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School of Medicine腫瘍内科学教室

教室専任教員

付属病院・三鷹キャンパス

教授
講師
助教

教室概要

最近のがん診療の分野は腫瘍学(oncology)として目覚ましく進歩しており、oncology全体を体系立てた教育や診療・研究の必要性が高まってきています。特にがん薬物療法の進歩は著しく、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬などの登場により有効性が向上した一方、その適応や有害事象の管理などは益々複雑となっています。がん治療では、臓器や治療手段にとらわれず包括的な視野で捉えて、研究や教育、実際の診療を行っていくことが重要となってきています。

2008年3月、杏林大学医学部に内科学のひとつとして腫瘍内科学が開設され、薬物療法を中心にがん治療の診療、研究、教育を行っています。がん制圧のためには多角的なアプローチと協調による多職種チーム医療が必須です。腫瘍内科学教室は包括的ながん教育・研究・診療の中心的役割を果たしています。

教育

腫瘍内科学では、講義やカンファレンスを通じてがん薬物療法を含めたがん治療の基礎知識、適応、方法、有害事象とその対策などを学びます。さらに病棟及び外来において、患者やその家族と接し、実際の治療だけでなくがん診療で大切な心の通った医療を学びます。

当腫瘍内科学教室では、主に食道、胃、大腸、肝、胆道、膵などの消化器がん、原発不明がんを扱います。

教育の特色

腫瘍内科学では、上記の固形がん患者に対する薬物療法を専門的に行っており、薬物療法の適応、最適な薬剤、有効性と安全性の評価、緩和ケアへの移行のタイミングなど薬物療法を行う上で必要な知識の基礎から応用を学びます。最新臨床試験データやエビデンスについては、抄読会で知識を習得し、議論を通じて理解を深めます。さらに、カンファレンスにより、個々の患者さんの状態に応じた適切な治療を進行度だけでなく、年齢、全身状態、合併症、さらに社会的な背景を考慮することで、最適な治療選択の方法を学びます。

社会的活動

日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)、日本肝胆膵オンコロジーネットワーク(JON-HBP)、西日本がん研究機構(WJOG)などの臨床研究グループに参加し、新たな標準治療の確立に向けた取り組みをしています。がん患者の支援団体であるパンキャンジャパンやNPO法人キャンサーネットジャパンの活動を支援しています。

がん診療は、地域医療連携が極めて重要です。人事交流や勉強会を通じて近隣の病院やクリニックと緊密に連携しています。

研究テーマ

  1. 消化器がんに対する標準治療の確立
  2. 消化器がんに対する薬物療法のバイオマーカー研究
  3. 高齢がん患者における高齢者総合的機能評価の確立とその応用に関する研究
  4. 新規抗がん剤の早期開発と薬物動態の研究
  5. リアルワールドデータの活用に関する研究

近年の主な業績

日本語の解説・書籍など

  1. 廣中秀一、白尾國昭.13.がんの臨床試験.p141-142, 入門腫瘍内科学 改訂第3版 日本臨床腫瘍学会[編集]
  2. 廣中秀一(編集):消化器ナーシング12. 第29巻12号. 2024年.
  3. 廣中秀一 (分担執筆):胃がん 二次治療 ①weekly PTX+RAM. 消化器がん化学療法副作用マネジメントプロのコツ. 小松嘉人編集. 改訂第3版.株式会社メジカルビュー社.2024. 53-56,
  4. 佐藤太龍,廣中秀一(分担執筆) : 薬物療法 周術期の化学療法.食道癌2024 -基礎・臨床の動向-.日本臨牀 第82巻 増刊号3. 407-412. 2024.
  5. 岸千鶴,長島文夫(分担執筆):セツキシマブ.がん化学療法の薬はや調べノート. 上野誠, 古瀬純司監修. メディカ出版. 117-118.2025.
  6. 岸千鶴,長島文夫(分担執筆): EGFR抗体パニツムマブ.がん化学療法の薬はや調べノート. 上野誠, 古瀬純司監修. メディカ出版. 121-122. 2025.
  7. 岸千鶴,長島文夫(分担執筆): VEGF抗体ベバシズマブ.がん化学療法の薬はや調べノート. 上野誠, 古瀬純司監修. メディカ出版. 134-135. 2025
  8. 岡野尚弘 (分担執筆) : ゲムシタビン. がん化学療法の薬はや調べノート. 上野誠, 古瀬純司監修. メディカ出版. 2025. 47-48.
  9. 岡野尚弘 (分担執筆) : バンデタニブ. がん化学療法の薬はや調べノート. 上野誠, 古瀬純司監修. メディカ出版. 2025. 65-66.
  10. 岡野尚弘 (分担執筆) : ドセタキセル. がん化学療法の薬はや調べノート. 上野誠, 古瀬純司監修. メディカ出版. 2025. 69-70.
  11. 岡野尚弘 (分担執筆) : レゴラフェニブ. がん化学療法の薬はや調べノート. 上野誠, 古瀬純司監修. メディカ出版. 2025. 196.
  12. 岡野尚弘(分担執筆) : エヌトレクチニブ. がん化学療法の薬はや調べノート. 上野誠, 古瀬純司監修. メディカ出版. 2025. 212-213.
  13. 岡野尚弘(分担執筆): オラパリブ. がん化学療法の薬はや調べノート. 上野誠, 古瀬純司監修. メディカ出版. 2025. 230-231.
  14. 岡野尚弘(分担執筆):当院における進行肝細胞癌に対するデュルマルマブ・トレメリムマブ併用療法の使用経験. デュルバルマブ・トレメリマブ併用療法による肝細胞癌治療. 工藤正俊監修. アークメディア. 2025. 166-170.