2016年4月、難治性不整脈疾患の、正確かつ迅速な診断と、より安全かつ効果的な治療法の確立を目的とした、不整脈先進治療学講座が開設されました。心室頻拍、徐脈性不整脈、心房細動、先天性心疾患に合併する治療が困難な不整脈に対して、カテーテルアブレーション及び心臓植込みデバイスによる最新の治療を、循環器内科・不整脈センターと連携して行います。
2016年、生理的刺激伝導系ペーシング(ヒス束―左脚領域ペーシング)を日本では先駆けて開始しました。徐脈性不整脈に対する治療に加え、心不全に対する心臓再同期療法の両室ペーシング代替療法として、新しいペーシング治療法確立を目指しています。遠隔期のヒス束捕捉閾値を予測する因子を解明、心室側からのヒス束ペーシング治療の有用性を報告しました。さらに2023年度は徐脈性不整脈に対する左脚領域ペーシングの多様性と多施設共同試験における有用性の報告、国際共同調査への参加、日本心臓病学会誌に英文レビューなどを発表しています。
器質的心疾患に伴う重症心室頻拍など、他施設では治療困難であった難治性不整脈に対して心外膜アブレーションを含めた積極的治療を行っています。Multisurface pacemappingや洞調律下での心室遅延伝導部位解析に基づいた先端的なアブレーション治療、研究にも取り組んでいます。若手医師への講義など各種講習会、Webinarを通じての教育活動も活発に行っています。
2014年、当院にて本邦第一例めのリードレスペースメーカ植込みがおこなわれました。2022年以降、心房興奮を検知し心室ペーシングをおこなう、最新のリードレスペースメーカ治療を継続しています。植込み中のX線透視画像を解析、心室捕捉閾値を予測する因子を解明し、本邦でより安全な植込み方法確立を目指しています。
本講座には、循環器内科・不整脈センターで診療に従事してきた佐藤俊明特任教授、上田明子特任准教授と冨樫郁子特任講師が所属しています。
バイオトロニックジャパン株式会社
アボットメディカルジャパン合同会社
日本メドトロニック株式会社