakaki Y, Toyoda A, Uemura K, Kobayashi D, Takeda S, Takahashi R. Loss of PINK1 in medaka fish (Oryzias latipes) causes late-onset decrease in spontaneous movement. Neurosci Res. 66:151-61, 2010.
  5. Taniguchi Y, Takeda S, Furutani-Seiki M, Kamei Y, Todo T, Sasado T, Deguchi T, Kondoh H, Mudde J, Yamazoe M, Hidaka M, Mitani H, Toyoda A, Sakaki Y, Plasterk RH, Cuppen.E. Generation of medaka gene knockout models by target-selected mutagenesis. Genome Biol. 7:R116, 2006.

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木崎グループ

木崎節子(教授)、櫻井拓也(講師)、白土 健(助教)が、生活習慣病を中心とした肥満・老化関連疾患の病態解明と、その予防法・治療法の開発を目指し研究活動を行っています。

近年、糖尿病などの代謝異常、循環器疾患、癌、神経変性疾患などの肥満・老化関連疾患の炎症性病態が指摘されています。当グループは、炎症反応の中心的細胞であるマクロファージに着目して、炎症反応の制御機構の解析を進めています。また、運動は糖尿病をはじめとする生活習慣病の病態改善にきわめて有効な手段です。しかし、単に体重減少や内蔵脂肪減少だけで評価するのでは拾い上げられない重要な効果があると考えられています。そこで、肥満・老化関連疾患に対する運動効果に着目し、脂肪細胞の分化制御や脂肪分解反応調節機構などの解明を進めるとともに、日常的に適度な運動を行うと、全身性の慢性炎症反応を軽減する効果、老化に伴う認知機能の低下に対する防効果、骨格筋から抗肥満細胞として注目されている褐色脂肪細胞への分化を促進する効果があることなどを明らかにしてきました。これらの研究を発展させ、肥満・老化に伴う慢性炎症性病態の解明と有効な運動処方の確立を目指しています。

これまでに在籍した大学院生は、当グループが蓄積してきた生化学、細胞生物学、免疫学などの多彩な手法を用いてオリジナリティのある仕事をインターナショナルな雑誌に載せ、学位を取得し卒業していきました。これからも、内外の研究室との連携をさらに深め、教育、研究を進めていきたいと考えています。

近年の主な業績

  1. Shirato K, Imaizumi K, Sakurai T, Ogasawara J, Ohno H, Kizaki T: Regular Voluntary Exercise Potentiates Interleukin-1β and Interleukin-18 Secretion by Increasing Caspase-1 Expression in Murine Macrophages. Mediators of Inflammation 2017: 9290416, 2017.
  2. Kizaki T, Sato S, Shirato K, Sakurai T, Ogasawara J, Izawa T, Ohira Y, Suzuki K, Ohno H: Effect of Circadian Rhythm on Clinical and Pathophysiological Conditions and Inflammation. Critical Review in Immunology 35: 261-275, 2015.
  3. Sato S, Sakurai T, Ogasawara J, Takahashi M, Izawa T, Imaizumi K, Taniguchi N, Ohno H, Kizaki T: A circadian clock gene, Rev-erbα, modulates the inflammatory function of macrophages through the negative regulation of Ccl2 expression. The Journal of Immunology 192: 407-417, 2014.
  4. Sakurai T, Kitadate K, Nishioka H, Fujii H, Ogasawara J, Kizaki T, Sato S, Fujiwara T, Akagawa K, Izawa T, Ohno H: Oligomerised lychee fruit-derived polyphenol attenuates cognitive impairment in senescence-accelerated mice and endoplasmic reticulum stress in neuronal cells. British Journal of Nutrition 110: 1549-1558, 2013.
  5. Kizaki T, Shirato K, Sakurai T, Ogasawara J, Oh-Ishi S, Matsuoka T, Izawa T, Imaizumi K, Haga S, Ohno H: β2-Adrenergic receptor regulates Toll-like receptor 4-induced TRIF-dependent late-phase NF-κB activation. Molecular Immunology 46: 1195-1203, 2009.

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苅田グループ

苅田(教授)と吉田(准教授)は、主に地域や職域の様々なフィールドから得られた調査データに基づく、生活習慣病、循環器疾患、眼疾患、摂食嚥下障害、ストレス関連疾患及び大気汚染の健康影響に関する疫学的研究をすすめています。学外の研究機関(国立がん研究センター、昭和大学、帝京大学、秋田大学、横浜市立大学等)と連携して調査研究を行い、環境・生活習慣とリスクファクターとの関係を多面的に分析することにより、労働者や女性の疾病予防に役立つ科学的根拠の提示・確立を目指しています。これまで在籍した大学院生は、生活習慣病関連遺伝子とライフスタイルの相互作用について疫学的アプローチにより解析した研究を行い、学位を取得しました。院生や研究生には、研究意欲向上のためなるべく早い時期に学会発表を体験してもらうことを教育方針としております。

当グループの吉田は学外研究機関やリハビリ専門病院と連携し、各種生活習慣病や眼科疾患(屈折異常、高度近視等)、日常生活動作能力(摂食嚥下機能、身体機能、認知機能等)の臨床疫学研究に携わっており、苅田は、環境汚染物質(鉛、浮遊粒子状物質、火山灰等)の健康影響評価、および環境因子関連疾患の予防に有効な生活習慣に関する研究を手がけています。学会活動については、日本衛生学会、日本産業衛生学会、日本公衆衛生学会、日本健康学会、国際労働衛生会議(ICOH)、国際疫学会(IEA)、視覚と眼科学研究協会会議(ARVO)等で研究発表を行っています。社会活動としては、内閣府食品安全委員会や厚労省薬事・食品衛生審議会、東京都公害審査会等の委員を就任し、公衆衛生の改善活動や社会貢献に努めています。

近年の主な業績

  1. Karita K, Harada M, Yoshida M, Kokaze A. Factors associated with dietary habits and mood states affecting taste sensitivity in Japanese college women. J Nutr Sci Vitaminol 58: 362-367, 2012.
  2. Karita K, Yamanouchi Y, Takano T, Oku J, Kisaki T, Yano E. Associations of blood selenium and serum lipid levels in Japanese premenopausal and postmenopausal women. Menopause 15: 119-124, 2008.
  3. Yoshida M, Ishikawa M, Kokaze A, Harada M, Karita K. Association of Blood Pressure and Body Mass Index with Intraocular Pressure in Middle-aged and Older Japanese Residents. Jpn J Health Human Ecology 79: 99-106, 2013.
  4. Yoshida M, Take S, Ishikawa M, Kokaze A, Karita K, et al. Association of smoking with intraocular pressure in middle-aged and older Japanese residents. Environ Health Prev Med 19: 100-107, 2014.
  5. Yoshida M, Ishikawa M, Karita K, Kokaze A, Harada M, et al. Association of Blood Pressure and Body Mass Index with Intraocular Pressure in Middle-aged and Older Japanese Residents: A Cross-sectional and Longitudinal Study. Acta Medica Okayama 68: 27-34, 2014.

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