現在は「特定の顧客層の熱狂的支持によって結果的に高額な、または価格競争に巻き込まれにくい、価格(の安さ)では選ばれない製品やサービスを扱うビジネスのしくみ」をテーマとしています。この領域は、「わざわざお金をかけて移動する」観光行動とよく似ています。そこで私たちは、いわゆる高級ブランドと言われる企業の事例を取り上げ、彼らが長い歴史をかけて“大事にし続けているもの”は何か、それをどのように伝えるから顧客の心が動くのか、などを徹底的に“深掘り”します。この“深掘り”には、経営学的(科学的)考察と同時に情緒的観念的な考察を大切にしています。観光には、このように普段見えていないものを見せてくれる、重要な役割があると考えることができます。
できるだけ前例の踏襲や模倣をせず、ゼロから生み出すゼミづくりを心掛けています。学生たちは自分たちで目標を定め、協力いただける企業様に直接アプローチをするところから、何をどのように進めるべきかをゼロベースから考え抜かざるを得ない環境でお互いを磨き合っています。その実践のためにも、春学期には愛読書や映画のプレゼンテーションを通して自己理解と他己理解にじっくりと時間をかけます。ゼミの専門領域に関する文献の輪読に挑戦する一方で、テーマに関する企業のイベントや展覧会には積極的に出かけます。そこで何を見て何を感じたかをできる限り言語化し持ち寄ることを習慣とすることで、その蓄積がチームの原動力になっています。
観光交流文化学科
講師 大熊 美音子
今までに涙が出るほど心が揺さぶられたことは何ですか。それはなぜですか。サンテグジュペリの『星の王子さま』の一節に「大事なことは目に見えない」とあります。情報の洪水の中で、見えているものを見るだけでも大変な時代ですが、表面には見えていない本質的なものを心の眼で見ようとすることや、感動で心が打ち震えることは人間にしかできません。ICTへの適応力と同時に、心の眼を養うことはとても重要です。観光は、どのような産業にも接点を持つ懐の大きな学びです。観光を学ぶことは世の中にワクワクを見つけ出す力を養うことでもあると言えます。
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世の中に溢れる製品やサービスの価値について深く知りたいという思いから、このゼミを選びました。コスパの良いものがたくさんある中で、消費者がわざわざ値段の高いものを購入したり、そもそもそのような製品が存在している意味は必ずあると感じ、その仕組みについてこのゼミで学んでいこうと決めました。また、ゼミの研究内容が観光の分野だけに限られたものではないというのも、このゼミを選んだ理由の1つです。観光交流文化学科に所属していながらも、広い視野で観光分野以外にも通じることを学べるというのは大熊ゼミならではの魅力だと思います。
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同じ分野に興味を持った者同士、どこか通ずるものがありながらも、それぞれ自分なりのこだわりを持っている学生が集まっている気がします。またゼミ日記というものがあり、ゼミ生同士が繋がる1つの材料になっています。これは毎回のゼミが終わった後に、その日の活動を振り返って自身が感じたこと、考えたことを綴ってゼミ生同士で共有し合うものです。他の人のゼミ日記を読むとどんなことを考えているのかが分かり、一人一人のことをよく知れるきっかけになります。
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色々と気になる業界はありますが、根底にあるのは自分の力で誰かにホスピタリティやサービスを提供できる仕事がしたいという思いです。その際により多くの人とコミュニケーションを取れるようになるためにも、語学系の検定試験の勉強には力を入れています。
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大学は高校までとは違い、自分の興味・関心があることについて好きなだけ突き詰めていくことのできる場です。現時点で特に興味のあることが無くても、大学で多くのことを学んでいく中で自分の好きなことや将来やりたいことが自然と見つかるはずです。私自身も杏林大学に入ってから、自分が何に関心があるのかが徐々に分かるようになってきました。杏林大学での幅広い学びを通して、是非皆さんの将来に繋がることを見つけてみてください。
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大熊先生のゼミは今年度初めて開講されるということで先輩にもどんな内容を行うゼミなのか具体的に分からなかったのですが、大熊先生のゼミナール紹介の中に「特定の顧客層の熱狂的支持によって結果的に高額な製品・サービス」または「価格競争に巻き込まれにくい製品・サービス」というのに興味を持ちました。私自身、テスラやBTSを輩出しているHYBEがなぜ人々は引き付けられるのかという素朴な疑問が学問的に解けるのではないかと考えたからです。
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私たちのゼミナールはワイワイして楽しく盛り上がるゼミナールではないですが、協力して一つのものを目指す仲間です。研究はグループになって各自調べたい企業、施設について議論、調査を行います。それぞれ調べてくるものを分担して共有します。それぞれの情報が線になって図形にしていく過程が非常に活発で楽しいです。現在、私の地元の遊園地を研究対象としているのですが、様々な角度から見た新たな魅力というのもが自分たちの力で表現できるのはこのゼミナールの最大の魅力です。
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特にこの業界に行きたいというのが決まっていないので、企業セミナーなどに参加して考えている段階ですが、視野に入れているのが不動産、金融、IT系です。大学に入学する前は旅行会社や航空業界を考えていましたが、宿泊産業の授業を履修した時、非常に興味深く、不動産業界は観光業界の一部でもあるため、挑戦してみたいと思いました。取得したいと考えている資格はIT系にも就職したいと考えているので、ITパスポート、基本情報技術者の資格です。また、就活に向けてSPI、IT系ならCAB対策も合わせて勉強しています。
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私は杏林大学に入ってから考え方、やってみたいことが大きく変わった気がします。面白い授業が多いですし、クラスも少人数制で友達も作りやすいと思います。また、語学にも力を入れていて英語サロンや中国語サロンでは、ネイティブスピーカーの先生と会話でき、自分の語学力を日本にいながら高めることも可能だと思います。自分の可能性を十分に広げられる大学だと思うのでこの大学で新しいことに挑戦して楽しい学生生活を楽しんでください。