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精神神経科学教室は、多摩地区で唯一の大学病院の精神神経科本院として、うつ病、双極症、不安症、統合失調症、睡眠障害など多岐にわたる精神科診療をオールラウンドに行っています。
当教室では医学部3年生に、主要な精神疾患の概略、各々に特徴的な症状と診断のつけ方、基本的な治療法について講義します。また、4年生から始まる臨床実習では、当科の病棟や外来における実際の診療はもちろん、精神科救急やコンサルテーション・リエゾン精神医療についても教示しています。これらを通じて、精神疾患の診断や治療について基本的な知識を獲得すること、精神保健福祉法や当事者を取り巻く社会的な背景を理解すること、良好な関係性を築くためのコミュニケーションが取れるようになることを目的としています。
当教室は多摩地区精神神経科における中心的役割を担うべく、次のような活動を行っています。
当教室では下記のようなテーマで研究を行っています。学内だけでなく、関連病院を中心に多くのリサーチフィールドを持っております。大学院生は指導者とともに研究をすすめながら、国内外の学会での発表、海外の専門誌に投稿を行い、学位取得を目指します。本学には社会人大学院制度もありますので、ご興味のある方は是非一度ご連絡(psychiatks.kyorin-u.ac.jp)いただければと思います。
当教室が強みにしている気分障害、特に難治性うつの診療を通し、「なかなか良くならないうつ」の背景にはどのような要因が隠れているか、それを突きとめるにはどのような評価や検査をするべきか、研究しています。また、2022年度からは治療抵抗性うつ病に対するケタミンの臨床研究を行い、詳細な効果や、血液中代謝物質の変化と効果との関連を検証してきました。2025年度からは、双極症の抑うつ状態におけるケタミンの有効性を検証する研究にも着手し、さらなる治療選択肢の拡大を目指しています。
現在、うつ病の方を対象に、エスケタミンの研究をしております。ご興味のある方は、psychiatks.kyorin-u.ac.jp までご連絡ください。
当教室では、患者さんの症状を改善させるだけでなく、患者さん一人一人が社会で再び活躍できるようになることを目指しています。多くの医局員が嘱託産業医に従事しており、うつ病などの精神疾患を有する患者さんが退院後に就労するには、どのような要因が大事かを検証する研究も行っています。また、うつ病を抱えながらも働く患者さんに休職・復職の判断がどのようになされているか、全国的に調査しています。
睡眠診療のクラウドデータベースを用い、精神疾患を有する患者さんが睡眠の治療をどれくらい適切に継続できているかを調査しています。さらに、神経発達症にはしばしば睡眠覚醒リズムの障害が合併しますが、入院加療によって、どこまで生活リズムや行動量が改善するのか、当教室が日本語版を開発した評価尺度も用いて検証しています。
当教室は、日本うつ病学会と深く関わり、うつ病や双極症の治療ガイドラインを作成する核となっています。また、うつ病や統合失調症の治療ガイドラインを全国的に普及させるプロジェクト(EGUIDEプロジェクト)の中心的役割を担っており、診療の質に関する研究も行っています。さらに、日本臨床精神神経薬理学会の専門研修施設であり、日本精神神経科診療所協会と合同で双極症研究を行ったり、各種疾患のエキスパートコンセンサスを発信したりしています。
上記に加え、我々は積極的に他の医療機関や当事者およびご家族を支援する団体と連携し、数々のプロジェクトを進めております。人口知能(AI)を利用したオンラインメンタル評価、インターネットを介した遠隔認知行動療法、うつ病における遠隔評価と対面評価の比較、患者さんと医療者の共同意思決定(SDM)による効果の検証、うつ病の当事者向けガイドや治療意思決定支援冊子の作成など幅広い分野に及びます。