「ことば」について研究している人はいつも他動詞とか自動詞について考えていたり、受動態と能動態がどう違うのかなど実際に本当に役立ちそうにもない難しいことばかり考えているし、どうも気むずかしそうな人ばかり、そんな印象を受けることがあります。ですが、「ことば」について考えることは本当はもっと楽しく、そしてわくわくするものなのです。そうした知的なおもしろさを「言語景観」という研究を通して知ってもらうのがこの講義の目的です。特に、日本と海外の街で見られる案内表示を比較すると、それぞれの国が抱えている問題、考えていること、国民性というものが浮き彫りになってきます。日本と海外の事例を比較することで、ことばと文化について理解をするきっかけとなり、普段街を歩く度に、ついつい看板に書かれた言語について考えたり、外国だったらどんな感じなんだろう?など、ことばについて考えてしまう、そんな講義にしてみたいと思います。