研究科概要:教育目標・3つのポリシー(新課程)
教育目標
医学研究科は「医学・医療の各領域で指導的な役割を果たすべく、当該領域に関する高度な専門知識・技能を含む豊かな学識を備えるとともに、自立した研究者として研究活動を行うための基本的な研究能力を、自らの研究の実施と論文執筆を通して証明できること」を教育目標として掲げる。
3つのポリシー
入学者受入れの方針 (アドミッション・ポリシー)
医学研究科は、本研究科の理念・目的を理解し、その達成に真摯に取り組む意欲のある人材を求めている。具体的には、次のような資質をもつ学生を求めている。
(1) 求める学生像、資質
- (1-1) 医学・生命科学の研究者として独創的な研究 に取り組む意思を持っている人
- (1-2) 高度な医学的知識と技能を持ち、かつ科学 的な見地に立って臨床医学を極める意思を持っている人
- (1-3) 高度な医学的、科学的基盤に立って社会医学に貢献する意思を持っている人
- (1-4) 将来的に指導的立場に立ち、後進の育成に貢献する意思を持っている人
(2) 求める学習成果
「卒業認定・学位授与の方針」(ディプロマ・ポリシー) 及び「教育課程編成・実施の方針」 (カリキュラム・ポリシー) に定める教育を受けるために必要な、次に掲げる知識・技能や能力を備えた人を求める。
- (2-1) 入学後の修学に必要な基礎学力としての知識や実技能力を有している。(知識・理解・実技能力)
- 専門分野の論文を理解できる英語力と、その内容をまとめる力を持っている。
- 専門分野の基礎知識と、それを説明できる力を持っている。
- (2-2) 知識・技能を活用して、自らの課題を発見し、その解決に向けて物事を多面的かつ論理的に考察することができる。(思考力・判断力)
- (2-3) 自分の考えを的確に表現し、伝えることができる。(表現力)
- (2-4) 医学、医療、人間、自然、文化などに関わる諸問題に深い関心を持ち、社会に積極的に貢献する意欲がある。(関心・意欲)
- (2-5) 積極的に他者とかかわり、多様な人々との対話を通して相互理解に努めようとする態度を有している。(態度・主体性・多様性・協調性)
(3) 入学者選抜の基本方針
本研究科の教育理念・目標に合致した学生を選抜するために、以下の通り入学者選抜を実施する。
- (3-1) 一般入試
- 入学試験(英語および専門科目)、面接試験の成績をあわせて評価する。
- (3-2) 社会人入試
- 入学試験(英語および専門科目)、面接試験の成績をあわせて評価する。
- (3-3) 外国人留学生特別入試
- 入学試験(英語および専門科目)、面接試験の成績をあわせて評価する。
教育課程編成・実施の方針 (カリキュラム・ポリシー)
新課程(2022年4月以降の入学者)
医学研究科は、卒業認定・学位授与の方針に掲げる能力の修得のために、専門科目、共通科目の2つの区分からなる授業科目を編成し、コースワークとリサーチワークを体系的・順次的に組み合わせた授業を実施する。 教育内容、教育方法、評価については以下のように定める。
(1) 教育内容
- (1-1) 社会的責任を果たすことのできる人材の育成のために
- 生命科学・医学研究分野における最新の知見を幅広く修得するための講義を配置する。
- 高い倫理観を身に付けるため、医学研究遂行上必要となる倫理に関する初期教育を行うほか、e-learning教材(eAPRIN)を用いた教育を行う。
- (1-2) 専門知識と技術の修得のために
- 専門領域の知識と技術を修得するため、講義、演習、実験・実習科目を体系的に配置する。
- 専門領域の最新の知見を修得するため、学会・論文抄読会等への参加を推奨する。
- (1-3) 専門分野の情報収集と分析技法の修得のために
- 情報収集能力およびその分析技法を修得するため、医学文献収集管理の技術や実験データのデジタル画像処理・解析法の講義を配置するとともに、統計解析セミナーにおいて実践的な演習を行う。
- (1-4) 問題解決能力の涵養のために
- 計画に沿った適切な研究の実践、研究結果の分析を通じて問題解決能力を涵養する。
- (1-5) 情報発信力の涵養のために
- 論文作成の基本技術、研究成果発表の技術に関する講義・指導等を配置する。
- 設定した研究課題の結果を論文にまとめるため、論文執筆指導を行う。
(2) 教育方法
- (2-1) 専門知識・技術と幅広い学識の修得のために
上記教育内容の修得を確実なものとするために、通常の講義の他に、e-learningを積極的に活用するほか、専門科目においては指導教員による個別指導もしくは少人数指導による双方向講義やアクティブラーニングの積極的な実施など、多様な教育方法を効果的に組み合わせて実施する。 - (2-2) ライフイベントによらない効率的な学習を可能にするために
- 必修の共通科目のうち、講義はオンラインで開講する。
(3) 成果の測定
以下の方法で、研究遂行能力や論文執筆力等を測定し、博士の学位に相応しいレベルに達しているかを評価する。
- (3-1) 各学年終了時に国際的成績評価であるGPA(Grade Point Average)を用いて履修科目の達成度を評価する。
- (3-2) eAPRINの試験を用いて、研究倫理の修得度を測定する。
- (3-3) 中間報告会と学位論文審査において、卒業認定・学位授与の方針で示した能力の修得度を測定する。
学位授与の方針 (ディプロマ・ポリシー)
新課程(2022年4月以降の入学者)
医学研究科では、教育目標を達成するために、卒業時点までに獲得すべき能力を以下のように定め、修了の要件を満たし、これらをすべて修得したと認められる学生に、博士(医学)の学位を授与する。
(1) 社会的責任
- 豊かな人間性、幅広い学識、高い倫理観を身につけ、医学・医療の分野において指導的な役割を担うことができる。
(2) 専門知識と技術
- 専門領域に関する知識と技術を身につけ、実践に活かすことができる。
(3) 情報収集と分析
- 医学・医療に関わる諸分野に関して、適切な情報の収集と分析ができる。
(4) 問題解決能力
- 医学・医療分野に関わる課題設定ならびにその課題追求のための研究計画を策定し、適切に研究を遂行できる。
(5) 情報発信力
- 研究によって得られた知見を客観的に評価し、研究論文として発信できる。
- プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力を身につけ国際学会や国際誌に、研究内容を説得力をもって発表することができる。