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当教室では、大学の医局に在籍することによる各種利点(最先端の医学を修得できる、研究ができる、学会認定資格が取得できる、臨床修練を積むことができる)を楽しく自由な雰囲気の中で追求することが出来ます。我々の診療分野は、手術室での麻酔管理、集中治療領域、ペインクリニック領域、緩和医療領域など多岐にわたります。周術期管理センターにおける術前評価や術後疼痛管理チームによる術後管理も積極的に行っており、質の高い医療を提供できるよう、日々取り組んでいます。また、当院の女性医師復職支援制度などをもとに、医局員が仕事と家庭を両立できる環境を整えています。
当教室では学生教育、臨床教育、研究教育を教育の3本柱として掲げ、積極的に後輩指導を行っています。学生教育(医学部学生のBSL)では電子タブレット端末を用いた教育システムを確立しており、麻酔現場の見学や高機能シミュレーターなど、体験型の実習を中心とした教育を行っています。初期研修医には、毎朝ミニレクチャーを開催して、日々の麻酔研修に対する理解をさらに深める機会を提供しています。さらに、術中の薬剤や麻酔の管理を研修医が主体的に行うことで、気道や循環動態の管理など、医師として必要不可欠なスキルを身につけることが可能です。また、集中治療や緩和医療、ペインクリニックの研修を行っており、幅広い研修が可能です。卒後3年目以降は日本専門医機構の研修プログラムに従い効率よく各種の資格(麻酔科標榜医、麻酔専門医・指導医など)を取得することができます。その後はそれぞれの興味がある分野 (心臓麻酔、小児麻酔、産科麻酔、集中治療領域、緩和疼痛領域など) に応じて国内の専門施設での研修や、海外留学も行い、さらなるステップアップが可能です。当教室は医局員が臨床と研究を両立できるよう配慮し、医局員が博士号を取得できるよう指導しています。
当教室は「多摩麻酔懇話会」の事務局として、病院間の学術的な情報交換、親睦を深める場を提供しています。また「体液・代謝管理研究会」「気道管理学会」の事務局を務め、多職種による周術期および危機管理の学術的情報交換に貢献しています。学術活動においては、国内外の学会や論文等で研究成果の報告を行っています。
当教室では、以下のような様々な臨床研究、基礎研究を行っています。
中心静脈カテーテル挿入による機械的合併症およびカテーテル関連感染症は、臨床上の予後悪化および医療費の増大を招く。組織的な安全管理および感染管理を確立することによる臨床的恩恵は大きいと考えられる。当教室では、国内最大限の効果を発揮する安全対策を構築することを目的として、機械的合併症、血流感染の実態を把握し、安全策、感染防止策の有効性を検討するための研究を行っている。さらに、持続可能なサーベイランスデータ収集を確実に行うためのシステム構築に取り組んでいる。
本研究は、人工呼吸器関連事象(Ventilator-associated event: VAE) の「本邦QIとしての妥当性・実用性」を解明し、臨床展開への基盤を確立する事を目的としている。その為V研究①:VAE発生の有無と死亡、臨床経過(人工呼吸器・在ICU日数)との関連を解析する。研究②:VAEと、その防止策に繋がる患者管理法との連関を解析し、ベストプラクティスを割り出す。
日本集中治療医学会では、我が国のICUに入室し管理を受けた患者についての多施設登録システムの開発を行っており、2014年1月より稼働している。このシステムにより、我が国の集中治療の客観的評価、参加施設間の差についての客観的指標(患者重症度と死亡率比較など)を得ることができるようになり、最終的には治療成績の向上が期待できる。当教室は本研究に参画してデータを提供している。
高齢者における口腔機能の低下はフレイルの発症や死亡率上昇に関連することが示されている。一方、口腔機能低下が術後アウトカムに影響を及ぼすかどうかについては明らかとなっていない。われわれは、全身麻酔で手術を受ける高齢者を対象として、術前の口腔機能と術後合併症発生との関連性を調べることで、早期介入が必要な患者をスクリーニング可能にすることを目指している。
歯科治療や下顎骨骨折の手術などに対して行われる下歯槽神経ブロックには、口腔内からおこなうランドマーク法が一般的であるが、神経損傷するリスクがある。超音波ガイド下に実施できれば、より容易で安全な手技となる可能性がある。本研究では献体を用いて、超音波ガイド下下歯槽神経ブロックの有効性、安全性を検証し、新たなアプローチの開発を目指す。
麻酔中のCICO (cannot intubate cannot oxygenate) では、外科的気道確保ができるスキルが求められる。しかし輪上甲状間膜穿刺の成功率は半数にも満たないとされる。我々は安全で確実な輪状甲状間膜穿刺を行うための穿刺針を作成、解剖体を用いて改良を重ねてきた。現在、豚の喉頭穿刺を行うことで、改良版の穿刺針と従来の製品との比較試験を行なっている。
敗血症はミトコンドリアの形態異常とミトコンドリアDNAの血中への漏出を惹起し、全身の炎症反応を増悪させる。当教室では、敗血症に合併するミトコンドリア障害には、タンパク質の翻訳後修飾であるファルネシル化が関与している可能性がある点に着目し、そのメカニズムや特異的な治療薬開発を目指して研究を行っている。
心臓血管手術における人工心肺の使用は術後患者の炎症の遷延を惹起し、患者の予後に影響を与える。その原因として人工心肺使用により惹起されるミトコンドリア障害と血中へのミトコンドリアDNAの漏出とそれによる炎症の遷延が考えられている。当教室では、プレニル化阻害作用を持つファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬が本病態の制御に有用と考え、その効果を検証するための研究を行っている。
重症敗血症の死亡率はいまだに高く治療法の確立は喫緊の課題である。敗血症では、活性酸素や一酸化窒素の発生により血管内皮に存在するGlycocalyxが破壊される。その結果、血管透過性の亢進、微小循環の破綻が生じ、組織への酸素供給が障害される。本研究は、アスコルビン酸の作用を活用した敗血症治療の開発を目的として行っている。