Faculty of Medicine心臓血管外科学教室

教室専任教員

教授
准教授
講師
助教

教室概要

当教室は昭和48年に池田晃治教授のもと、「胸部外科」として始まり、水野明教授、須藤憲一教授を経て、平成23年より窪田博が担当しております。教室名も平成14年に「心臓血管外科」と改められました。

当教室は虚血性心疾患、心臓弁膜症、胸部大動脈疾患、心臓腫瘍、先天性心疾患、不整脈、重症心不全等の心臓・胸部大血管疾患(いわゆる「心臓外科」疾患)と腹部大動脈疾患、末梢動脈疾患、静脈疾患、リンパ管疾患、血液透析用ブラッドアクセス作成等の腹部大動脈・末梢血管疾患(いわゆる「血管外科」疾患)に対する外科治療や研究を行う教室です。心臓外科チームと血管外科チームの2チームで構成されておりますが、チーム間で日常的に意見を交換しあうなど、協力して診療にあたれていることが当教室の特色の一つです。

当教室では毎年400例ほどの心臓血管外科手術を行なっています。日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本血管外科学会、日本脈管学会など様々な学会の専門医、指導医を多数擁し、良質な医療を患者さんに提供しております。一般的な心臓血管手術に加え、当院が多摩地区唯一の特定機能病院、大学病院本院であることから、近隣病院では対応困難な「人工血管感染に対する再手術」など、高度で特別な手術や管理を必要とする症例も引き受けております。また、2021年1月から多摩地区唯一の植え込み型補助人工心臓管理施設となるなど、先進的な医療にも積極的に取り組んでおります。こういった症例に対して良好な治療成績を維持できているのは、循環器内科、形成外科をはじめとする、大学病院本院ならではの多彩な関係各科との良好な協力関係や看護師、臨床工学士をはじめとする、多職種との密接な連携の賜物と考えております。

教育の特色

学生教育に関しては、医学部はもちろん、保健学部看護学科、保健学部臨床工学科、保健学部救急救命学科など、たくさんの学生を受け入れております。多岐にわたる心臓血管外科疾患について各分野の専門家が全体の骨格となる講義を行い、ベッドサイドの実習で肉付けを行っていきます。問診や聴診などに加え、心臓超音波検査やCTなどによる術前診断の仕方、手術適応の考え方、補助循環方法や手術手順などの手術戦略、実際の手術、術後管理と徹底的に学んでもらうことで、心臓血管外科疾患の知識を深めてもらいます。医療技術の進歩により低侵襲化が進みはしましたが、心臓血管手術は全身に大きな影響を与えうる治療の一つです。心臓血管外科手術後の全身管理や集学的治療を通して、心臓血管外科学のダイナミズムを体感しつつ、心臓血管外科疾患に関する幅広い知識を習得できるようお手伝いします。近隣の病院に先天性心疾患の手術見学に行ってもらうなど、充実した臨床教育を受けられるようにしております。また、希望者には日本心臓血管外科学会や日本血管外科学会の関東甲信越地方会などで症例報告をしてもらうこともあります。

研修医教育に関しては、当科は心臓血管外科専門医認定機構基幹施設として充実した研修医教育、心臓血管外科専門医取得に向けたトレーニングを実施しております。

社会的活動

当教室は近隣地区の基幹病院として、地域の心臓血管外科疾患診療の発展に貢献するために、近隣病院の心臓血管外科と共催して多摩心臓外科学会を年1回開催しております。本会は心臓血管外科領域の症例検討や研究発表の場を提供する会で、各施設間の学術的な情報交換や親睦を深めるための場として重要な意味を持っています。

また、教室員の中には日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本血管外科学会、日本脈管学会、日本静脈学会などで理事、評議員として活躍をしているものもおります。

当教室は東京都CCU連絡協議会が指定する「急性大動脈スーパーネットワーク 緊急大動脈重点病院」として、長年にわたり地域救急医療へ貢献してまいりました。このような活動が評価され、令和元年には当教室が”三鷹救急業務功労者”として表彰されました。

研究テーマ

研究チームは心臓チームと血管チームの2班に分かれており、心臓チームはさらに成人チームと小児チームに細分されております。

心臓・胸部大動脈チーム

  • 僧帽弁閉鎖不全に対する弁形成術および低侵襲手術の臨床的研究
  • 胸部大動脈瘤に対するステントグラフトの臨床的基礎的研究
  • 逆行性脳灌流法を改良した間歇的圧増強-逆行性脳灌流法(IPA-RCP)の臨床応用
  • 胸部大動脈瘤に対する術中脳脊髄保護の臨床的研究
  • 心房細動に対するメイズ手術の臨床的基礎的研究及び新たなenergy sourceとして赤外線を用いた凝固装置の開発

血管チーム

  • 血中脂質プロファイルと包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)の関与についての臨床研究
  • 内臓動脈瘤に関する臨床研究
  • 慢性腎不全患者におけるシャント造設術後の血行動態の変化に関する観察研究
  • 腹部大動脈瘤のマウスモデルを用いた基礎研究

近年の主な業績

  1. Kubota H, Ohtsuka T, Ninomiya M, NonakaT,Hisagi M, Endo H, Minegishi S, Tsuchiya H, Inaba Y:Thoracoscopic infrared ablation to create a box lesion as a treatment for atrial fibrillation.J Cardiothorac Surg.8;17(1):1. doi: 10.1186/s13019-021-01750-1. 2022 Jan
  2. Kubota H, Endo H, Ishii H, Tsuchiya H, Inaba Y, et al. ALCAPA in adults: Learning more about this rare congenital disease in the coronary arteries, Health & Medicine, 10.26904/RF-135-12181923651, May 5, 2021
  3. Minegishi S, Endo H, Ishii H, Tsuchiya H, Inaba Y, 1. Kubota H: A large vegetation on a xenopericardial roll elephant trunk graft. JTCVS Techniques 2021;6:46-9.April 2021
  4. Ikezoe T, Shoji T, Guo J, Shen F, Hong S Lu, Daugherty A, Nunokawa M, Kubota H, Miyata M, Baohui Xu, Ronald L Dalman: No Effect of Hypercholesterolemia on Elastase-Induced Experimental Abdominal Aortic Aneurysm Progression. Biomolecules. 2021 Sep 30;11(10):1434. doi: 10.3390/biom11101434.
  5. Inaba Y, Minegishi S, Endo H, Kubota H: Removal of a frozen elephant trunk using a polyvinyl tube. General Thoracic and Cardiovascular Surgery (2022) 70:506–508.
  6. Kubota H, Ohtsuka T, Ninomiya M, Nonaka T, Hisagi M, Endo H, Minegishi S, Tsuchiya H, Inaba Y: Thoracoscopic infrared ablation to create a box lesion as a treatment for atrial fibrillation.Research square, preprint. 2020.2.
  7. Inaba Y, Endo H, and Kubota H :Arterial-bronchial fistula from ruptured immunoglobulinG4-related subclavian artery aneurysm, Journal of Vascular Surgery Cases and Innovative Techniques, 2020;6:84-8.),March 2020
  8. Hosoi Y: Direct Oral Anticoagulants for the Treatment of Cancer-Associated Venous Thromboembolism in Real-World Clinical Practice― Caution Regarding Substantial Frequency of Bleeding Complications ―. Circulation Journal. doi:10.1253/circj.CJ-20-0673. Vol.84 No.8. August 2020
  9. Kubota H, Endo H, Ishii H, Tsuchiya H, Inaba Y, Takahashi Y, Terakawa K:Epicardial infrared ablation to create a linear conduction block on a beating right atrium. J Cardiothorac Surg;13(1):116. doi: 10.1186/s13019-018-0801-y. 2018 Nov 16
  10. Kubota H, Endo H, Ishii H, Tsuchiya H, Ohura N,Takahashi Y: Branched xenopericardial roll graft replacement of an infected aortic arch graft, Journal of Cardiac Surgery; DOI: 10.1111/jocs.13986, 2019;1–4.