講師 |
---|
病理学教室は基礎医学と臨床医学の2つの領域を担当し、教室員全員で教育、研究及び病院での病理診断業務を行っています。
病理学は、基礎医学の中でも比較的長い歴史をもつ学問分野で、身体に生じる様々な変化について、その特徴や原因を解き明かすことを目的としています。従来からの形態学に基盤を置きつつ、分子生物学的手法も駆使して様々な病気の病因・病態の解明を目指しています。
病院では、患者さんの病気の「病理診断」を行っています。患者さんから採取された組織や細胞を対象に、主に顕微鏡を通して得られる形態所見に基づいて、病気の確定診断をくだし、治療に関わる重要な情報を臨床医に提供しています。
学生教育では基礎・臨床を含む病理学分野の教育に携わっています。
1年生から6年生までの学生教育を担当しています。1年生では、病理AIの抗議、2・3年生は病理学総論・各論の講義や実習を通して、様々な病気の成り立ちや形態について学びます。4年生から5年生にかけてのベッドサイド教育では、病院で診断された実際の症例を検討しながら、病理診断の実践について理解を深めます。5・6年生を対象としたクリニカルクラークシップでは、研修医と同等の内容で集中的に病理診断を学びます。
また、学年を問わず希望者を対象として、病理診断や病理学分野の研究についての「自由研究プログラム」を提供しており、個々の希望に応じた課題に取り組んでもらっています。
教室員全員が日本病理学会等の学会に所属し、様々な学術成果の発信を通して基礎医学の発展に貢献しています。また、質の高い病理診断の提供を通して医療面でも社会に貢献を行っており、近隣の医療施設を含む他施設からのコンサルテーションや保険医療機関間連携にも積極的に対応しています。
中枢神経系腫瘍については、日本病理学会・国立がん研究センターが運営する病理診断コンサルテーションシステムのコンサルタントとして、診断に難渋する症例のコンサルテーションをうけており、国内3拠点の一つとして、特殊な免疫染色および遺伝子解析を必要とする高度な病理診断にも対応しています。
里見介史、鬼塚裕美、井手山真、松下裕子、市村幸一、柴原純二
ゲノム・エピゲノムの両側面から中枢神経系腫瘍の分子遺伝学的研究に取り組んでいます。中枢神経系腫瘍の代謝異常に焦点を当てた基礎研究にも取り組んでいます。JCOGやJCCGの多施設共同研究の分子解析機関としての役割も果たしています。
林玲匡、北濱圭一郎、柴山隆宏、柴原純二
消化器腫瘍(膵癌、胃癌、大腸癌など)の臨床病理学的・分子病理学的研究に取り組んでいます。病理形態学的な不均一性と分子遺伝学的な不均一性の関連について、最近開発された技術(空間的遺伝子発現解析)を用いた研究も行っています。共同研究先として、理化学研究所(中川研究室)、米国メモリアル・スロンケタリングがんセンター(Iacobuzio-Donahue研究室)などがあります。
藤原正親
肺癌を中心とする呼吸器疾患の分子病理学的解析を行っています。
長濱清隆
糸球体腎炎の質量分析、超微形態の解析、分子病理学的解析を行っています。
日比谷孝志、加藤憲一郎
リンパ腫の分子病理学的解析ならびに臨床病理学的研究を行っています。
柴山隆宏、加藤憲一郎、二階雪野
骨軟部腫瘍の分子病理学的解析ならびに臨床病理学的研究を行っています。
村田翔平
腎癌、前立腺癌の分子病理学的解析ならびに臨床病理学的研究を行っています。