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英語学科 齋藤ゼミナール

学んでいる内容(研究テーマなど)

私は哲学科の出身で、もともとは近代以降のドイツ哲学を研究していましたが、やがて教育思想にまで研究の幅を広げ、現在に至っています。

19世紀のドイツは「哲学の荒れ狂った時代」(哲学史家ザフランスキーの言葉)であり、さまざまな哲学者がそれぞれに独創的な哲学体系を打ち立てて対峙し、知的にスリリングな空間を形成していました。どの哲学者も、われこそは世界と人間の秘密を解き明かしてみせるという意気込みで仕事をしています。したがって、人間による認識の可能性とその限界、道徳、政治、美と芸術、言語、宗教など、人間的営みのあらゆる領域が探究の対象となっています。この時代の哲学を研究していると、人間の知的創造性の限りなさに尽きない興味を覚えます。そこで闘わされている議論はみな容易に答えの出るものではありませんが、だからこそ研究する価値があると私は考えています。容易には答えが出ない問い、それどころかそもそも答えを出すことなどできないかもしれない問いに、それでも臆せず挑むことが哲学なのだ、と私は19世紀の哲学者たちから教えられました。

そしてこの時代は、さまざまな教育思想が花開いた時期でもありました。子どもたちをいかに教育すべきかという問題は、子どもとは何か、ひいては人間とはどのような存在なのかという問いと当然ながら結びついています。そしてそれは、すぐれて哲学的な問いでもあります。ですからこの時代の教育思想は、同時代の哲学と共闘したり対立したりしながら展開してゆきました。私の研究領域が教育思想にまで及んだのは、いま考えれば当然の成り行きだったのかもしれません。

ゼミの特徴

私のゼミナールでは、教育を哲学的・思想的に研究しています。たとえば、「教育とは子どもをよりよくする営みである」と言われれば、それを否定する人はまずいないでしょう。ですが、「よりよくする」とはどういうことでしょうか。もっと端的に言えば、「よい」とはどういうことでしょうか。こうしたことを解明しないまま「子どもをよりよくする」と言っても、実はその内容は曖昧なままに留まります。そうであるならば、まずは「よい」とはどういうことかを解明しようとするのが、教育を哲学的に捉える態度です。一見あたりまえで、ふつうは探求の対象とならないような教育についての考えに対して、「本当はそれは何を意味しているのか」、「本当にそれは正しいのか」といった問いを携えながら探求の眼差しを向ける営みが私の考える教育哲学です。私のゼミは、こうした問いが問うに値するものであると思える学生たちの共同体でありたいと考えています。

受験生の皆さんへ向けたメッセージ

英語学科
教授 齋藤 智志

私はゼミナール以外では主に教職課程の授業を担当していますので、特に教師志望の皆さんに向けてメッセージを語りたいと思います。

本学科では英語教師を養成しています。いま英語教師に大きな期待が寄せられていることは、高校生の皆さんもご存じでしょう。日本はグローバル化にいっそう舵を切ろうとしており、それを推進する人材を育成するために、学校での英語教育の改革が急ピッチで進もうとしています。そしてそのために、その改革を担うすぐれた英語教師が求められています。したがって、教師としての力量があれば、活躍の場は日本中にあるはずです。実際、本学科卒業生は日本各所で教師として活躍しています。ですから教師志望の皆さんには、ぜひとも大学時代に教師としての力量を高めてほしいと思います。本学科、そして井の頭キャンパスには、そのためのカリキュラムと環境が用意されています。本気で教師になりたいと考えている皆さんに、私たちはサポートを惜しみません。教師になるという同じ志を持った仲間たちと本学井の頭キャンパスでともに学ぶ4年間を過ごしてみませんか。

英語学科教授 齋藤 智志

英語学科 渡辺紗由さん

このゼミナールを選んだ理由は?

齋藤ゼミナールを選んだ理由は、二つあります。一つ目は、論理的な説明をできるようになりたかったからです。授業内では、教育哲学に関する本を読み、ディスカッションを行います。例えば、「教育はなぜ必要とされているのか」といった内容に基づいて、教員と学生が話し合います。ディスカッションでは、自分の考えを相手が納得できるように簡潔に話さなければなりません。さらにその考えに至った経緯も話すことで、より論理的な説明ができるようになります。

そして二つ目の理由は、教育について考えることで、自己理解を深めたいと思ったからです。私たちは生まれてからずっと学校や地域、家庭で人と交流することで教育され、また誰かを教育してきています。このように自己形成に大きく影響しているであろう教育を見つめることで、今日の私がどのように育てられたかを客観的に判断することができると考えました。実際、ゼミナール内で行う討論を通じて自分の考えが理解できるようになり、自分という人間がもつ価値観を見つめ直すことができるようになったと実感しています。

ゼミの雰囲気はどうですか?

教育哲学をテーマにしているということもあり、物事を多面的に見たり深く物事を考えようとする人が多いように感じます。また、メリハリがしっかりしたメンバーが多く、遊ぶ時は遊ぶ、でも勉強するときは全力で勉強しています。元々少人数のゼミナールですが、現在は4年生と3年生を合わせて合計二人しかいないので、授業は先生と一対一で行っています。その為、他の学生や先生との距離が近いです。特に先生とは、卒業論文の指導からキャリアについてまで、どんな内容でも相談しています。

就職を目指している業界や、取得を目指している資格はありますか?

私は高校時代から英語に力を入れてきました。ですので、就職の際にも英語を生かせる業種に就きたいと考えています。英語を生かすといってもその方法は様々ですが、現時点では外国との交渉を主要とした仕事に就きたいと考えています。また、英語学科での学びの集大成として、TOEICの950越えを卒業までの目標としています。勿論、この数字を達成することが“十分な英語力の証明”にならないのは重々承知の上です。ですから、TOEICの点数を上げることは英語力を向上する手段の内の一つと考えています。

受験生の皆さんへ向けたメッセージ

私は大学に進学する際、消極的な自分を積極的に変えたいと心に決めて入学しました。なぜかというと、私は高校時代まで人との交流を避けていたのですが、それが原因で自分の殻に籠ることが多く、時に息苦しいと感じていたからです。ですから、人との交流を増やせば、自分を見つめ直すきっかけにもなりますし、まだ知らない世界を知れると思い、この目標を立てました。その為、入学後は学園祭実行委員会に入ってみたり、英語の勉強を通じて先生や友達とのコミュニケーションを多くとるように過ごしていました。最初は異性の友人と話すことすらままならず、自己表現の仕方も分かりませんでした。しかし、人と話すことで知らない世界を知ることができたり、自分や人に対して興味を持つようになり「自ら行動を起こすこと」と「人との交流」が楽しいものになりました。今でも戸惑うことはありますが、この4年間を通じてどのようなスタートであっても人は変われることを自分で証明できたような気がしてうれしくもあります。

皆さんが大学生活に何を期待しているかは私には未知数です。ですが、どんな目標であれ、大学という空間で頑張ればその目標は実現できると思います。ですが、一番忘れてはいけないのが“環境”が皆さんを変えたり目標を叶える訳ではありません。“皆さんの行動”がすべてを変えていきます。そして、大学ではその努力を見てくれる人が多くいます。ですから、目標を達成するためには何が必要か、今一度考えてみてください。もし、目標達成に杏林大学が適切であると考え入学するのであれば大歓迎です。入学したら、目標達成のためのどんな機会をも見逃すこと無いように過ごして下さい。

英語学科 村上達哉さん

このゼミナールを選んだ理由は?

「フィーリング」を重視しました。私はもともと答えがないようなことについて人と話すことが好きだったのですが、齋藤先生の他の授業をうけて、齋藤先生のゼミナールではそういったことについて考える時間があると感じたからです。実際、ゼミナールに入った後でもその期待が裏切られるようなことはありませんでした。

ゼミの雰囲気はどうですか?

私の学年はゼミ生が私一人で、先生との1対1の授業ですが、真面目に楽しく行っています。一つのテーマからどんどん話がそれていき、「あれ?何の話だったっけ?」ということもよくあります。funではなくinterest、そういった空気間の中、ゼミは進行しています。

就職を目指している業界や、取得を目指している資格はありますか?

私は英語の教職課程を履修しているため、将来は教職につきたいと考えています。

受験生の皆さんへ向けたメッセージ

外国語学部では1、2年次に多くの必修授業があります。入学後、その多さに少し嫌になってしまうかもしれません。また、自分には必要がないと感じたり、レベルが合わないと感じたりする人もいるかもしれません。しかし、それは、きっとあなたのためになります。「頑張って受けてください」とは、言いません。もし、あなたがそう感じたなら、その気持ちを担当の先生にぶつけてみてください。あなたがなぜそう思うのか、どうしたらあなたが楽しんで授業を受けられようになるのかについて、真剣に考えてくれるはずです。そんな先生方が杏林大学の外国語学部にはたくさんいます。