大学ホーム医学研究科教育・研究指導研究室・研究グループ循環器内科学教室

研究室・研究グループ紹介:循環器内科学教室

大学院の目標は"研究のみならず臨床の研修を継続することで、臨床・研究双方に秀でた医師を育成すること"です。大学院生は、他の教室員とともに臨床業務を行います。

1年目から下記の研究班に配属し、研究テーマを与えられます。4年目には論文を完成させ、学位審査に臨みます。

臨床と研究両立はハードですが、在籍中の大学院生は大学院修了後に一流の研究者かつ臨床医になることを目指して日々研鑽しております。この期間の努力は、その後の医師としてのキャリアに必ず役立つ4年間になると考えています。

心臓カテーテル班

グループ長 金剛寺謙 講師

虚血性心疾患、末梢血管疾患、心臓大血管の構造的疾患. (structural heart disease)に対するカテーテルインターベンションが主な仕事になります。PCI(経皮的冠動脈インターベンション)、EVT(血管内治療)、BAV(バルーン大動脈形成術)を行っています。また、TAVI(経カテーテル的大動脈弁植え込み術)を導入すべく、ハートチームを立ち上げ、日々準備を進めています。

虚血性心疾患に対しては、血管内超音波をはじめ各種、血管内イメージングを取り入れ、病変の詳細な観察を行い、臨床、研究に応用しています。CT診断も積極的に行っており、マシンは超高精細CT装置 (東芝メディカル社製Aquilion Precision)が導入されています。

末梢血管疾患に関しては、当院形成外科とともに重症下肢虚血の診療にも積極的に取り組んでおり、血行再建に非常に難渋する症例にも様々な手法を使って救肢に全力を尽くしています。

進行中の研究内容は

  • DM症例に対するMCG(マルチファンクションカーディオグラム)を用いた虚血性疾患検出の有用性に関しての検討。
  • 肺高血圧症例におけるMCG解析の特徴についての検討
  • 高リスク冠動脈疾患患者における、近赤外線分光法血管内超音波を用いた冠動脈プラークの進展に関する前向き観察研究
  • 高度石灰化を伴う冠動脈病変に対するカッティングバルーンの治療効果に関する臨床研究
  • 近赤外線分光法血管内超音波(NIRS IVUS)による探索的検討
  • 重症下肢虚血に対するEVTにおけるエンドポイントとしてLSFGの有用性の検討
  • 重症下肢虚血の虚血評価法として各モダリティーの比較検討

などがあります。新規治療デバイスの治験や、多施設共同研究にも積極的に参加し、他施設との連携も大切にしています。

不整脈・心電図班

不整脈センター長 副島京子 主任教授

不整脈の治療の特色は、心電図で予想し、電気生理検査で確定診断をし、さらには高周波カテーテル焼灼術による根治が可能なことです。対象となる不整脈は年々増加しており、また心房細動を中心に、アブレーションの手法も従来の高周波カテーテル以外にバルーンテクニックを用いた方法など新たな方法が開発されています。当院では、こうした新しいバルーンテクニックアブレーションを積極的に導入するとともに、2015年から、放射線被曝の低減を可能にするカテーテルナビゲーションシステムをアジアで初めて導入し、情報を発信しています。また難治性心室頻拍治療には特に力を入れており、他施設で治療困難であった心室頻拍の患者さんに対して心外膜アブレーション、外科との連携などで根治を目指しています。

また、徐脈・頻脈・心不全に対するデバイス治療(ペースメーカー、植え込み型除細動器、心臓再同期療法)を積極的に行っています。2014年の3月より欧米と同時に日本で初めてリードレスペースメーカーの治験を行い、2017年からの保険償還後も積極的に植込みを行っています。皮下植込み型除細動器やヒス束ペーシングなどの、新しい治療も行っています。また、デバイスのホームモニタリング(患者さんが自宅にいながらデバイスチェックや心不全指標をモニターできるシステム)を取り入れて植込み後の長期的なフォローアップにも力を入れています。
最新の治療を実感できる部門であるのが特徴です。

研究のトピックとしては

  • 欧米との共同研究(心サルコイドーシスの診断と予後、器質的心疾患に合併する心室頻拍に対するアブレーション介入と予後、心サルコイドーシスの3次元マッピング)
  • 難治性心室頻拍に対する非侵襲的交感神経修飾の有効性
  • 最近のマッピングシステム、アブレーションカテーテルの特性、比較
  • 失神の診断や治療
  • 突然死の予測因子

などがあります。週に一度抄読会、勉強会を行い全員で知識の向上をはかるとともに、一週間の治療方針を患者さんごとに検討しています。安全で最新の治療を目指しています。
興味のある方は是非参加してください。

心エコー班

グループ長 坂田好美 教授

心エコーは、全ての心血管疾患の評価になくてはならない有用な非侵襲的検査です。現在、当科では、

  1. Speckle tracking 法や 3D エコーを用いた肺高血圧症の右心機能評価、
  2. 負荷心エコーによる急性冠症候群の生存心筋および心筋虚血の評価、
  3. 頚動脈エコーによる急性冠症候群の動脈硬化評価および薬物療法効果評価、
  4. 高血圧・糖尿病症例の拡張機能障害および血管障害評価、
  5. 3D 経食道エコーによる僧帽弁・大動脈弁評価の評価、
  6. 肥大型心筋症を呈する患者さんに対するファブリー病スクリーニング、
  7. DPP-4 阻害薬の心機能に対する影響評価、

などの臨床研究を行っております。若手医師の研究教育にも尽力していきます。

肺高血圧班

グループ長 佐藤徹 教授

現在肺高血圧症で外来通院中の患者さんの数は約220名で、多摩地区を中心に関東一円から通院しています。患者数は日本で1、2位であります。グループ構成員は5人と日本では最多で、年間の右心カテーテル施行数は約500件、下記の慢性肺血栓塞栓症に対するカテーテル治療数は年間約100です。

フローランによる在宅持続療法を含めた肺高血圧症に対する治療を積極的に行っています。この治療の現在の総治療人数は約100名です。慢性肺血栓塞栓症に対しては、2009年からカテーテルによる血管形成術を日本の草分けの1つとして始め、2017年3月までに約200名以上の患者さん(1例平均4回施行)を治療しました。

睡眠時無呼吸症候群の診断・治療も行っており、当グループでは心臓リハビリ、呼気ガス分析を併用した運動負荷試験もリハビリ科と共同で施行しております。

肺高血圧症の遺伝子治療に関する研究を進めており早期の治療開始をめざしています。

循環器遺伝子解析は保健学部分子生物学の蒲生教授と共同で行っており、肺高血圧症の原因遺伝子を模索しています。不整脈、高脂血症における遺伝的異常も引き続き解析する予定です。

カテーテル検査中に運動負荷試験をあわせて行っており、循環動態を検討することで、肺高血圧の早期診断に応用しています。

心不全班

心不全の原因は多岐にわたり、弁膜症、高血圧、心筋梗塞、心筋症、不整脈などが主な原因疾患とされ、心臓血管疾患の最終病像は全て心不全に繋がります。

心不全班は、心不全に関する診療全般を担当します。高齢化に伴う心不全患者さんの激増する時代背景から、その診療ニーズは極めて高く、3次救急を担う当院の責務も相まって年間200-300例の新規心不全患者さんの診療を行っております。その診療内容は、急性期/慢性期・ステージ・原因により大きく異なります。薬物治療に加えて、発展著しい非薬物治療など、多岐に渡る診療を適切に提供しなくてはいけません。心不全患者さんにより良い診療を提供するために、科内の各班、他診療科、院外施設 (近隣実地医家から移植専門施設) との連携を緊密に図ります。心不全班は多職種チームの主軸を担います。重症心不全に対する補助循環治療、心臓リハビリテーション、予防医療 (睡眠時無呼吸症候群を含む)、緩和ケアなど、心不全診療に欠かせない包括的医療を提供するとともに、その担い手となる若手を育成します。

研究は、より良い診療を心不全班が提供しつづけるために重要です。当院が参加する多施設共同心不全レジストリ (West Tokyo Heart Failure Registry [WET-HF]; 200X年開始、4000例の症例登録[WET-1]、2018年X月よりWET-2が開始)は、臨床研究コーディネータによる支援のもと、良質なデータベースとして現在も発展しており、我々の大きな強みです。具体的な我々の報告をご紹介しますと、例えば、日々の診療で心不全患者さんに何気なく処方しているガイドライン推奨薬剤が、高齢者や腎機能障害の場合は必ずしも予後と関連しないことを報告しました。その結果は、学会シンポジウムで大きく取り上げられ、高齢化社会における実臨床の薬物治療の議論が今も活発に行われています。このような研究の原点は、臨床現場に常に立ち続けている若手医師が診療で感じる疑問から始まることが実は多いのです。現場感覚で生まれた解決不可能な疑問は大変重要です。その問題を解決すべく、研究デザインの立案・データ解析・学会[欧米主要学会]発表/論文作成まで、当院のみならず、施設を越えた心不全・臨床研究の専門家が支援します。

単施設として詳細に情報を取得することが、臨床の疑問の解決の近道となることも多々あります。血行動態や運動耐容能評価による病態把握・リスク層別化、睡眠時無呼吸症候群の臨床的意義、患者視点を踏まえた適切な意思決定支援の在り方などの単施設での研究も行っております。

循環器内科における「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づく、現在進行中の研究一覧

課題番号 研究課題 申請(責任)者
H29-063-03 CRT奏功の予測因子としての左心室内伝導時間に関する多施設、前向き、パイロット研究(BIO|SELECT Pilot) 副島 京子
R01-026 心不全の発症・重症化の高精度予測とそれに基づく最適な治療法の開発のための心不全レジストリ 合田 あゆみ
H28-097-02 リプレガル特定使用成績調査(長期継続状況等に関する調査) 坂田 好美
H28-173-01 Speckle-tracking 心エコー法による心筋strain解析を用いた肺高血圧症の右心機能および予後評価についての検討 坂田 好美
H28-202-03 レパーサ皮下注 特定使用成績調査(長期使用) 小山 幸平
H30-119-01 急性大動脈解離発症前造影CT画像の解析 吉野 秀朗
H30-183 Micra Acute Performance Japan Regional Cohort 副島 京子
H29-020-01 徐脈性不整脈に対するヒス束ペーシングの電気的指標に関する検討 佐藤 俊明
H29-139-01 Effect of Adherence to Remote Monitoring on Early Detection of Arrhythmic and Alert Events in Pacemaker Patients: a double-blind Randomized, Crossover Study Comparing the Control and the Remote Monitoring Center
ペースメーカの遠隔モニタリング送信状況がアラートイベントの早期発見に及ぼす影響:遠隔モニタリングセンターと各施設による二重盲検無作為化クロスオーバー研究
佐藤 俊明
H27-056-01 心疾患患者における運動負荷心エコー図を用いた血行動態評価および予後予測因子の検討(多施設共同研究) 坂田 好美
H23-143-02 運動中の肺動脈圧および肺血管抵抗に関する研究 佐藤 徹
H25-165-06 呼吸器疾患に伴う肺高血圧症の多施設前向き症例登録研究(Japan Respiratory PH study) 佐藤 徹
H26-176-03 新国際慢性肺血栓塞栓症データベースへの症例登録研究 佐藤 徹
H27-120-05 肺血栓塞栓症に対するsubtraction CT の有用性に関する研究 佐藤 徹
H28-045-03 携帯型脈拍計を活用した生活指導による肺高血圧症患者の安静療法(過活動制限の遵守)の実践と、その治療効果に及ぼす影響の検討 佐藤 徹
H28-107-04 静脈血栓塞栓症における非ビタミンK阻害経口抗凝固薬治療の前向き追跡研究(KUROSIO study) 佐藤 徹
H29-002-01 肺高血圧症の治療法を比較検討する多施設共同症例登録研究(Japan PH Registry) 佐藤 徹
H29-007-04 カテーテルアブレーション症例全例登録 副島 京子 
H29-126-01 不整脈に対するアブレーション治療前後の症状に関する臨床研究 副島 京子
H30-108-01 筆記総合医学試験の成績と診察実習試験の成績の関連に関する研究 佐藤 徹
H28-170-06 深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制に対するリバーロキサバンの有効性及び安全性に関する登録観察研究 佐藤 徹
H26-008-07 非心臓手術における周術期心房細動の予後調査 樋口 聡
H28-197-04 非弁膜症性心房細動を有する後期高齢患者を対象とした前向き観察研究
All Nippon AF In Elderly Registry -ANAFIE Registry-
坂田 好美
H29-008-02 造影剤を使用しない経皮的冠動脈形成術の安全性、成功率、臨床効果についての前向きコホート研究 樋口 聡
H29-068-02 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic thromboembolic Pulmonary Hypertension:CTEPH)に対するBalloon pulmonary angioplasty (BPA)の有効性と安全性に関する多施設レジストリー研究 佐藤 徹
H29-145-02 インターナショナルBPAレジストリ 佐藤 徹
H29-181-01 大動脈解離における内臓脂肪/皮下脂肪比の臨床的意義 樋口 聡
H30-154 心室頻拍アブレーションにおける基本調律時の等時線マップとペースマップ波形の関係に関する研究 副島 京子
H26-097-02 肺血栓塞栓症・肺動脈狭窄症による肺高血圧症に対する経皮的肺動脈形成術の多施設共同研究 伊波 巧
H26-125-03 臨床情報と検体試料の共有体制を通じての肺高血圧症の病態解明と予後改善を目的とした多施設共同研究 伊波 巧
H28-070-02 東京都CCU連絡協議会データにおける急性心不全患者の臨床像に関する遡及的検討 松下 健一
H30-101-01 慢性血栓塞栓性肺高血圧症に関する多施設共同レジストリ研究 伊波 巧
H30-158 左心系疾患に伴う肺高血圧症における心肺運動負荷試験および運動負荷心エコー指標に関する研究 合田 あゆみ
H30-138 肺高血圧を伴わない慢性肺動脈血栓症に対する経皮的肺動脈形成術(バルーン肺動脈形成術)の効果と安全性の検討 伊波 巧
H30-070 身体診察による肺高血圧症の診断 佐藤 徹
H30-074 肺動脈リモデリング制御機構の解明による画期的肺高血圧治療法の検索 佐藤 徹
H30-078 肺高血圧症疾患特異的PRO指標emPHasis-10 日本語版の開発―計量心理学的妥当の検討 合田 あゆみ
H30-081 デバイス植え込みを要する房室ブロック患者の心臓MRI所見と臨床経過
Late gadolinium enhancement in atrioventricular block patients with MR-conditional device and their clinical course.
野々口 紀子
H30-033 新規我が国における心臓植込み型デバイス治療の登録調査 New Japan Cardiac Device Treatment Registry (New JCDTR) 佐藤 俊明
H23-173-05 心サルコイドーシスの前向き登録 副島 京子
H30-013 急性非代償性心不全患者を対象としたレジストリー研究 合田 あゆみ
H30-028 重症下肢虚血患者に対するアンギオサムに基づいた血行再建術の有効性に関する多施設・前向き観察研究 金剛寺 謙
H28-203-03 カテーテルアブレーションを施術した非弁膜症性心房細動症例の抗凝固療法の実態とその予後に関する観察研究 三輪 陽介
H28-078-01 アジアにおける心房細動患者の脳卒中予防に関する臨床調査 副島 京子 
H28-195-01 アジア地区での突然死リスクを有する患者に対する植込み型除細動器移植術前の心室頻拍アブレーション治療の有効性の検討(PAUSE-SCD研究)
Pan-Asia United States PrEvention of Sudden Cardiac Death Catheter Ablation Trial(PAUSE-SCD)
副島 京子
H29-182 高リスク冠動脈疾患患者における、近赤外線分光法血管内超音波を用いた冠動脈プラークの進展に関する前向き観察研究(略称:NIRS-観察研究) 小山 幸平
H29-153 東京都における急性大動脈症の1年予後の検証 金剛寺 謙
H29-154 東京都における心血管(循環器)緊急症の1年予後の検証 金剛寺 謙
H28-042-04 Reveal LINQ レジストリ研究 副島 京子
H29-035-03 Micra経カテーテルペーシングシステム市販後臨床研究 副島 京子
H25-103-13 慢性冠動脈疾患患者におけるイコサペント酸エチルの二次予防効果の検討 Randomized trial for Evaliation in Secondary Prevention Efficacy of Combination Therapy Statin and Eicosapentaenoic Acid 伊波 巧
H26-168-04 ロトリガ粒状カプセル 特定使用成績調査
OCEAN3(Outcome prevention on Cardiovascular Events by Antihyperlipidemic therapy with N3-fatty acid in Japan)
伊波 巧
H26-107-04 AdaptResponse 試験 副島 京子
H29-109 左冠動脈主幹部病変による急性心筋梗塞患者の後ろ向き症例登録研究 金剛寺 謙
H29-110 心房細動合併急性冠症候群患者における抗血栓治療後の出血と血栓リスクに関する前向き観察研究 金剛寺 謙
H29-087 心房細動アブレーション後の抗凝固療法の使用実態と追跡調査
―AF Frontier Ablation Registry―
野々口 紀子
H24-016-04 失神における自律神経機能検査と心電学的指標による診断有効性の検討 三輪 陽介
H25-163-01 2次元スペックル・トラッキング心エコー図法による急性期胸痛患者のトリアージの有用性を検討する多施設前向き試験 坂田 好美
H27-028-01 ω-3脂肪酸(EPA+DHA)の心機能改善効果の検討 坂田 好美
H27-057-01 東京都CCUネットワークに登録されたたこつぼ型心筋症の長期予後調査 坂田 好美
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