| 教授 | |
|---|---|
| 准教授 | |
| 講師 | |
| 助教 |
循環器内科は、個々の患者に合わせた最良の医療を行うことを心がけています。心臓カテーテル班、不整脈班、肺高血圧班、心エコー班、心不全班による各専門分野での臨床に加え、臨床現場で生まれる疑問を育むことを大切にし、教育・研究を活発に行っています。
当科のポリシーは、「研究と臨床ともに秀でた医師を育成する」ことです。
BSL(Bed Side Learning)では、主体的にベッドサイドで受け持ち患者の診療に取り組むことが求められます。学生自身が、診療中に疑問点を見出し、文献を通して学び、修了時には指導医と実習班員の前で成果を発表します。また、毎朝行われる新入院カンファレンスでは、新入院患者の診療方針を多角的に議論します。各専門分野のトピックに基づいた症例カンファレンスが毎週開催され、最新のエビデンスに基づいた診断・治療を学びます。
自由参加プログラムでは、BSL前の学生でも臨床の体験学習が可能です。また、興味を持った専門分野における症例報告や臨床研究の実践を支援しています。医学部生が、日本循環器学会総会・地方会などの学会で筆頭演者として発表し、希望者には発表成果を国際的な学術誌に筆頭著者としてまとめる支援も行っています。
米国心臓協会、米国心臓病学会、欧州心臓病学会、Heart Rhythm Society、日本循環器学会、日本心臓病学会、日本不整脈心電学会、日本心エコー学会、日本肺高血圧・肺循環学会、日本心不全学会、日本内科学会などで研究成果を発表しています。近隣の実地医家の先生方と定期的にテーマを決めた勉強会を行い、医療連携に取り組んでいます。
大学院コースの目標は”研究のみならず臨床の研修を継続することで、臨床・研究双方に秀でた医師を育成すること”です。臨床現場で生まれる疑問 (clinical question)を育むためにも臨床の実践は重要と考え、臨床に携わりながら研究を進めます。
大学院1年目に各研究班に所属し、指導医によるメンタリング制度のもと研究テーマを決定します。研究の進捗を医局内カンファレンスで定期的に発表し、科全体からの支援を受けながら研究を進めます。臨床と研究の両立はハードですが、大学院修了後に”臨床研究の実践による問題解決能力を有する臨床医”として自立することを目指して日々研鑽します。この期間の努力は、その後の医師としてのキャリアに必ず役立つ4年間になると考えております。
各班の研究内容(詳細につきましては、診療科ホームページでも紹介しております。)
年間約400例の経皮的冠動脈インターベンション、約80-90例の血管内治療、約50例の経カテーテル的大動脈弁挿入術(TAVI)およびMitraClipによる僧帽弁修復術を行っています。
虚血性心疾患に対しては、血管内超音波をはじめOCTやNIRSといった血管内イメージングを複数取り入れ、病変の詳細な観察を行い、臨床、研究に応用しております。また当院の特徴として、急性心筋梗塞等の緊急疾患に対する治療が多いため、ショック等の重症例に関してはECMOに加えて、インペラ(補助循環用ポンプカテーテル)による補助循環を積極的に活用して治療を行っております。2019年より開始したTAVI(経カテーテル的大動脈弁挿入術)も、順調に症例を伸ばしており、大動脈弁、TAVI弁のCT解析やリハビリと連携して術後の身体機能評価を行い診療、研究に応用しています。また2023年より僧帽弁閉鎖不全症患者に対し、MitraClip (経皮的僧帽弁接合不全修復術)を開始しており、外科的手術が困難な弁膜症患者さんに対し、低侵襲な治療が可能となっています。2026年には経皮的心房中隔欠損閉鎖術も開始しました。
新規治療デバイスの治験や、多施設共同研究にも積極的に参加し、他施設との連携も大切にしています。
近年の不整脈治療不整脈の進歩は著しく、“治らない不整脈”が“治るように、またより安全な治療に進歩しています。治療に用いられる放射線被曝を可能な限り低減できるような三次元マッピングシステムの進歩により、解剖学的、電気生理学的情報を詳細に視覚的に確認し、正確な治療が可能です。
不整脈チームでは、難治性不整脈―持続性心房細動、器質的心疾患に合併する心室性不整脈を積極的に行い、どのような治療が安全で効果的かの研究を継続して、安定した調律中に心室頻拍の回路を同定する方法を同定する方法を発表しています(J Cardiovasc Electrophysiol. 2020;31(2):440)。今後さらに罹患人口の増加が見込まれる心房細動により脳梗塞のリスクも高くなるため、早期発見・早期治療のための研究を行なっています(令和元年度- 3年「IoT等活用行動変容研究事業」)。
2014年の3月から欧米と同時にリードレスペースメーカーの治験を開始し、本邦で最初のリ―ドレスペースメーカを杏林で植え込み、治験結果がNew England Journalに掲載されました (N Engl J Med. 2016;374:533)。また、より生理学的なヒス束ペーシング、左脚ペーシングを積極的に行い、その結果を報告しています(JACC Clin Electrophysiol. 2021 Apr;7(4):513-521)。
不整脈センターでは毎週水曜朝に抄読会、勉強会を行い全員で知識の向上をはかるとともに、一週間で治療する患者検討を行っています。学生さん、研修医で不整脈研究への参加をご希望される場合はご連絡ください。一緒に研究をしていきましょう。
現在肺高血圧症で外来通院中の患者さんの数は約220名で、多摩地区を中心に関東一円から通院されています。グループ構成員は5人と国内でも多く、年間の右心カテーテル検査は約500件、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するカテーテル治療(経皮的肺動脈形成術)を年間約130件行っています。
フローランによる在宅持続療法を含めた肺高血圧症に対する治療を積極的に行っています。この治療の現在の総治療人数は約100名です。慢性肺血栓塞栓症に対しては、2009年からカテーテルによる血管形成術を施行しており、2020年3月までに約250名以上の患者さんを治療しました。
睡眠時無呼吸症候群の診断・治療も行っており、当グループでは心臓リハビリテーション、呼気ガス分析を併用した運動負荷試験もリハビリ科と共同で施行しております。
肺高血圧症の遺伝子治療に関する研究も進めており、早期の開始をめざしています。循環器遺伝子解析は蒲生名誉教授や慶應義塾大学循環器内科講師の片岡雅晴先生と共同で行っており、肺高血圧症の原因遺伝子を模索しています。 不整脈、高脂血症における遺伝的異常も引き続き解析していきます。
カテーテル検査中に運動負荷試験をあわせて行っており、循環動態を検討することで、肺高血圧の早期診断に応用しています。
心エコーは、全ての心血管疾患の診断、病態評価、治療効果の判定に有用な検査です。当院では年間10000件前後の安静時経胸壁心エコー検査、300件以上の経食道心エコー、100件以上の負荷心エコーを施行し、虚血性心疾患、心不全、弁膜症、心筋症、先天性心疾患、肺血栓塞栓症、肺高血圧症、大動脈瘤などの疾患の診断、病態評価などを行なっています。一般的な安静時経胸壁心エコー検査のほか、運動やドブタミン負荷などの負荷心エコーや、3次元心エコーやスペックルトラッキング心エコーなど最新の技術を用いて、安静時の一般心エコーでは評価できない、より詳細な心機能評価を行い、病態評価、治療効果・予後評価を行っております。
また、肺高血圧症例、心房細動例、TAVI(経カテーテル的大動脈弁植え込み術)を含めたSHD (structure heart disease)症例、心アミロイドーシスを含む心筋症、抗がん剤治療関連心筋障害など、当院循環器内科に特有の疾患についても、その病態、予後、治療効果についての研究も行っております。地域の若手医師・技師の育成や研究支援も進めています。
研究は、より良い診療を心不全チームが提供しつづけるために重要です。
当院が参加するWest Tokyo Heart Failure Registryは、臨床研究コーディネータによる支援のもと、良質なデータベースとして現在も発展しており、我々の大きな強みです。
具体的な報告をご紹介しますと、心不全患者さんに何気なく処方しているガイドライン推奨薬剤が、高齢者や腎機能障害の場合は必ずしも予後と関連しないことを報告しました。その結果は学会シンポジウムで大きく取り上げられ、高齢化社会における薬物治療の議論が活発に行われています。このような研究の原点は、若手医師が診療で感じる疑問から始まることが実は多いのです。臨床現場で生まれた疑問を解決すべく、研究デザイン立案・解析・学会[欧米主要学会]発表/論文作成まで、施設を越えた心不全・臨床研究の専門家が支援します。
近年は国際比較研究を推進しています。なぜかというと、本邦と欧米とで、心不全の特徴が違うことが指摘されてきたからです。米国ワシントン大学との共同研究では、突然死が少ないという本邦特有性を示す一方で、米国で開発された突然死予測リスクモデルが日本の患者さんでも当てはまることを証明しました。本邦の診療ガイドラインの根拠は欧米のevidenced-based medicine (EBM)に主に基づいているわけですが、欧米のEBMをそのまま外挿できる部分と、本邦独自のEBM発信が必要な領域を見極めながら、あらたな知見を臨床現場に還元し続けます。
単施設で詳細に情報を取得することが、臨床の疑問の解決の近道となることも多々あります。血行動態や運動耐容能評価による病態把握、患者視点を踏まえた適切な意思決定支援の在り方などの研究も行っています。