医学研究科卒業生が米国腎臓学会Top Oral Abstractに採択
平成25年11月5日〜11月10日に米国のアトランタで開催された米国腎臓学会で、当教室の伊藤雄伍助教の発表「Epigenetic role of Wolf-Hirschhorn syndrome candidate 1-like 1 (WHSC1L1) in glomerulogenesis」が優秀口演に選ばれました。米国腎臓学会は、腎臓関連の国際学会の中で最大の規模を誇り、演題の受理についても厳しい採択基準を設けている大変レベルの高い学会です。今回の演題は、受理された3815題の発表のうち上位41題が選ばれたものの一つです。伊藤助教の研究は、WHSC1L1という新規分子が、ネフローゼ症候群のタンパク尿の病態の根幹にある糸球体上皮のネフリン障害を、epigenetic levelでコントロールすることを初めて同定し、さらに、この分子の存在が、糸球体の発生にも必須であることを証明したものです。この研究成果は、WHSC1L1をさらに上位で調節する化合物の同定により、新規の抗ネフローゼ薬の創薬化の可能性があることを示唆するという意味でも、極めて科学的そして臨床的に価値のあるものです。
伊藤助教の今後の更なる活躍が期待されます。
(文責:小児科学 楊 國昌)
2013年12月 9日