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小児科学教室

教室スタッフ

教授 岡 明 楊 國昌
准教授 吉野 浩
講師 野村 優子 保崎 明
助教 保科 弘明 西堀 由紀野 清水 マリ子
  山下 裕子 中村 由紀子 細井 健一郎
  弦間 友紀 荒井 清美 小林 智恵
  倉山 亮太 福原 大介 鈴木 善太
  伊藤 紀子

小児科は、超未熟児からキャリーオーバーした成人までを対象にした小児に対する総合診療を行う一方、小児科としてカバーすべき全ての領域について、外来および病棟での診断・治療における最先端の医療を提供しています。小児内科としての小児科固有の疾患の診療のみならず、身体部分の異常についても、常にそれらの疾患診療の入り口に当たる診療科として、全身の評価の下に、個別の診療に必要な専門科と連携しつつ包括的医療を行っています。

一般病棟における疾患の種類としては、大学病院ならではの白血病、神経芽腫などの悪性腫瘍、先天性複雑心奇形、膠原病などはもとより、気管支喘息、咽頭炎などの上気道炎から特異な経過をとるまれな肺炎、気管支炎、ロタウルス感染症、乳幼児下痢嘔吐症などの感染症もあり、研修病院としても大学内だけで高度医療から一般の日常医療までを経験することができます。血液・固形腫瘍等については高度無菌病室1室、中等度無菌病床2床を有し、化学療法のみならず造血幹細胞移植を実施しています。

また、多摩地区唯一の総合周産期母子医療センターを擁し、NICU(15床)で24時間365日ハイリスク新生児の入院管理を行っています。

研修に関しては、卒後2年間の前期臨床研修プログラムを終了して小児科に入局すると、小児科の専門医になるための後期臨床研修が始まります。3年間の後期研修を修了すると日本小児科学会専門医試験の受験資格が得られます。



研究グループ及び研究課題

小児科は対象が小児であるということを除いて、内科と同じ領域をカバーしています。従って、研究の面では、各臓器に関するテーマが研究課題として存在していることは当然ですが、更に小児科には周産期の問題、特にその内で新生児に関する問題も重要な研究課題として存在しています。

現在、研究グループとしては、循環器学、血液・腫瘍学、腎臓学、アレルギー学、免疫・膠原病学、神経学、新生児学のグループ゚が活動しています。それぞれは独自のテーマを追求すると共に、得意とするテクニックを他のグループに提供するなど、横の連絡も密であります。更に、小児科内部のつながりのみならず、基礎研究室とのつながりも密であり、臨床材料の提供を軸に、解剖学教室、薬理学教室、臨床検査学教室その他の教室とも協同研究を実施しています。


以下に各研究グループの概要を示します。

循環器学

システム生理学の観点からの研究を行っています。先天性心疾患の冠血流動態の研究、Windkessel Modelを用いた先天性心疾患の肺循環解析、カオス理論を用いた心拍変動解析などを行っています。また川崎病に関する疫学調査にも積極的に参加しております。


血液・腫瘍学

現在、血液・腫瘍学グループの仕事しては、臨床研究が主体でありますが、臨床検査医学教室と共同で、DNAチップを用いた白血病や神経芽腫を始めとする小児がんの遺伝子プロフィルの解析、小児がんの疫学研究などを計画しています。


腎臓

腎糸球体特異的蛋白分子の機能発現障害モデルの確立と、これに対する各種免疫抑制剤の薬理作用機序の解明をテーマとして研究活動を行っています。腎グループは、糸球体ポドサイト特異的蛋白分子のポドサイト内蛋白輸送系に影響を与えうる障害系すなわち酸化ストレス、エネルギー涸渇などの小胞体障害、また低酸素などによるミトコンドリア障害を、各種分子生物学的手技に加え、共焦点顕微鏡を用いた免役蛍光抗体法を駆使してin vitro およびin vivoで明らかにしつつあります。さらに、この障害に果たす糖質ステロイドやシクロスポリン、ミゾリビンなどいわゆる免疫抑制剤の未知の薬理作用を同定することを平行して研究しており、薬理学教室とも密接な協力関係にあります。


神経

発達障害、虐待を研究のメインテーマとしています。

発達障害、特に軽度発達障害の子どもの地域療育には地域の療育施設、保健センター、(子育て)支援センターと医療との連携が不可欠です。地域において支援を必要としている子どもたちをどのように把握し、どのような対処が必要か、またさらにそれらの子どもたちと教育との連携をどのようにするか、医療と教育のネットワーク構築を検討しています。

虐待は小児科の一疾患であるといわれており、現代の大きな問題となっています。三次救急を担う医療機関として、事故やSIDSと虐待死の鑑別、ネグレクト、代理によるミュンヒハウゼン症候群などの現状把握を行い、院内および関係機関との連携に取り組んでいます。


未熟児・新生児

人工換気による肺損傷の発生機序に関する研究で、動物実験をおこなっています。新生児領域における高頻度振動換気法(HFO)は、脆弱な肺に対し侵襲の少ない換気法として導入され、重症例の救命および合併症の軽減に効果があると考えられています。しかし、臨床的な効果は明白ではありますが、HFOによる肺損傷軽減の機序の解明は十分になされてはおりません。言い換えれば人工換気すなわち従来の換気法(CMV)による肺損傷の機序は明確ではありません。このCMVによる肺損傷の発生機序を、家兎の未熟肺や洗浄肺モデルを用いて、損傷の少ないHFOとの比較を行うことで明らかにしています。これまでの研究で、CMVによる肺損傷に多核白血球が重要な役割をしており、PAFなどのメディエータ、IL-8やTNFなどのサイトカインが関与していることを示しました。また、CMVにおける換気後の肺洗浄液中TNF の由来を検討し肺胞に浸潤した多核白血球に由来することを示しました。現在、核内転写因子(NFκ-β、AP-1)などに関し検討を行っています。


近年の主な業績

  1. Nakajo A, Khoshnoodi J, Takenaka H, Hagiwara E, Watanabe T, Kawakami H, Bessho F, Takahashi S, Swiatecka-Urban A, Tryggvason K, Yan K: Mizoribine corrects Nephrin Biogenesis by Restoring Intracellular Energy Balance. J Am Soc Nephrol 18: 2554 ミ2564, 2007.
  2. Fukuhara D, Kanai Y, Chairoungdua A, Babu E, Bessho F, Kawano T, Akimoto Y, Endou H, Yan K: Protein Characterization of Na+-Independent System L Amino Acid Transporter 3 in Mice: A Potential Role in Supply of Branched-Chain Amino Acids under Nutrient Starvation. Am J Pathol 170:888-898, 2007.
  3. Fujii Y, Khoshnoodi J, Takenaka H, Hosoyamada M, Nakajo A, Bessho F, Kudo A, Takahashi S, Arimura Y, Yamada A, Nagasawa T, Ruotsalainen V, Tryggvason K, Lee AS, Yan K: The effect of dexamethasone on defective nephrin transport caused by ER stress: A potential mechanism for the therapeutic action of glucocorticoids in the acquired glomerular diseases. Kidney Int 69:1350-1359, 2006.
  4. Morimoto A, Ikushima S, Kinugawa N, Ishii E, Kohdera U, Sako M, Fujimoto J, Bessho F, Horibe K, Tsunematsu Y, Imashuku S; for the Japan Langerhans Cell Histiocytosis Study Group: Improved outcome in the treatment of pediatric multifocal Langerhans cell histiocytosis. Results from the Japan Langerhans Cell Histiocytosis Study Group-96 Protocol Study. Cancer 107:613-619, 2006.
  5. Shirahata A, Ishii E, Eguchi H, Okawa H, Ohta S, Kaneko T, Konishi S, Sako M, Sekine I, Takahashi Y, Taki M, Tsuchiya S, Fujisawa K, Bessho F, Horikoshi Y, Mimaya J, Akatsuka J, Miyazaki S; ITP Committee of the Japanese Society of Pediatric Hematology: Consensus guideline for diagnosis and treatment of childhood idiopathic thrombocytopenic purpura. Int J Hematol 83(1):29-38, 2006.

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