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Faculty of Medicineカリキュラム(平成30年度入学生まで)

カリキュラムの概要

平成30年度(2018年度)までの入学生を対象とした、各学年のカリキュラムの概要を以下に示します。各学年の主要科目の特徴をご覧ください。

第1学年(M1)

高校時代に学習した生物や化学などの基礎科学の知識を発展させ、医学物理学、代謝生化学、生体化学、医学統計学など、医学にかかわる科学の基礎知識を学習する。

同時に、医師に求められる基本的姿勢および知識を学ぶ。とくに「行動科学Ⅰ(医のプロフェッショナリズムとキャリア形成)」、「生命倫理と医療安全」などの講義や「早期体験学習Ⅰ(OSCE患者体験)」を通じて、社会が医師に求める姿勢・態度、そして患者から期待される医師像や医療のあり方を学習する。

また、「臨床医学入門Ⅰ」や「早期体験学習Ⅰ(病院体験学習)」などを通して、先輩医師と交流しながら、医師のキャリアプランを考える。

それと共に「早期体験学習Ⅰ(地域と大学)」では、三鷹市の現状等に関する講義を保健学部と合同で受ける。その後4学部が合同でグループ毎に分かれ、各テーマを基にグループワークを行う。「早期体験学習Ⅰ(地域体験学習)」では、我が国における医療システム・福祉システム等の講義とともに、テーマ毎にグループに分かれ、施設見学やインタビュー等、実際に交流し医学生としての視点から問題を抽出し、調査・報告を行う。

チュートリアル教育は、「与えられた課題からその背後に存在する問題、追求すべき問題点を見出し、必要な情報・資料を検索しつつ、解決に至る道筋を自ら見出す能力を育成する」ことを目的とした教育である。将来、医療の現場で様々な問題に遭遇した際、日々進歩する膨大な医学知識の中から適切な情報を抽出し、これを解決してゆくための方策を学ぶ。

新カリキュラムになって、1年生より分子生物学と肉眼解剖学の講義が始まる。人体の構造の理解や生命の根源にせまる分子生物学を学習することは、医学の基本的知識習得の第一歩を踏み出すことになる。

英語によるコミュニケーション能力は、医師はもとより、国際化の進んだ現代の社会人には、将来の活躍する世界を広げるために不可欠である。その重要性に鑑み、学生を能力別に30人前後の小グループに分け、それぞれの実力に合った演習型の講義を行うこととしている。

第2学年(M2)

基礎医学を学ぶ重要な学年である。解剖学(肉眼解剖学及び組織解剖学)では、すべての医学の基礎となる人体の構造を学ぶ。統合生理学・病態生理学・細胞生物学・感染症・免疫学などの基礎医学科目を学び、同時に実習が行われる。

これらの科目は『人体の構造と機能』を理解する上できわめて重要なものである。多くの学生から、「臨床医学に進んで、はじめて基礎科目の重要性を認識した」との声を聞くが、限られた年限内で、これらの科目の反復履修は困難である。将来の医師としての生涯学習の土台となる基礎医学を学ぶ重要な学年であることを自覚し、基礎医学科目の徹底した修得を目指してほしい。

医療科学Bでは、医師としての生涯学習の方法や患者と医師関係の在り方などを考えるために、医療情報、コミュニケーション、カウンセリング、基礎生命科学、キャリア・ワークバランスなどについて学習する。 なお第1学年に引き続き、英語に関しては、学生を能力別に30人前後の小グループに分け、それぞれの実力に合った演習型の講義を行うこととしている。

第3学年(M3)

前期は、前年に引き続き、薬理学、病理学Aなどの基礎医学科目が配置されている。これらの科目はすでに学んだ人体の構造と機能の上にさらに「病態」の要素が加わったものであり、その知識や考え方は、医師として患者の病態機序や薬剤の作用機序などを考えるための基礎となる。さらに社会と医学を結ぶ科目として衛生学を学習する。また、臨床系科目の学習が開始される。先ず臨床医学総論、臨床検査医学・輸血学が行われた後、消化器内科学、消化器外科学、循環器病学Aが始まる。

後期には、呼吸器内科学、内分泌・代謝内科学、神経内科学・脳卒中医学、血液内科学、腎臓内科学、呼吸器・甲状腺・乳腺外科学、循環器病学B、産科婦人科学、小児科学、精神神経科学、泌尿器科学、皮膚科・形成外科学の各科目が行われる。循環器病学は内科学Ⅱ(循環器内科学)と心臓血管外科学を中心とし、関連する教室からの講義を組み合わせた統合型となっている。他の科目も必要に応じて教室の壁を越えて適切なテーマと講義担当者を配置している。

それぞれの科目で教科書が指定されており、各講義に関連する教科書のページが講義予定表に記載されている。講義スケジュールは原則としてⅠ限からⅣ限までに納めたので、放課後には是非教科書を読んで講義の復習をしておきたい(学習すべき項目のすべてを講義で説明することはできないので自主学習は必須である)。

その際、やみくもに知識を詰め込むのではなく、それまでに学んだ基礎生命科学や基礎医学の知識を臨床医学の知識と関連づけ、「なぜそうなるのか」ということを良く理解することが、臨床の現場で応用可能なしっかりした知識体系を修得する上で重要である。

その他、必修科目として医学英語が行われる。医学英語では、少人数のグループで英文医学論文の講読の演習を行うスモールグループ学習が行われる。

第4学年(M4)

第3学年後半から始まった臨床医学の講義が引き続き秋頃まで行われる。

和漢医学概論、法医学、高齢医学、リウマチ膠原病学、小児外科学、救急医学、脳神経外科学・脳卒中医学、整形外科・リハビリテーション医学、眼科学、耳鼻咽喉科学、放射線医学・放射線腫瘍学、麻酔科学、腫瘍学、感染症学、生活習慣病学などが含まれる。臨床医学に関する系統的な知識の修得は、臨床実習に際して不可欠であり、実地臨床への第1歩という認識のもとに学習して欲しい。

第3学年と同じく、それぞれの科目で教科書が指定されており、各講義に関連する教科書のページが講義予定表に記載されている。講義スケジュールは原則としてⅠ限からⅣ限までに納めたので、放課後には是非教科書を読んで講義の復習をしておきたい(学習すべき項目のすべてを講義で説明することはできないので自主学習は必須である)。

臨床実習に備え、診断能力と基本的な臨床技能を身につけるための臨床診断学講義および実習が行われる。実習は小グループで、各テーマをローテートして行われる。

その他、臨床医学的な内容を課題としたチュートリアル教育、必修科目としての医学英語が行われる。医学英語では、第3学年に引き続いて少人数のグループで英文医学論文の講読演習が行われ、さらに高度な英語能力の修得を目指す。

後期には臨床実習が開始されることになる。臨床実習に先だって、これまでに学んだ基礎、臨床、社会医学の知識と基本的な臨床技能に関して、全国的に行われる共用試験(コンピュータ試験CBTと基本的臨床技能試験OSCE)による評価を受ける。共用試験に合格することは臨床実習の要件である。臨床実習を許可されたものには、白衣式において白衣とStudent Doctorの認定証が授与される。そして、その場で臨床現場に望むものとしての姿勢を各自で誓いの言葉を述べていただく。臨床実習(BSL)は、これまでに修得した医学知識を、実地臨床に応用する能力の育成が目的であり、ほぼ2年間にわたって小グループで各科を順次廻って行われる。医学生といえども、患者に対応する最初の経験である。臨床医としての姿勢の基本がこの時点に形成されるといっても過言ではない。自らが生涯の理想を目指す第一歩に相応しい態度で臨んでいただきたい。

第5学年(M5)

M4後期に引き続き、臨床実習が主体となる。当学年では、臨床実習として、学生の診療参加型実習(クリニカルクラークシップ)が積極的に取り入れられている。自らが、担当する患者の担当医になったつもりで患者の病歴を聴取し、課題を解決するための検討を積極的に行う。これまでに修得した医学知識を応用する場であるが、それまでの知識や学習方法の差が最もあらわれる場でもある。積極的に臨床実習の課題や疑問を解決していかないと、知識量などに学生間で大きな差がみられるのもこの時期である。系統だった知識が足りないと感じたら、M4までに学習した科目を復習し、各科目をローテートしているときに各科の先生に自ら質問し、知識を確実なものにするように心がけて、生涯医師として学習するための良い習慣を身につけていただきたい。

なお、M4と同様であるが、臨床実習においてはまた、医師を志す者として身だしなみ、ことば遣いはもとより、時間厳守、守秘義務…などにも十分注意するとともに、病院内は公共の場であることを認識し、私物などの持ち込みは最低限にするべきである。臨床実習のほかCPCが並行して行われるが、ベッドサイドで学んだ実際の症例の病態把握のための応用講座として活用されたい。

なお第1~4学年に引き続き、さらに高度な英語力を身につけたいと希望する学生、第6学年で国外でのクリニカルクラークシップ実習を希望する学生等を対象にした「医学英語Ⅴ」を選択科目として設定している。

第6学年(M6)

最終学年は、卒業に向けて全科目の総仕上げと、卒後臨床研修への円滑な導入のための準備に当てられる。医学部で学習する知識量は莫大であり、数ヶ月の学習で、卒業試験や医師国家試験に合格することは困難である。一日一日の積み重ねで知識を整理するように心がけてほしい。

先ず診療参加型臨床実習であるクリニカルクラークシップが、M5に引き続き行われる。学内もしくは学外(海外を含む)の医療機関で各2~4週間の実習に臨む。

その後、6学年の医学知識の総まとめとなる「臨床総合演習」が行われる。また、公衆衛生学の講義が行われる。既習の医学知識の社会集団への応用と医学知識の整理であり、重要な講義である。

良き医師への最終段階として、6年間に学んだ医学知識・技能・態度の最終確認に日夜専心して欲しい。