大学ホーム医学研究科教育・研究指導研究室・研究グループ整形外科学教室

研究室・研究グループ紹介:整形外科学教室

整形外科学は頭頚部を除くほぼ全身の運動器、すなわち骨、関節、靭帯、筋、脊椎・脊髄/末梢神経の生理および病的状態を学問の対象としております。脊椎脊髄、関節、骨/軟骨代謝、腫瘍など多岐にわたる臓器や病態の解析のために形態計測、バイオメカニクス、神経生理学、分子細胞生物学などの多様な研究手段が用いられます。

各研究グループの紹介

当教室の研究テーマは、脊椎脊髄、骨代謝、関節疾患および腫瘍性疾患の4つがあります。各分野をリードする先端的研究指導者が研究成果を国内外に発信しております。

脊椎脊髄

脊髄神経生理

~安全、確実な脊椎脊髄疾患の治療をめざして~

従来、脊椎脊髄手術の合併症として術後麻痺が大きな問題となっていました。1970年代以降、脊髄機能診断学の発展は、術中脊髄モニタリングとして安全な脊椎脊髄手術に貢献しております。世界をリードするこの分野の中心人物の一人が第三代教授の里見和彦先生です。

当研究班は、臨床研究課題として術中脊髄モニタリングの信頼性向上に関する研究と、基礎研究課題として脊髄損傷後神経麻痺の機能代償機構の研究を行っています。双方とも安全、確実な脊椎脊髄疾患の治療をめざす重要分野であると考えています。

脊髄運動生理

基礎系教室(統合生理学教室)の研究者とコラボして、独自の研究装置を作製し、脊髄症患者の上肢の運動機能評価を行っている。臨床に直結する研究であり、治療前後での評価も可能としている。多くの研究者が学会発表と論文を国内外に産出している。

骨代謝

現在当研究室で最も注目しているのは上皮小体ホルモン(PTH)の骨折治癒への応用を目的とした基礎研究です。家兎の骨折モデルにおいて、PTH が仮骨のリモデリングや力学的強度の増強に有効に働くことがわかりました。この研究成果は権威ある米国骨代謝学会の Young Investigator Award 受賞(2007年、丸野助教)という形で国際的に評価されました。現在、臨床応用に必要な基礎的データの収集や、同実験モデルを他の骨代謝疾患の病態解析に応用することを課題としております。

また、新しい骨粗鬆症治療薬の治験や新しい骨代謝マーカーの臨床応用、さらに脊椎圧迫骨折に対する保存療法、手術療法を含む新たな治療体系の構築など臨床研究にも積極的に取り組んでいます。

関節

(膝)

3次元画像装置を用いた形態解析を軸にバイオメカニクスを考慮した新しい人工膝を2009年9月開発しました。現在、臨床症例は50をこえ、成績も安定しており、特に膝の可動域の改善が認められます。2010年はこの人工膝関節の動作解析を開始する予定です。また、ポリエチレンの磨耗に対する新しい素材の開発に着手しており、長期成績の向上につながる研究を行っています。

(肩関節)

膝、肩関節鏡視下手術での再建靭帯の固定材料に吸収性インプラントである PLLA、HA を用いてきており、これらの画像所見を中心とした解析と力学的強度の研究を行い、今後は臨床に有用な材料の開発を目指しています。

(股関節・小児)

当班では変形性股関節症の治療法の一つである人工股関節置換術(以下THA)に着目し、股関節部の形態、人工物と骨との固着状態、固着後の骨質の変化を研究しています。また近年THA後の重篤な合併症である深部静脈血栓症/肺塞栓の発症メカニズムも解析しています。

腫瘍

骨軟部腫瘍はいまだその増殖、分化のメカニズムが系統だてて解明されているわけはありません。当研究班では脂肪系腫瘍の分化マーカーに注目し、その発現を軟部腫瘍において解析することで、効果的な治療ターゲットの同定を試みております。

近年骨軟部悪性腫瘍の治療成績は系統的化学療法の適応で著しい向上を得ることができました。当研究室では抗癌剤の腫瘍細胞に対する分子機構を解析し、より副作用が少なく、効果的な抗癌剤投与の方法の確立を目指しています。

大学院の指導方針

近年多くの臨床系教室において、基礎的要素の強い研究が好んで選択される傾向にありますが、当教室においては豊富な日常の臨床的経験から発生した疑問、問題点を実践的に解明する臨床系教室の原点ともいえる特徴を生かした研究の実践を目標とし、研究の臨床的意義を常に意識することでその成果を病に苦しむ患者さんの治療に還元できることを目指します。

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