担当している患者さんのリハビリ内容や計画書などの見直し、新規にリハビリテーションの申し込みがでていないかなど1日の予定をチェックします。また患者さんを一緒に担当している理学療法士・言語聴覚士などと情報を共有化し、相談することで、作業療法士自身にも新たな視点が加わり、より良いサービスを考えます。
また、作業療法士全員で、患者さんが使用する机や椅子、マット、道具などを整え、そしてその日の作業療法士各々の予定や、連絡事項なども伝え合います。
午前中のカンファレンスに参加します。医学的な治療を必要とし、新たに作業療法などリハビリテーションの施行が必要な患者さんの情報を共有化するために行われます。参加しているのは、担当医・看護師・作業療法士・理学療法士・言語聴覚士・社会福祉士です。
午前中に平均7名程患者さんを担当し、患者さんの個々の体調や症状に合わせて実施します。また場合によっては患者さんが昼食を食べているところに行って、リハビリテーションをすることもあります。
患者さんが脳血管疾患の後遺症で「マヒ」が残ってしまった場合、生活するうえで必要な動作や運動を繰り返し行うことや「マヒ」の側の手と健康な手を一緒に使う両手動作のリハビリテーションなどを実施します。その理由は、「マヒ」側への働きかけだけでなく、健康な側を使用することで生活に欠かせない動作を増やすことができると考えているからです。また退院後も、後遺症と向き合っていかなければいけない患者さんが継続したリハビリテーションの実施を重要と考えています。
作業療法士は、患者さんがリハビリテーションを継続して行うために、面白みやわずかでも達成感を感じてもらう必要があると考えています。そして回復期や維持期での生活を考慮して、生活動作や趣味・仕事の動きを取り入れたリハビリテーションを実施するよう心がけています。
患者さんの食事しているところへ行き、その段階での食べ方を評価します。そして安全に、スムーズに食べられるように患者さんと練習します。練習にはのどに食べ物がつまらないような姿勢を整えることや自助具(患者さんがご飯を食べやすいように作られたスプーンやお皿)を使用して直接に関わります。また、ご家族やスタッフにできるようになった成果や安全に食べるために必要なことを伝えています。
午前中の作業療法を実施した患者さんの記録をつけます。昼食をとり、午後に向けて一息いれます。
すでにリハビリテーションを実施している患者さんの情報を共有します。特に退院の兆しが見えてきた患者さんのこれからについての情報の共有化は力を入れています。参加するスタッフは看護師・作業療法士・理学療法士・言語聴覚士・社会福祉士です。
作業療法でのプログラム実施中の変化や気が付いた点について伝えます。 例えば、脳血管疾患の障害の1つに注意力の低下があります。検査結果から注意しながら行動することが難しいと判断できる場合、作業療法士は、検査結果からまず生活するときに実際問題となる行動を整理します。そして、患者さんと注意して行動できるようになるための内容を含んだ動作練習や、患者さんが安全に暮らすためのサポートとして、スタッフや家族の人から行動時の声かけ方法や患者さんの身の回りの物の配置についても伝えます。
午後に8〜10名程の患者さんを午前中同様、体調や症状に合わせて担当しています。 具体的な訓練例-トイレ動作の獲得-身体の状態が安定し、生活するうえで欠かすことのできない排泄に関する動作を患者さんと行います。車いすから手すりを持って立ち上がる時に患者さん本人の力を使わせて、ゆっくり行います。患者さんのペースであせらせずリハビリテーションを実施し、動作が自分でできたと達成感を持ってもらえるような成功体験を重ねるよう行うよう心がけています。練習中、安全に、スムーズに患者さんができる方法を判断し、患者さんと練習します。
記録及び自助具などの作成 作業療法終了後、退院サマリー(病歴などの要約)や午後作業療法を実施した患者さんの記録をつけます。また新しい患者さんのリハビリテーションに関する計画書を作成します。それ以外に担当している患者さんが生活しやすいように自助具や装具を作成するなどします。 その後帰宅します。
作業療法士の実際の働いている1日を追わせていただいた、 杏林大学医学部付属病院 リハビリテーション室 石田幸平さんに質問です。
今回、ご協力いただきました杏林大学医学部付属病院リハビリテーション室作業療法部門の皆様、ありがとうございました。作業療法学科では、臨床実習等でお世話になります。