大学ホーム医学研究科教育・研究指導研究室・研究グループリハビリテーション医学教室

研究室・研究グループ紹介:リハビリテーション医学教室

リハビリ医学の起源は電気刺激と電気診断に端を発する物理医学(Physical Medicine)にあります。Rehabilitation、すなわち再 (re)+適 (habilis) の用語が付加されたのは後になってのことです。米国ではリハビリ科が Department of Physical Medicine and Rehabilitation とも呼ばれる由縁です。その中心テーマは"dismobility" ですが、適切な邦訳が見当たりません。生活に直結する内容であり、原因の如何に関わらず、"動けないこと" と訳すのがいいかもしれません。麻痺や運動失調症がその中心ですが、心肺系の障害による運動耐久性低下や高次脳機能障害による行為の異常も含まれます。疾患としては、1)脳卒中、その他の脳疾患、脳外傷、2)脊髄損傷、その他の脊髄疾患、3)関節リウマチを含む骨関節疾患、4)脳性麻痺を含む小児疾患、 5)神経筋疾患、6)切断、7)呼吸・循環器疾患があります。リハビリ医学の守備範囲は広く、"dismobility" が絡んだ問題であれば、社会医学の側面まで含まれることになります。

当教室の教育のモットー

大学院といっても、リハビリ医学は臨床医学の1分野であり、臨床医であることを基本にしています。リハビリ医学専門医試験を受けること、そのための知識とスキルを学ぶことを最優先しますが、ある期間、臨床から全く離れて、興味の対象に没頭することも可能です。本来、学問することには不偏性があります。リハビリ医学がその対象というだけのことです。というと臨床医には関係ないと思われるかもしれませんが、時代が求めている臨床医はEBM の実践家であり、科学的なものの見方のできる人材です。

従来、行われてきたリハビリの治療法の中には、その効果が実証されていないものも多く、EBM の観点で問題となっています。リハビリを担う理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に対して、何が有効で何が無効なのかはっきり示すことはリハビリ科専門医の務めでもあります。しかし、リハビリ医学はまだ底の浅い学問領域で、効果のevidenceを示す十分な文献がありません。専門医自身が個別に効果を客観的に検証する必要もでてきます。その際に何を指標にすべきか、しかし障害は多様で多くの場合、公式が通用しません。そこで、学問すること、科学的にみることが威力を発揮するわけで、患者さんに対するインパクトも大きくできます。

当教室の研究課題

当教室が創設されたのは平成13年7月、診療科として完全に独立したのが平成14年11月とまだその歴史は若く、発展途上にあります。したがって、下記の研究課題は当教室での実績はまだ数多くはありませんが、研究を始めるだけの素地は十分に整っていると考えていただいて結構です。

1)障害の評価法

日常生活動作や生活機能を分類し、数値化する手法について、その信頼性、妥当性を検証し、臨床での応用と標準的評価尺度としての普及をはかる。

2)障害と臨床神経生理検査

麻痺・感覚障害・高次脳機能障害に関連して、客観的な機能診断ができる筋電図・神経伝導検査・大脳誘発電位検査などの方法を検討する。

3)運動障害と動作解析

麻痺・失調症などの定量的評価と機序、また理学・作業療法で用いられる訓練手技や繰返し運動学習の効果を検証する。

4)義肢・装具と運動

機能代替・代償の目的で用いられる義肢・装具の最適化について、運動学・バイオメカニズムの観点から検討する。

5)障害者のフィットネス

種々の障害において、呼吸循環系のフィットネスの指標を検討して、定期的な運動の効果を検証する。

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