2026年4月16日、世界的に権威ある医学雑誌 New England Journal of Medicine において、新しいタイプの抗血栓薬「Asundexian(アスンデキシアン)」の研究成果が発表されました。本薬は、脳梗塞の再発を防ぐ新しい治療薬として期待されています。
本研究は「OCEANIC-STROKE試験」と呼ばれる国際共同研究で、世界37カ国・702の医療機関から、12,000人以上の患者さんが参加した大規模な臨床試験です。日本からも1,075人が参加し、中国に次いで世界第2位の登録数となりました。
本学 脳卒中医学の平野照之教授は、日本を代表する研究責任者(National Leader)として本試験に参画し、研究チームの中核メンバーとして重要な役割を果たしました。また、本論文では第3著者として掲載されています。
脳梗塞は再発しやすい病気であり、現在は「抗血小板薬」と呼ばれる薬が再発予防の中心となっています。しかし、それでも一定の割合で再発が起こることが課題となっていました。
今回の研究では、抗血小板薬に加えてAsundexianを使用することで、
という結果が示されました。
Asundexianは、血液を固める働きに関わる「第XI因子」という物質を抑えることで、血栓(血のかたまり)ができるのを防ぐ薬です。
従来の薬では、血栓を防ぐ一方で出血しやすくなるという問題がありましたが、本薬は「必要な止血機能を保ちながら、病的な血栓だけを抑える」という新しい考え方に基づいています。
今回の成果は、脳梗塞の再発予防において、より安全で効果的な新しい治療の可能性を示したものです。今後、治療ガイドラインの見直しや臨床現場での活用が期待されます。
また、日本から多くの患者さんが参加し、本学研究者が中心的な役割を担ったことは、日本の医療研究の国際的な貢献を示すものです。
本研究の概要を解説した動画(NEJM Quick Take)
| 発表雑誌: | The New England Journal of Medicine [ Vol.394(15), pp.1467–1479 (2026) ] |
| 論文タイトル: | Asundexian for Secondary Stroke Prevention |
| 筆 者: | Mukul Sharma et al. |
| DOI: | 10.1056/NEJMoa2513880 |