大学ホーム医学研究科教育・研究指導教員紹介:田代 祥一

教員紹介:田代 祥一


氏名
 
田代 祥一
タシロ ショウイチ TASHIRO, Syoichi
職位 講師
所属教室

専攻・専門分野
 (大学院)
兼務・兼担 慶應義塾大学リハビリテーション医学教室・非常勤講師
専門分野 ニューロリハ、再生リハ、神経生理学、非侵襲的脳刺激
研究テーマ 経頭蓋交流電気刺激の脳卒中リハへの応用
慢性期脳卒中に対するニューロリハ
慢性期脊髄損傷に対する再生リハ
最重度末梢神経障害に対する装具療法
災害と嚥下機能
略歴 2006 慶應義塾大学医学部卒業
2008 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室入局
2015 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程卒業
2017-2019 Danish Research Centre for Magnetic Resonance客員研究員
所有する学位 博士(医学)
指導医・専門医・認定医、その他の資格等 リハビリテーション科専門医・指導医
論文・著書等を含む主要研究業績 1) Tashiro S, Siebner HR, Charalampaki A, Goksu C, Saturnino GB, Thielscher A, Tomasevic L. Probing EEG activity in the targeted cortex after focal transcranial electrical stimulation. Brain stimul. 2020;13(3):815-818.
経頭蓋電流刺激の局所モンタージュ敷設時における脳波導出を目的としたハイブリッド電極(DONUT-DOuble electrode for Nouha U TCS)の創案についての報告です。

2) Tashiro S, Mizuno M, Kawakami M, Nakamura T, Suda M, Otaka Y, Haruyama K, Tsuji T, Liu M. Neuromuscular electrical stimulation-enhanced rehabilitation is associated with not only motor but also somatosensory cortical plasticity in chronic stroke patients – an interventional study., Ther Adv Chronic Dis. 2019;10:1-13.
Closed-loop神経筋電気刺激によるニューロリハが、慢性期脳卒中患者において感覚可塑性を誘導することを電気生理学的に初めて証明しました。

3) Tashiro S, Oku Y, Gotou N, Sugano T, Kikuhara K, Nakamura T, Suzuki H, Endo E, Miyata C, Mizuno K, Ishii N, Asato Y. Orthotic treatment for refractory plantar ulcers using distribution assessments of sensory disturbance and dynamic plantar pressure in patients with Hansen's disease: A case series. J Dermatol. 2019;46(7):e248-e250.
難治性足底潰瘍を合併したハンセン氏病患者に対して、歩行時足圧分布と感覚評価を利用して精密な装具療法を実施した症例シリーズ報告です。

4) Tashiro S, Kawakami M, Oka A, Liu F, Nishimura A, Ogawa C, Hagai F, Yamamoto S, Yazawa M, Liu M. Estimating nutrition intake status of community-dwelling elderly people requiring care in disaster settings: A preliminary cross-sectional survey. J Rehabil Med. 2019;51(4):312-316.
在宅の要介護高齢者のうち11%もの方が、平時では「嚥下障害なし」と判断されているにもかかわらず、災害時に災害食に対して嚥下困難が予測されるという驚くべき結果を報告しました。嚥下機能に関する災害リハ分野における世界で初めての報告です。

5) Tsuji O, Sugai K, Yamaguchi R, Tashiro S, Nagoshi N, Kohyama J, Iida T, Ohkubo T, Itakura G, Isoda M, Shinozaki M, Fujiyoshi K, Kanemura Y, Yamanaka S, Nakamura M, Okano H. Concise Review: Laying the Groundwork for a First-In-Human Study of an Induced Pluripotent Stem Cell-Based Intervention for Spinal Cord Injury. Stem Cells. 2019;37(1):6-13.
脊髄損傷患者に対するiPS細胞由来神経幹細胞移植における再生リハの重要性について大きく取り上げられた総説です。

6) Tashiro S, Nishimura S, Shinozaki M, Takano M, Konomi T, Tsuji O, Nagoshi N, Toyama Y, Liu M, Okano H, Nakamura M. The Amelioration of Pain-related Behavior in Mice with Chronic Spinal Cord Injury Treated with Neural Stem/Progenitor Cell Transplantation Combined with Treadmill Training. PMID: 29790403 J Neurotrauma. 2018;35(21):2561-2571.
脊髄損傷の神経再生医療において、感覚機能に与える影響はその後の生活の質へ与える影響が大きい反面、動物実験レベルでは予測がなかなか困難です。途絶えてしまった神経がつながったとして、それが感覚機能を正常な方向に戻すのかそれとも痛みやしびれの増加のような悪い影響をもたらすのかは議論が続いています。この研究では慢性期重度胸髄損傷モデルマウスに対して神経幹細胞移植と運動療法を併用したときに、異常痛覚の緩和が得られることを報告しました。

7) Tashiro S, Nakamura M, Okano H. The Prospects of Regenerative Medicine Combined with Rehabilitative Approaches for Chronic Spinal Cord Injury Animal Models. Neural Regener Res. Review. 2017,12(1), 43-46.
脊髄損傷に対する再生医療におけるリハビリテーションの役割と位置づけについての総説です。リハが再生医療に欠かせない1ピースである理由は主に2つあります。まず、移植した細胞は勝手にいろいろな神経とシナプスを作ってゆくと考えられますが、「機能訓練」によって必要な身体機能の遂行に必要な回路の選択的強化、宿主神経系への統合が進みます。次に、「運動療法」を行うことで、移植細胞の増殖や分化を後押しする神経栄養因子の発現が増加することが知られています。このようなリハの概念を「再生リハ」と呼び、これからの高度先進リハビリテーションの柱に一つになることが期待されています。

8) Shinozaki M, Iwanami A, Fujiyoshi K, Tashiro S, Kitamura K, Shibata S, Fujita H, Nakamura M, Okano H. Combined treatment with chondroitinase ABC and treadmill rehabilitation for chronic severe spinal cord injury in adult rats. Neurosci Res. 2016;113:37-47.
慢性期脊髄損傷では損傷部に厚いグリア瘢痕が形成され、脳と損傷部以下の連絡を難しくしています。この研究ではchondroitinase ABCというグリア瘢痕の主成分を分解する酵素を薬剤として用いながら、トレッドミル歩行訓練を行った場合に運動機能回復が得られることを明らかにしました。

9) Liu F, Kawakami M, Tamura K, Taki Y, Shimizu K, Otsuka T, Tsuji T, Miyata C, Tashiro S, Wada A, Mizuno K, Aoki Y, Liu M. Feasibility of a Respiratory Movement Evaluation Tool to quantify thoracoabdominal movement for neuromuscular diseases. Respir Care. 2017;62(4):423-431.
重症神経筋疾患の患者さんでは呼吸機能の維持がたいへん重要な課題です。さまざまな呼吸リハが行われますが、疾患が進行性であることもあってその効果を正確に評価するのは困難です。これでは患者さんの呼吸機能がどのような変化を見せているのか、どのような呼吸リハが最も適しているのか調べることができません。そこで本研究では胸郭と腹壁の動きを精密に評価する装置を開発し効果を報告しました。

10) Tashiro S, Nishimura S, Iwai H, Sugai K, Zhang L, Shinozaki M, Iwanami A, Toyama Y, Liu M, Okano H, Nakamura M. Functional Recovery from Neural Stem/Progenitor Cell Transplantation Combined with Treadmill Training in Mice with Chronic Spinal Cord Injury. Scientific Report. 2016 Aug 3;6:30898. doi: 10.1038/srep30898.
脊髄損傷に対する再生医療では、急性期や亜急性期での移植には効果が期待できる反面、慢性期では移植をしても運動機能回復が得られないことが知られています。しかし脊髄損傷後遺症に苦しむ患者さんのほとんどは慢性期なのです。我々は慢性期重度胸髄損傷モデルマウスに、世界で初めて神経幹細胞移植とトレッドミル歩行訓練を併用し、リハを併用すると有意な運動機能回復が得られることを報告しました。機序としても、相加的な効果だけではなく、移植細胞の分化傾向の変化や腰髄歩行中枢の可塑性などの点で相乗的な効果が働いていることを見いだしました。慢性期患者さんへの再生医療の可能性を拓いた、学術的・臨床的に大変意義深い報告です。

11) Hao W, Tashiro S, Hasegawa T, Sato Y, Kobayashi T, Tando T, Katsuyama E, Fujie A, Watanabe R, Morita M, Miyamoto K, Morioka H, Nakamura M, Matsumoto M, Amizuka N, Toyama Y, Miyamoto T. Hyperglycaemia promotes Schwann cell de-differentiation and de-myelination via sorbitol accumulation and Igf1 downregulation. J Biol Chem 2015;290(28):17106-15.
末梢神経障害におけるシュワン細胞の機能低下機序はよくわかっていませんでしたが、高血糖状態が続くことによる脱分化がその機序の一つであることを明らかにしました。

12) Tashiro S, Shinozaki M, Mukaino M, Renault-Mihara F, Toyama Y, Liu M, Nakamura M, Okano H. BDNF Induced by Treadmill Training Contributes to the Suppression of Spasticity and Allodynia after Spinal Cord Injury via Up-regulation of KCC2. Neurorehabil Neural Repair. 2015;29(7):677-89.
脊髄損傷モデル動物に対する運動療法が、神経栄養因子の発現増加を通じて痙縮や疼痛を一部共通の機序を介して抑制することを明らかにしました。

13) Tashiro S, Akaboshi K, Kobayashi Y, Mori T, Nakaga M, Liu M. Herpes zoster-induced trunk muscle paresis presenting with abdominal wall pseudohernia, scoliosis, and gait disturbance and its rehabilitation: a case report. Arch Phys Med Rehabil. 2010;91(2):321-325.
帯状疱疹において、まれに運動麻痺が生じることが報告されていますが、それによる体幹筋麻痺から脊柱側弯症を発症した症例を世界で初めて報告しました。関節リウマチ治療による免疫抑制状態の患者であったことが原因の一つであると考えています。
所属学会 International Spinal Cord Society
日本リハビリテーション医学会
日本脳卒中学会
日本脊髄障害医学会
日本再生医療学会
日本神経科学学会
日本臨床神経生理学会
日本義肢装具学会
日本摂食嚥下リハビリテーション学会
日本運動療法学会
ひとことメッセージ よく「病気でなくて病人を診よ」といいますが、リハ医学はそれをつきつめた全人的医療をおこなう診療科です。他科が「疾患の治療」を目的とするならば、リハは「生活の調律」を目的とします。そして基本的に全てがtailor-madeなチーム医療なので、関連職種の人たちと協力して、患者さんたちができるだけ良い「これからの生活」を描けるように知恵を絞っています。
他方、研究面では時代の最先端に直結しています。脳科学の応用、神経再生医療(細胞を植えたらそれを宿主のシステムと再統合する必要があります)、ロボットリハ、さらには宇宙医学まで!
そんなリハ医学の楽しさをお伝えできればと思っています。
関連サイト https://kyorin-rehab.jp/
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