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Faculty of Medicineカリキュラム(平成27年度入学生まで)

カリキュラムの概要(主要科目の特長)

平成27年度(2015年度)までの入学生を対象とした、各学年のカリキュラムの概要を以下に示します。各学年の主要科目の特長をご覧下さい。

第1学年

医師に求められる基本的姿勢および知識を学ぶ。とくに『医療科学』では「医療と文化」、「心理学」などの講義を通じて、社会が医師に求める姿勢・態度、そして患者から期待される医師像を学び取ることを期待する。分子生物学は生命の根源にせまる科学領域であり、また医学・医療の基本でもある。分子生物学を第1学年から学ぶことにより、医師としての基本的知識修得の第一歩を踏み出すことになる。

チュートリアル教育は、「与えられた課題からその背後に存在する問題、追求すべき問題点を見出し、必要な情報・資料を検索しつつ、解決に至る道筋を自ら見出す能力を育成する」ことを目的とした教育である。将来、医療の現場で様々な問題に遭遇した際、日々進歩する膨大な医学知識の中から適切な情報を抽出し、これを解決してゆくための方策を学ぶ。

英語によるコミュニケーション能力は、医師はもとより、国際化の進んだ現代の社会人には不可欠である。その重要性に鑑み、当医学部では第1、2学年において「英語」、また第3、4学年においては「医学英語」として、通算4年間の英語学習を必修化している。

第2学年

解剖学・生理学・生化学・細胞生物学・感染と防御(従来の微生物学、熱帯病・寄生虫学)など、主として基礎医学科目を学び、同時に実習が行われる。これらの科目は『人体の構造と機能』を理解する上できわめて重要なものである。多くの学生から、「臨床医学に進んで、はじめて基礎科目の重要性を認識した」との声を聞くが、限られた年限内で、これらの科目の反復履修は困難である。この点を自覚し、基礎医学科目の徹底した修得を目指して欲しい。

第3学年

夏期休業期間前までは薬理学、病理学、熱帯病・寄生虫学など基礎医学科目が配置されている。これらの科目はすでに学んだ人体の構造と機能の上にさらに「病態」の要素が加わったものであり、その学習は臨床医学への架け橋となる。また社会医学科目として衛生学、医学統計学が配置され、個体レベルのみならず集団・社会の観点から疾病予防、健康増進などについて学ぶ。

夏期休業期間が明けると、臨床医学の講義が始まる。先ず臨床医学総論、外科学総論、臨床検査医学・輸血学が3週間行われた後、呼吸器内科学、消化器内科学、内分泌・代謝内科学、神経内科学、血液内科学、腎臓内科学、消化器外科学、呼吸器・甲状腺・乳腺外科学、産婦人科学A、小児科学A、病理学各論A、循環器病学Aの各科目が行われる。循環器病学Aは内科学Ⅱ(循環器内科学)と心臓血管外科学を中心とし、関連する教室からの講義を組み合わせた統合型となっている。他の科目も必要に応じて教室の壁を越えて適切なテーマと講義担当者を配置している。産婦人科学、小児科学、病理学各論、循環器病学は、第3学年後期だけではすべての講義を行えないので、第4学年に産婦人科学B、小児科学B、病理学各論B、循環器病学Bが行われる。

それぞれの科目で教科書が指定されており、各講義に関連する教科書のページが講義予定表に記載されている。講義スケジュールは原則としてⅠ限からⅣ限までに納めたので、放課後には是非教科書を読んで講義の復習をしておきたい(学習すべき項目のすべてを講義で説明することはできないので自主学習は必須である)。その際、やみくもに知識を詰め込むのではなく、それまでに学んだ基礎生命科学や基礎医学の知識を臨床医学の知識と関連づけ、「なぜそうなるのか」ということを良く理解することが、臨床の現場で応用可能なしっかりした知識体系を修得する上で重要である。

その他、必修科目として医学英語が行われる。医学英語では、少人数のグループで英文医学論文の講読の演習を行うスモールグループ学習が行われる。

第4学年

第3学年後半から始まった臨床医学の講義が引き続き1年間行われる。臨床医学講義は全部で20科目(循環器病学B、リウマチ膠原病学、精神神経科学、腫瘍学、産科婦人科学B、小児科学B、小児外科学、感染症学、泌尿器科学、耳鼻咽喉科学、眼科学、病理学各論B、脳神経外科学、皮膚科・形成外科学、整形外科・リハビリテーション医学、放射線医学、高齢医学、救急医学、麻酔科学、生活習慣病学)で構成され、前期及び後期講義の終了時に筆記試験があり、修得度が評価される。臨床医学に関する系統的な知識の修得は、第5学年で行われる臨床実習に際して不可欠であり、実地臨床への第1歩という認識のもとに学習して欲しい。後期には、第5学年での臨床実習に備え、診断能力と基本的な臨床技能を身につけるための臨床診断学講義および実習が行われる。実習は小グループで、各テーマをローテートしていく形で行われる。

その他、臨床医学的な内容を課題としたチュートリアル教育、必修科目としての医学英語が行われる。医学英語では、第3学年にひき続いて少人数のグループで英文医学論文の講読演習が行われ、さらに高度な英語能力の修得を目指す。

第5学年での臨床実習に先だって、これまでに学んだ基礎、臨床、社会医学の知識と基本的な臨床技能に関して、全国的に行われる共用試験(コンピュータ試験CBTと基本的臨床技能試験OSCE)による評価を受ける。共用試験に合格することは進級の要件である。

第5学年

臨床実習が主体となる。これまでに修得した医学知識を、実地臨床に応用する能力の育成が目的であり、ほぼ1年間にわたって小グループで各科を順次廻って行われる。ベッドサイドで患者さんに接するほか、症例カンファランス、回診、手術見学、救急車同乗など多彩な学習の場が用意されている。疾病の理解とともに、実際の症例に関するさまざまな問題への対応も要求される。その成否はひとえに、各学生が明確な問題意識を以て自主的かつ積極的に学習に取組むか否かにかかっている。医学に対する謙虚な姿勢を保ち、かつ誠実怠りなく学習すべきである。臨床実習においてはまた、医師を志す者として、身だしなみやことば遣いはもとより、時間厳守、守秘義務などにも十分注意する。また、病院内は公共の場であることを認識し行動すべきである。臨床実習のほかCPC(臨床病理カンファランス)が並行して行われるが、ベッドサイドで学んだ実際の症例の病態把握のための応用講座として活用してほしい。

第6学年

最終学年は、卒業に向けて全科目の総仕上げと、卒後臨床研修への円滑な導入のための準備に当てられる。

先ず診療参加型臨床実習であるクリニカルクラークシップが行われる。各学生が2科目を選択し、学内もしくは学外(海外を含む)の医療機関で各4週間の実習に臨む。その後、「臨床総合演習」が行われる。ここでは、臨床科目を中心に、重要事項に関するまとめの講義が行われる。また、医療科学Cと公衆衛生学の講義が行われる。既習の医学知識の社会集団への応用と医学知識の整理であり、重要な講義である。

良き医師への最終段階として、6年間に学んだ医学知識・技能・態度の最終確認に日夜専心して欲しい。