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小児科学教室

教室専任教員

教授 楊 國昌
准教授 吉野 浩
講師 保崎 明 野村 優子 保科 弘明
  西堀 由紀野 細井 健一郎
助教 福原 大介 山下 裕子 麓 聖子
  荒井 清美 高木 永 山本 明日香
  大越 陽一 木内 善太郎 朝倉 誉子
  金沢 真希子 宮澤 永尚

教室概要

小児科学教室は、こどもたちの健康のために、全人的かつ包括的医療を提供できる医師を育成することを目標にしています。
診療部門は、一般診療部門と、総合周産期母子医療センター内の新生児・未熟児集中治療室(NICU)および後方病床(GCU)部門に分かれています。教室員は、両部門の専任、兼任、あるいはローテーションとして勤務し、常に各専門領域の最新の技術に接することができる環境にあります。また、全教室員が参加する医局会や症例カンファランスにより、お互いのコミュニケーションや最新の医学知識の習得に努めています。
NICU・GCU専任医師も一般外来診療を行っており、超低出生体重からキャリーオーバーした成人までを含む幅広い年齢を対象にした総合診療を行っています。
一般診療部門は、東京都の多摩地区および23区の西部地区にまたがる医療圏の1・2次、3次救急医療と臓器別専門医療を平行して担っていることを特徴としています。一般病棟における疾患の種類としては、大学病院ならではの白血病、神経芽腫などの悪性腫瘍、先天性複雑心奇形、難治性神経疾患、難治性腎疾患、膠原病などはもとより、気管支喘息、咽・喉頭炎などの上気道炎から特異な経過をとる急性脳症、肺炎、気管支炎、乳幼児下痢嘔吐症などの感染症もあり、高度医療から一般の日常医療までを経験することができます。多臓器不全や急性腎不全に対しては、積極的な血液浄化を行っています。血液・固形腫瘍等については、高度無菌病床1床、中等度無菌病床2床を有し、化学療法のみならず造血幹細胞移植を実施しています。
NICU・GCU部門は、多摩地区で最初に認可を受けた総合周産期母子医療センター内にあり、それぞれ15床と24床を擁し、24時間365日ハイリスク新生児の入院管理を行っています。当院の産婦人科学教室所属の母体・胎児集中治療管理部門(MFICU)および小児外科学ほかの教室と密接な連携を取り、子供達の救命はもとより、退院後の高いQOLを目指しています。
研修に関しては、卒後2年間の前期臨床研修プログラムを終了して小児科に入局すると、小児科の専門医になるための小児科専門研修が始まります。3年間の小児科専門研修を修了すると日本小児科学会専門医試験の受験資格が得られます。



研究グループ及び研究課題

臨床研究棟に位置する当教室の研究室内には、分子生物学、タンパク質化学、動物実験、遺伝子探索を行うために必要な設備が設置されています。また、研究棟内の共同研究部門に装備されている質量解析装置、次世代型シーケンサー、電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡を使用することができます。当教室では、医員や大学院生がこれらの設備を使用して、これまで数多くの国際レベルの成果を発表してきました。現在の研究テーマは、殆ど全ての臓器機能の維持、障害の原因に関わる可能性のある新規分子群について、機能の解明を行うことです。タンパク質のユビキチン化をコントロールする分子(USP40)、遺伝子発現を制御する環境因子(エピジェネティクス)として機能する分子(NSD3)については、ノックアウトマウスを樹立し、多くの臓器発生や機能維持に関わるこれらの生物学的役割の解明を行っています。さらに、当教室の研究グループは、糖質ステロイドにより誘導される新規分子(GLCCI1)は、未だ明らかでない糖質ステロイド作用の下流に根幹的に関わる分子であることを明らかにしました。このGLCCI1とその相互作用分子の変異や一塩基多型が、糖質ステロイドの感受性に関わることを仮説として、現在多施設から多くのネフローゼの患者さんの血液をご提供頂いて、解析を急いでいます。さらに、この分子の機能を足場として、副作用の少ない糖質ステロイド代替薬の創薬化研究を、京都大学薬学部との共同研究で行っています。
これらの教室全体の研究テーマの他に、下記のように各研究グループは、独自のテーマについて研究を行っています。

腎臓・膠原病

腎糸球体特異的蛋白分子の新規機能発現障害モデルの確立と、これに対する各種免疫抑制薬の薬理作用機序の解明をテーマとして研究活動を行っています。特に、これらの障害に果たす糖質ステロイドやシクロスポリン、ミゾリビンなどいわゆる免疫抑制薬の未知の薬理作用を同定することを研究しており、薬理学教室とも密接な協力関係にあります。

循環器

システム生理学の観点からの研究を行っています。先天性心疾患の冠血流動態の研究、Windkessel Modelを用いた先天性心疾患の肺循環解析、カオス理論を用いた心拍変動解析などを行っています。また川崎病に関する疫学調査にも積極的に参加しております。さらに、川崎病の血管炎の新規バイオマーカーの探索を行っております。

血液・腫瘍

臨床検査医学教室と共同で、DNAチップを用いた白血病や神経芽腫を始めとする小児がんの遺伝子プロフィルの解析、小児がんの疫学研究などを計画しています。

神経

発達障害、虐待を研究のメインテーマとしています。
発達障害、特に軽度発達障害の子どもの地域療育には地域の療育施設、保健センター、(子育て)支援センターと医療との連携が不可欠です。地域において支援を必要としている子どもたちをどのように把握し、どのような対処が必要か、またさらにそれらの子どもたちと教育との連携をどのようにするか、医療と教育のネットワーク構築を検討しています。
虐待は小児科の一疾患であるといわれており、現代の大きな問題となっています。三次救急を担う医療機関として、事故やSIDSと虐待死の鑑別、ネグレクト、代理によるミュンヒハウゼン症候群などの現状把握を行い、院内および関係機関との連携に取り組んでいます。

未熟児・新生児

人工換気による肺損傷の発生機序に関する研究で、動物実験をおこなっています。新生児領域における高頻度振動換気法(HFO)は、脆弱な肺に対し侵襲の少ない換気法として導入され、重症例の救命および合併症の軽減に効果があると考えられています。しかし、臨床的な効果は明白ではありますが、HFOによる肺損傷軽減の機序の解明は十分になされてはおりません。言い換えれば人工換気すなわち従来の換気法(CMV)による肺損傷の機序は明確ではありません。このCMVによる肺損傷の発生機序を、家兎の未熟肺や洗浄肺モデルを用いて、損傷の少ないHFOとの比較を行うことで明らかにしています。これまでの研究で、CMVによる肺損傷に多核白血球が重要な役割をしており、PAFなどのメディエータ、IL-8やTNFなどのサイトカインが関与していることを示しました。また、CMVにおける換気後の肺洗浄液中TNF の由来を検討し肺胞に浸潤した多核白血球に由来することを示しました。現在、核内転写因子(NFκ-β、AP-1)などに関し検討を行っています。

近年の主な業績

  1. Yan K, Ito N, Nakajo A, Kurayama R, Fukuhara D, Nishibori Y, Kudo A, Akimoto Y, Takenaka H: The struggle for energy in podocytes leads to nephrotic syndrome. Cell Cycle 11:1504-1511, 2012.
  2. Ito N, Nishibori Y, Ito Y, Takagi H, Akimoto Y, Kudo A, Asanuma K, Sai Y, Miyamoto KI, Takenaka H, Yan K: mTORC1 activation triggers the unfolded protein response in podocytes and leads to nephrotic syndrome Lab Invest 91:1584-1595, 2011.
  3. Kurayama R, Ito N, Nishibori Y, Fukuhara D, Akimoto Y, Higashihara E, Ishigaki Y, Sai Y, Miyamoto K, Endou H, Kanai Y, Yan K: Role of amino acid transporter LAT2 in the activation of mTORC1 pathway and the pathogenesis of crescentic glomerulonephritis. Lab Invest 81:992-1006, 2011.
  4. Sekine Y, Nishibori Y, Akimoto Y, Kudo A, Ito N, Fukuhara D, Kurayama R, Higashihara E, Babu E, Kanai Y, Asanuma K, Nagata M, Majumdor Å, Tryggvason K, Yan K: Amino acid transporter LAT3 is required for podocyte development and function. J Am Soc Nephrol 20:1586-1596, 2009.
  5. Shimizu M, Khoshnoodi J, Akimoto Y, Kawakami H, Hirano H, Higashihara E, Hosoyamada M, Sekine Y, Kurayama R, Kurayama H, Jyo K, Hirabayashi J, Kasai K, Tryggvason K, Ito N, Yan K: Expression of galectin-1, as a new component of slit diaphragm, is altered in minimal change nephrotic syndrome. Lab Invest 89:178-195, 2009.

当教室の詳細は、小児科学教室の ホームページを御覧下さい。

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